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  1. 静岡市議会 2011-06-03
    平成23年6月定例会(第3日目) 本文


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前10時開議 ◯議長(石川久雄君) これより本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、先刻お手元に配布したとおりであります。    ─────────────────────    日程第1 議案第106号 平成23年度静岡市一     般会計補正予算(第1号) 外12件(総括     質問) 2 ◯議長(石川久雄君) 日程第1、議案第106号平成23年度静岡市一般会計補正予算(第1号)から日程第13、一般質問までを一括議題といたします。  先日に引き続き、総括質問を行います。  順次発言を許します。  初めに、風間重樹君。   〔16番風間重樹君登壇〕 3 ◯16番(風間重樹君) おはようございます。  今回の質問は、大きく分けて4つ、マニフェストと施政方針、津波対策、高度地区、清水の斎場について、順次、質問をさせていただきます。  まず、最初の質問は、マニフェストと施政方針についてです。  田辺市長の所信表明、そして、総括質問初日の各会派代表者の質問を拝聴し、特に行財政改革に対する並々ならぬ決意を感じました。しかし、特にその政策を研ぎ澄ませば研ぎ澄ますほど、一方では反発も強まり、政策を断行するには強い意思と説得力、公の議論の場で最後まで議論を尽くすとの姿勢が望まれます。  最初の質問では、マニフェストに登載した市長給与の半減が、どのような過程で新聞各紙の言うところの修正、方針転換、あるいはでこぼこ削減案となったのか、その過程が、田辺市長のマニフェストに対する考えや修正の説明責任に反しないかに焦点を絞り質問していきます。  さて、マニフェストと施政方針については、4つの質問をさせていただきます。  1つ目は、マニフェストのタイトルとなっている現状打破の現状とは何かについて、再度確認をさせていただきます。  田辺市長は、市長選挙に立候補するに当たり、みずからの考えを広く市民に伝えるべくマニフェストを作成されました。表紙には、「若い力で現状打破」の文字、現状打破には「いまをかえる」とのルビが振ってあります。現状とは、田辺市長が立候補を決意され、まさしく市民の目線でマニフェストを作成しているときの静岡市政、そして、そこに連なる過去、慣習、これらすべてを見直し、新しい市政を生み出すとの強い覚悟そのものだったと思います。いま一度、その原点に立ち返り、現状打破の現状とは何を意味するのか確認をさせてください。
     2つ目は、マニフェストの位置づけについて、どう認識されているか、お尋ねをいたします。  マニフェストは、当選後の市民との約束事だと解釈していますが、田辺市長は、マニフェストをどのような意識で制作したのか確認をさせてください。  3つ目は、マニフェストの実行に当たり、議会との対立が生じた場合、どのように対応していくのか、確認をさせてください。  田辺市長は、マニフェストを実行するに当たり、行財政改革の推進が必要不可欠とし、新しい公共経営の手法を駆使し、まずは率先して、みずからの給与半減、さらには、7月に予定されている事業仕分けを通じさまざまな見直しを行っていくとしています。これらによってもたらされる効果は、今後の予算配分や優先順位が、これまでとどう大きく変わるかによって測定することができます。  市長は所信表明の中で市政運営に取り組む3つの基本方針の2番目に、スピード重視を掲げています。スピーディーな行財政改革には大いに期待をしたいところですが、市長のスピーディーで効果の高い政策決定に対し議会から反発が生じた場合は、どのように対応されるおつもりなのか、確認をさせていただきたいと思います。  4つ目は、マニフェストの実行に当たり、内容等の変更が生じた場合には、説明責任をどのように果たされるのか、お聞かせください。  マニフェストの修正に関しては、たとえそれが微調整であっても、修正の妥当性が問われることはもちろん、その過程には透明性と公開性が求められます。これは、田辺市長の基本方針の3番目、積極的な情報発信に当たります。マニフェストの修正、変更が生じた際、説明責任をどう果たされるのかをお聞かせください。  5つ目は、今後、市民と行政との一体感をどのように醸成していくかについてです。  報道は、5月12日の行財政改革審議会の席上、田辺市長が、「必要なのは市民と行政との一体感、頑張っている市民に行政もこれだけ頑張っているということを示すことが大事」と話したと伝えています。行財政改革には市民の理解も不可欠です。今後どのようにして市民と行政との一体感を醸成していくおつもりなのか、お考えをお聞かせください。  次に、2番目、二元代表制について市長の認識をお尋ねいたします。  二元代表制の特徴は、首長と議会がともに住民を代表することであり、そこには与党も野党もなく、相互の緊張感を保ちながら、抑制と均衡、対等の機関として基本的な方針を決定するべきところにあると考えます。  また、二元代表制の基本は相互の緊張感を保つことにあり、これを継続させるためには、意思決定における議論の透明性と公開性が不可欠です。田辺市長の見解をお聞かせください。  次に、3項目め、市長給与について2点の質問をいたします。  1つ目は、マニフェストに記載されている市長給与の半減について、登載時点においては、市長が率先して行財政改革を進めていく、その強い決意を示すものだったと受けとめていますが、田辺市長は、どのような思いでマニフェストに登載したのか、お聞かせください。  2つ目は、マニフェストに登載された給与の半減について、当初、月給、ボーナス、退職手当半減であったとマスコミにも広く理解をされていますが、どのような経過で月給の20%、ボーナス半減退職手当廃止に変わっていったのかをお聞かせください。  新聞報道では、「給与半減に対し、選挙で市長を支援した市議から、実現すれば議員報酬も削減すべきだとする声が出てくるなどと懸念する声が強まる」、中日新聞、6月3日。「一部の市議から、市長月給を半減すれば議員にも影響すると反発されたため、修正余儀なく」、毎日新聞、6月4日。「市議会から、市議や職員の給与カットに波及する可能性が高いとの反発で方針転換」、読売新聞、6月4日。「でこぼこ削減の背景に大幅な市長給与カットが議員報酬に及ぶことを懸念する議会側の反発があった」、静岡新聞、6月4日。また、6月17日の読売新聞は、「報酬削減をおそれ市議反発も」と見出しで扱っています。  当初、月給・ボーナス・退職手当半減が修正されたのは、これら報道にあるように、一部市議の意見が大きな要因なのでしょうか、お答えください。  1回目の質問は、以上で終わります。 4 ◯市長(田辺信宏君) マニフェストと施政方針について、マニフェストの実行に当たり、どのように対応していくか、説明責任をどのように果たしていくか、そして、二元代表制についてお答えをいたします。  言わずもがなでありますけれども、二元代表制のあり方と議会対応につきましては、市議会と市長は、それぞれが市民から選ばれた代表であり、議決機関と執行機関として、ともに重い責任を有しており、市政運営の両輪であります。  市政運営における政策決定のプロセスには、さまざまな過程がありますが、私は、その一つ一つを大切にしていきたいと考えており、それぞれの局面において、現地・現場主義を徹底し、市民の代表たる市議会議員の皆さんはもとより、市民の皆さんからも意見を丁寧に伺い、よりよい政策に練り上げていこうと考えています。その上で議案を今議会に提案をし、公の場であるこの議場において建設的な議論を行い、議員各位の御理解が得られるよう、最善を尽くしていきたいと考えております。  また、マニフェストの説明責任につきましては、マニフェストに基づく政策の推進において、市民のニーズや社会経済情勢の変化を正確に受けとめながら、マニフェスト原理主義に陥ることなく総合的に判断すべきと考えており、説明責任を十分に果たすことにより、議会や市民の皆さんとの信頼関係を損なうことのないよう努めていきたいと考えています。  また、項目3番目の市長給与についての2点のお尋ねであります。  所信表明で申し上げましたとおり、市長給与の半減につきましては、現在の厳しい財政状況の中、市政を運営していくためには、行財政改革が必要不可欠なものであるため、この行財政改革を徹底していく私自身の姿勢・決意を、まず身をもって示そうとの思いから掲げたものであります。  また、総額で半減ということについての説明でありますが、私のマニフェストについては、まず市長の給与を半分にし、4年間で5,000万円を節減すると掲げさせていただきました。この給与の半減のための具体的な方法については、さまざまな方法が考えられる中で、例えば月々の給料、期末手当、退職手当、それぞれについて半分にするという方法も確かに検討しておりました。しかし、今回、市長給与の特例条例案を提出するに当たり、他都市における給与の減額の手法や副市長など他の特別職とのバランスなども考慮に入れたさらなる検討を重ね、市民目線の意見や専門的立場からの意見等もお聞きした上で、本議案のとおりとすることで、マニフェストに掲げた趣旨である給与の半減を4年間の給与の総額で実現していこうという結論に至ったものであります。  ただいま、特例条例案提出の経過説明をさせていただきましたが、この件に限らず、議会審議案件につきましては、市民の皆さんの目に見える形となるよう、市議会の皆さんとの積極的な議論の中で十分な説明責任を果たし、市政の運営に臨んでいきたいと考えております。御理解をよろしくお願い申し上げます。  以下は、局長に答弁させます。 5 ◯経営管理局長(小長谷重之君) 市長マニフェストにかかわる3点のお尋ねにお答えをいたします。  まず、現状打破の現状とは何かということと、マニフェストの位置づけについてでございます。  今後、打破していかなければならない現状とは、行政に市民が求めている価値を創造できているかという視点が不足していること、また、せっかくの市職員の頑張りを市民の皆さんにうまく伝え切れていないという現状です。特に、すぐれた地域資源を生かし切れていない状況や、地震、津波に対する大きな不安、子育て、老後に対する心配を安心に変えることなどは、特にスピード感を持って対応していかなければならない課題であると考えております。  また、マニフェストは、市民との約束として、それに基づく政策を着実に推進していくことが求められていることから、行政計画である、まちみがき戦略推進プランとして整理・再編し、進捗管理を行うとともに、このプランを指針として2次総の第3期実施計画の策定を行ってまいります。  次に、市民と行政との一体感の醸成についてです。  静岡市政発展のためには、市民と行政が互いに信頼し合い、官民が協働して課題の解決に取り組んでいくことが重要であると考えております。そのために、まずは現地・現場主義に基づき、できる限り地域に足を運び、直接市民の皆さんと対話する機会を積極的に設けることにより、行政との力強い信頼関係を構築していくよう努めてまいります。  さらに、本市の将来ビジョンやそれを実現するための政策について共有するため、まちみがきトークお茶カフェトークなどを通じて、市民の皆さんや各種団体とのオープンな対話を積極的に行ってまいります。また、いただいた御意見は、まちみがき戦略推進プランに適切に反映していきたいと考えております。  以上でございます。   〔16番風間重樹君登壇〕 6 ◯16番(風間重樹君) 御答弁ありがとうございました。  これまでの答弁を要約しますと、現状打破の現状とは、行政に対する期待に十分こたえられているか、過去の慣習や前例、そういったものであり、また、それをうたったマニフェストは市民との約束であると。修正にはしっかりとした説明責任を十分に果たすことが必要である。さらに、二元代表制というものに関しては、市政を発展させるための車の両輪である。緊張感を保ちながら発展を目指すということでした。  市長月給の半減は、必要不可欠な行財政改革を徹底していく姿勢、強い決意を身をもって示そうという思いから掲げたと。また、市民への新しい市政への信頼感を確かなものにするために、市長給与削減は象徴的なもの、断固なし遂げなければならない、これは新聞報道ですが、こういうこともありました。  これでよろしいのでしょうか。  以上、要約しますと、やはり月給、ボーナス、退職手当半減という市民にもわかりやすい形できっちりと議会に上程し、田辺市長の行革に対する不退転の決意を本会議場や、あるいは委員会の質疑の場で力強く我々議員や市民に訴えるべきではなかったのでしょうか。  市長の言うとおり、政策の立案過程、実施段階において、ある意味、根回し的なことは必要かと思います。しかし、今回の事案についてそれが必要であったかどうかは、意見の分かれるところであります。  これからは、本件に対する私の見解と要望です。  本来、マニフェストどおりの議案に対して、他都市の手法、特別職とのバランスなどを考慮しながら、議員と市長を含む関係当局が公の立場で正々堂々、慎重に議論を重ね、修正するか否か、そして、議案そのものを可とするか否とするか、あるいは継続か、それぞれが発言に責任を持って議論、審議することが、また、厳しい選挙戦を勝ち抜かれ、不退転の決意で行革に臨もうとする田辺新市長に対する議会人としての礼儀であり、また、開かれた議会を標榜する我々静岡市議会に与えられた最初の役目であったと考えます。  田辺市長は、マニフェスト修正の理由に特別職とのアンバランスを挙げていますが、それはマニフェストを登載する時点で明らかなことであり、議会前の修正の理由としては説得力に欠けるものです。  一方、今回の議論が議会という公の場所とは違うところで交わされ、修正されたことは、あたかも静岡市議会の議員の多数が、みずからの報酬に影響が及ぶことをおそれ議会前に修正させたとのイメージを少なからず市民に与えたことも、また事実です。議員の一人して残念でなりません。つまり、このマニフェスト事前修正に至る過程は、結果として、田辺市長にとっても議会にとっても、百害あって一利なしだったのではないでしょうか。  これは広く議会に対する警鐘ですが、田辺市長が師と仰ぐ早稲田大学大学院公共経営研究科北川正恭教授は、地方自治体の発展について、自治体と議会がなれ合いの政治を続けていてはだめだと話し、なれ合いとは、オール与党体制を是とする市長と幹部の考え方にあると断言しています。また、議会における審議の重要性については、この7月に自民党静岡市議団と新政会が議員研修会でお招きになる法政大学法学部廣瀬克哉教授は、「月刊ガバナンス」でノーと言うときの議論の内容が市民に対してきちんと発言され、発信され、納得されるようなものであれば、足を引っ張っているという評価にはならないはずである。生産的な批判、生産的な修正が議会の成果として認知されるような議会活動が展開されない限り、議会批判はやまないだろうと記しています。  時、あたかも静岡市議会が議会改革の専門組織を立ち上げ、新しい静岡市議会をつくろうとしています。田辺市長には、これに至る過程をぜひ真摯に省みていただき、前例や慣習にとらわれることなく、さらに強い意志を持って力強く市政運営に当たられますようお願いいたします。心から期待申し上げます。  さて、次の項目、津波対策について質問いたします。  3月11日の地震発生から数日後、清水区の駅東にある商業施設、河岸の市の関係者から、震災時の避難先について次のような質問を受けました。地震直後に清水テルサに逃げた人が、ここは避難ビルではないからほかに行くようにと退去を求められた。緊急時にこのような対応でよいのかというものです。その後、他の公共施設についても他の方から同様の質問を受けました。  当局は、地震発生時には直ちに高台や津波避難ビルに逃げることとしていますが、予知なしでわずかに数分、観光客、商用で移動中の人などを含め、ほとんどの人が、まずは高い建物を目指して急ぎ避難を開始すると思います。  災害情報学の牛山素行静岡大学防災総合センター准教授は、新聞のインタビューの中で、避難専用の建物を新設するのは費用面などで難しい。既存の施設を活用し、段階的に危険性を減らすべきと話しています。  津波浸水危険予想区域にある公共施設が、避難ビルに指定されていない理由の1つに、かぎなどの管理、構造上のセキュリティー問題があると聞いています。  そこで質問は1点、公共施設の避難ビル指定セキュリティー対策について、どのようにお考えかお聞かせください。  次に、高度地区の指定についてお尋ねをいたします。  高度地区指定の背景について、当局は、平成18年に都市計画マスタープランを策定し、土地利用の規制、誘導などに取り組んできたが、現行の制度のみでは建築物の高さを十分にコントロールできない。中高層建築の建設に起因する近隣紛争の未然防止を図ることを目的として、建築物の高さを一定範囲に抑える高度地区を指定することになったとしています。  以前受けた当局の説明では、大きな反対もなく、予定では6月の都市計画審議会で決定、周知期間を経て、早ければ9月には施行というスケジュールでいるというものでした。  しかし、静岡経済同友会静岡協議会からは、3月15日、代表幹事名で、前小嶋市長と石川議長あてに静岡市都市計画高度地区指定に関する意見書が、また、5月17日には都市計画課長あて高度地区許可基準(案)のパブリックコメントに対する意見書が提出され、また、5月18日には田辺市長あて社団法人静岡都市開発協会から、理事長名で静岡市都市計画高度地区(案)に対する要望書が提出されています。  静岡経済同友会からの意見書の要点は、大きく分けて4つです。1つ目が、なぜ全市域を一度に規制するのか。まずは、高度地区指定の前に用途地域の見直しを行い、政令市として必要な都市機能との整合性を検証し、優先地域を定めて順次指定していくべき。2つ目が、市長マニフェストによる災害対策と高度規制を指定する地区との整合性がとれていない。3つ目が、当局の言う、市民との十分なコンセンサスを得た上で手続を進めるとした姿勢が十分果たされていない。4つ目が、メリットだけでなく、地価下落や地域経済に与える影響なども考えられる。デメリットも明示すべきというもの。  また、都市開発協会からも地域の特性に合った高度地区、高さ制限の設定が必要とし、具体案を挙げ提案されています。  ここ数年、高層マンションの建設に絡み、地域住民との間で争いごとが生じています。高度地区の指定は必要と考えますが、一方ではまだ十分な理解が得られていないというのも事実のようです。  そこで、本件については4つの質問をさせていただきます。  まず1点目は、当局は、これらの意見書、要望書をどのように認識、対応するのか。  2点目は、具体の要望について、当局はどのように考え対応されるのか。  3点目として、高さ規制によるデメリットはどのようなものが想定されるのか。  4点目は、今後のスケジュールについてお聞かせください。  次に、清水斎場のPFI導入の可能性について、2点の質問をいたします。今回の質問は、清水斎場の建設手法にPFI手法を検討すべきとの立場から行います。  まず1点目として、事業手法選択にかかわる検討経過についてお尋ねをいたします。  清水斎場は、改築から43年、火葬炉更新から24年が経過し、老朽化が著しく進んでいます。加えて、今後は火葬需要の増加が見込まれることから、再整備は静岡市第2次総合計画に位置づけられ、本年3月には整備基本計画などを策定、当初予算に1,860万円を計上、土地利用基本計画の策定などに着手しています。  基本整備計画によると、新施設は火葬炉を現況の6基から8基に増設、火葬棟のほか、待合棟、駐車場、緑地広場などが整備される予定になっています。当局がまとめた事務事業評価による総事業費は今のところ38億円となっています。  本市では、平成15年に静岡市PFI導入に関する基本方針が策定され、平成22年8月に完成した静岡市立西島学校給食センターと平成24年8月に開館を予定している静岡市清水文化会館マリナート、この2つの公共事業にPFIを導入し実施しております。  本年23年3月にまとめられた静岡市PFIガイドラインでは、次の5つの基本的な考えに基づきPFI導入の推進に向けた取り組みを行うとしています。  要約しますと、1つ目が、公共施設等の整備に当たっては、積極的にPFIの導入を検討する。2つ目が、検討に当たっては、民間委託、公設民営方式など、さまざまな事業方式を比較検討する。3つ目が、事業手法の検討、選択段階から情報公開に努め、事業の総経費を明確にする。4つ目が、行政と民間の役割分担、協働による行政経営を理念とした行財政改革を推進するための手段としてPFI導入の検討を積極的に行う。5つ目が、事業の実施に当たっては、地元企業の参加を促進する取り組みを進めていくというものです。  そこで、1つ目の質問ですが、清水斎場の整備に当たり、今後予定される建設、運営、維持管理の方法について、PFIも1つの選択肢であり、静岡市PFIガイドラインに基づき積極的に検討すべきと思いますが、経済効率性や市民サービス向上の観点から、現在どのような検討を行っているのか、お聞かせください。  次に、2点目として、PFI導入可能性調査に至るスケジュールPFI検討会議の課題についてお伺いをいたします。  当局が行った試算によると、清水斎場は、火葬需要が平成26年に火葬能力を超え、斎場休場日明けに火葬ができず、翌日以降の火葬あるいは他の斎場利用による火葬を余儀なくされる頻度が年々高くなることが推測されるとしており、事務事業評価では、平成29年度には支障のない火葬対応の限界に達してしまうことが予想されることから、平成29年度当初までに清水斎場を新たに建設する必要があるとしています。  さて、PFIの導入については、VFM、バリュー・フォー・マネーの実現という目的があることは既に御承知のとおりだと思います。VFMとは、支払いに対して最も価値の高いサービスを提供するという考え方で、同一のサービスならば、より低いコストで提供する、同一のコストならば、より質の高いサービスを提供することを意味します。静岡市PFIガイドラインにおいても、PFIを採用するに当たっては、このVFMが従来の方法と比較して発生するかどうかを検討することが大変重要としています。  さて、ここで他市の斎場整備における幾つかのVFM値を例に見ると、大型炉の30基の札幌市山口斎場におけるVFMは、選定時で4.1%、落札時で20.9%、火葬炉14基の越谷広域斎場のVFMは、選定時で7.1%、落札時で25.4%、火葬炉10基の呉市斎場の場合には、それぞれ10.5%、42.1%、火葬炉8基の愛知県広域組合による豊川斎場の場合は、それぞれ8.2%、35.3%となっており、いずれも高い効果となっています。しかし、PFI事業は、従来型公共事業に比べると施設運営までの手続が多くなります。  そこで、2点目の質問ですが、29年の供用開始を前提に逆算しますと、PFI検討会議において導入可能性調査を実施するか否かの結論はいつまでと考えるか、また、検討会議における今後の具体的検討課題は何かをお聞かせください。  以上で2回目の質問を終わります。 7 ◯副市長(清水喜代志君) 高度地区に関する要望書等に対する認識でございますけれども、本市は、高度地区を指定することにより、周辺に比べ著しく高い建物の立地を抑制し、良好な住環境の保全、良好なまち並み景観の創出、安心して住めるまちづくりを目指しております。  今回提出された意見書、要望書につきましては、貴重な意見、要望であると認識していると同時に、運用基準等について説明不足と感じておりますので、改めて市民や関係団体に十分説明した上で、高度地区を指定してまいりたいと考えております。 8 ◯危機管理統括監(望月俊春君) 公共施設の津波避難ビルの指定とセキュリティー対策についてお答えいたします。  今回の津波避難訓練対象区域に位置する学校及び市営住宅などについては、津波避難ビルとしての指定に向け、現在、施設所管課と協議をしております。また、発災時に施設を開放するためのかぎの管理などについては、施設管理者と協議し、ビルの開放要件なども含めて明確にするとともに、適切な方法で速やかに市民の皆様にも周知してまいりたいと考えております。  以上でございます。 9 ◯都市局長(杉浦 進君) 高度地区指定に関する質問についてお答えいたします。  高度地区につきましては、多くの市民から建築物の高さ制限に関する要望を受け、平成20年度より指定に向けて取り組んでおります。  本市の市街地の特徴といたしまして、2階から3階建ての中低層の建築物が市域のほとんどを占めており、住宅地のほか、商業地や工業地におきましても高層マンション建築等に係る紛争が発生し、本市や市議会にあっせんや陳情等が寄せられております。  地元説明会などにおきましても、できるだけ早期に指定を望む声が寄せられていることから、全市的な視点で、早期に住環境の保全を図っていくことが必要と考えております。  今回、提出されました意見、要望書の対応でございますが、用途地域につきましては、土地利用の変化や都市計画道路の整備状況等を踏まえ、おおむね5年に1度定期的に見直しを実施し、良好な市街地形成の誘導を図っております。  高度地区による高さの指定は用途地域の区分ごとに定めており、今回の指定については22年度の定期見直しをもとに行うものであります。  それから、必要とされる津波避難ビルなどは、高度地区の指定にかかわらず建築が可能となるよう特例許可の基準を設けており、整合が図られておりますが、この基準について、さらにわかりやすく皆様に説明をしてまいります。  市民とのコンセンサスについてでございます。  これまで関係団体や市内16地区で地元説明会を開催し、また、計画案に対するパブリックコメントや自治会に対しパンフレット回覧など周知を行ってきたところでありますが、本年4月、特例許可の基準案に対するパブリックコメントに対し各種団体から意見をいただいたことから、今後は、寄せられた意見等を踏まえ、基準案の修正を行った上で、さらに市民や関係団体に理解を深めてまいりたいと考えております。  高さ規制によるデメリットについてでございます。  これまで実施したパブリックコメントでは、デメリットとして地域経済活動への影響等が懸念されておりますが、高度地区の指定に当たりましては、中心市街地は適用除外としていることや、容積率や建ぺい率から想定できる範囲内の高さを基本的に設定していること、また、一定規模以上の敷地で空地を設けるなど、周辺環境に配慮した計画には制限を超えて建築できる緩和制度を特例許可の基準の中に設けていることなどにより、地域の経済活動の支障にはならないものと考えております。  最後に、今後のスケジュールについてでございます。  現在、特例許可基準案の修正を行っているところでございまして、今後、市民に十分説明をし、理解を得た上で、都市計画決定を経て施行をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 10 ◯生活文化局長(久朗津雅敬君) 清水斎場の整備における現在の検討状況につきましてお答えを申し上げます。
     清水斎場の整備に当たりましては、防災、福祉、環境、景観への配慮はもとより、ゆとりと厳粛性のある施設として市民に御利用いただける施設整備と、運営、維持管理を含めた総事業費抑制につきまして、十分な検討を行うことを基本コンセプトにした清水斎場整備基本計画に基づきまして、その事業手法等として、直営方式のほかに、民間活力を活用したPFI、指定管理者制度、業務委託など、さまざまな手法の中から最適なものを選択するための検討を進めているところでございます。  現在、静岡市PFI検討会におきまして導入の可能性につきまして検討中であり、今後は、さらに建設における長期耐久性が確保できる最適な工法や構造などを検討し、効率的な事業推進に努めてまいります。  以上でございます。 11 ◯経営管理局長(小長谷重之君) 清水斎場についてのPFI検討会における結論を出す時期と検討課題についてお答えをさせていただきます。  本市では、PFI事業の導入等について必要な検討を行う庁内組織であるPFI検討会を設置しているところでありますが、仮に平成29年度当初を清水斎場の供用開始時期とした場合、PFI事業の諸手続から工事の完了までおよそ4年間を要することから、平成24年度には導入可能性調査を実施し、導入の決定まで至る必要があります。したがいまして、検討会において導入可能性調査実施の適否の結論を出すのは、平成24年度当初予算要求時期前までとなります。  検討課題といたしましては、建設予定地が畑地帯総合整備事業地内にあることから、事業途中の整備用地へのPFI事業の適否などであると考えております。  以上でございます。   〔16番風間重樹君登壇〕 12 ◯16番(風間重樹君) 御答弁ありがとうございました。  まず、避難ビルとセキュリティーの関係ですが、先日、県地震防災アドバイザーが、避難の時間、5分500メートルということに関して次のようなことを言っていました。揺れが終わるまで約1分、家屋の外に出るまでが1分、避難先のビルの階段を安全な高さまで上るのが1分。そうなると、実際に逃げる時間というのは2分ぐらいしかないんじゃないかという指摘がありました。  また、議員研修会では、秒速1メートル、深さ40センチの水で安全避難が困難になるとも聞いています。  公共施設における平日、昼間の避難者受け入れについては、いま一度その対応の徹底をお願いするとともに、休日、夜間等における公共施設の活用については、御答弁のとおり、かぎの管理をどうするかなどセキュリティー対策には、早急に御協議いただき、近隣住民が逃げ惑うことなく、スムーズに建物内に入れるような御配慮をお願いいたします。  次に、高度地区指定ですが、当局は、改めて市民や関係団体に十分な説明をしていきたいとしております。御答弁の内容は十分理解をするものです。ただ、やはりそのことが十分伝わっていないというところがあるのではないかなというふうに思っています。やはりきめ細やかな対応が何よりも必要ということです。住民側と経済団体、それぞれの立場で反応が異なっています。慎重かつ柔軟に対応されることを重ねてお願いいたします。  最後に、清水斎場の整備について、PFI導入可能性調査については、実施の適否を平成24年度の当初予算要求時期ぐらいまでに決めるとの見通し、また、現在の課題としては、畑地帯総合整備事業へのPFI事業の適否であると伺いました。  現在までに全国で9件のPFI事業による斎場整備が行われています。選定時、VFM、バリュー・フォー・マネーの平均値は約10%、落札時VFMに至っては20%を超えています。このように高い経済効率性が期待できる斎場へのPFI導入をぜひ前向きに検討されるよう重ねて要望いたします。  田辺市長はマニフェストの中で、行財政改革を断行するとしています。PFI導入についての検討課題について、当局は畑地帯総合整備事業へのPFI事業の適否としていますが、今後は、地権者との交渉についていろいろな問題もあるかと思いますが、ぜひ事業手法の選択肢に影響を来さぬよう、誠実かつスピーディーに対応されるようお願いし、すべての質問を終わります。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 13 ◯議長(石川久雄君) 次に、大村一雄君。   〔11番大村一雄君登壇〕 14 ◯11番(大村一雄君) 質問をさせていただく前に、3月11日の大震災による多くの犠牲者の皆さんに哀悼の意を表します。  また、きょうは雨にもかかわらず、地元飯田地区の皆さんが多数お見えになっておりますので、市長の的確な御答弁をひとつよろしくお願いいたします。  今回は、東日本大震災の教訓に基づき、いろいろな角度からお伺いをさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。  史上最大とも言われております東日本大地震が3月11日、東北地方太平洋沖で発生をいたしました。マグニチュード9.0、最大震度7の巨大地震が引き起こした東日本大震災。大津波で壊滅した住宅、放射能をまき散らした福島原発と、被災地の惨状は目を覆うばかりか、国じゅうに衝撃が走り、国民生活に大きな影を落としております。  今回発生いたしました東北地方太平洋沖地震は、1896年の明治三陸地震を上回り、明治以降の自然災害では、関東大震災に次ぐ2番目の規模となったと言われております。  6月26日現在での死者が1万5,500人、いまだに行方がわからない方が7,306人、そして、避難者や転居者は少なくても11万2,000人を超える人々が、今もなお避難している事実の重さに、耐えがたい日々が続いております。  また、警視庁は4月19日にコメントを発表され、東日本大震災で最も被害の大きかった岩手県、宮城県、福島県の3県で検視を終えた遺体のうち1万3,135人について分析した結果、1万2,143人、92.5%の死因が水死であったことを明らかにいたしました。  水死の割合は、岩手県が87.3%、福島県が87%、宮城県は特に高く95.7%で、警視庁では、圧死や損傷死も、津波に巻き込まれて瓦れきで外傷を負うなどしたのが原因と見ており、家屋倒壊による死者が8割以上とされる阪神・淡路大震災と大きく異なっていると言われております。  そのような中において、我々自由民主党議員は、5月19、20日に宮城県仙台市、石巻市や周辺市町を視察いたしました。  今回の東日本大震災は、東北地方では被災直後から地震災害ではなく津波災害と言っていたそうです。これまでの想定をはるかに上回る地震規模であったことはもちろんですが、家屋の倒壊や火災などの被害予測をはるかにしのぐすさまじい津波の破壊力により、沿岸部の景色は一変し、多くの貴重な人命が瞬時に奪われ、かつてない大災害へ発展したわけであります。  余震が続き、沿岸部の捜索が困難を極めていることに加え、原発事故による立ち入り規制が続き、いまだに被害の全容が明らかになっていないわけですが、地震による被害想定の中で、津波が引き起こす災害が最も甚大であることを強く印象づけられたものでありました。  想定をはるかに超えた今回の災害を総括する前に、これを東海地震の想定に置きかえることは、若干の無理もありますが、これまで看過しがちであった東海地震の津波対策を早期に見直す必要があると思われます。  そのような時期に田辺市長は、東北の震災地を視察され、そこでの知見を早急に本市の防災対策に反映させるため、庁内に緊急津波対策室を新設し、設置時期も6月から12月までと区切り、迅速に施策展開をしていくと述べられました。市長は常々、市民の安心・安全、そして安定したまちづくりは私の責任であると言われており、今回の緊急津波対策室の新設における素早い対応を私は高く評価するものであります。  この緊急津波対策室は、防災対策課内に置き、市内の各区総務・防災課職員6人を配置し、具体的には、津波避難ビルの新規指定、津波避難ビルや海抜表示の標識整備、そして、地域防災計画の見直しに向けた事前検討などの業務を行うということであります。そして、市長選挙当時のマニフェストに掲げた防潮堤などの整備は、柔軟に費用対効果を考えて対応すると見直す姿勢を示したわけであります。  そこで、防災対策の具体的な対策について質問をさせていただきます。  初めに、5月21日に行われました津波避難訓練についてお伺いをいたします。  毎年7月に実施しております津波避難訓練を、ことしは5月21日に前倒しをして実施したわけであります。市民の津波に対する意識が高く、どこの地域も非常に多くの方々が参加をされておりました。私も避難訓練に参加をさせていただき、実際に市が指定した津波避難ビルに避難をいたしましたが、訓練が終了した後の反省では、多くの問題、課題が市民より寄せられました。  そこでお聞きいたしますが、今回行われた訓練の内容と成果、そして、訓練実施に伴う問題、課題について、当局はどのようにとらえておられるのか、お伺いをいたします。  また、田辺市長は、5分で500メートル逃げるを合い言葉に市民の意識を高めていくことで、市が津波対策を本気でやることを市民に目で見える形で示していくと言われておりますが、5分で500メートル逃げることは、若い人たちには可能であると思いますが、高齢の方や体の御不自由な方々には非常に高いハードルと思われますが、この点についてどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。  そして、地震発生から5分で津波の第1波が到達すると言われておりますが、揺れがおさまってからの避難時間は実質3分から4分しかないわけで、このわずかな時間内に避難するということであります。  また、私が石巻市を視察して驚いたのは、市内を流れる北上川を津波が約15キロも遡上して、内陸部の奥まで被害をもたらした惨状であります。我々の住んでおります清水区におきましても、巴川や庵原川など高低差の少ない河川の流域も同様の危険性をはらんでいるものと考えられます。  こうしたことから、津波による浸水想定区域の見直しを早期に行うことが私は急務であると思います。現在の津波避難対象地域は、過去の災害履歴をもとにした沿岸部に近いところだけを指しておりますので、今後は、沿岸部からの距離にとらわれることなく、河川区域も含めて避難対象地域を拡大した市独自の津波ハザードマップの作成が必要であると思いますが、当局の考え方についてお伺いをいたします。  また、5月に行われた津波避難訓練の際でも、短時間で避難するには単位自治会などの大人数がそろって行動するよりも、隣組や家族など少人数で避難していく傾向が多かったし、今後はそのような傾向にあるのかな、そういうふうに感じております。  そこでお聞きいたしますが、津波避難は、だれが、どこに、どうやって避難していくのかが大事であると思いますので、これまでの市の取り組みを踏まえて、見直しのポイントとなる視点はどこにあるのかお伺いをいたします。  次に、避難場所についてお聞きいたします。  私は昨年の6月議会におきまして、旧清水工業高校跡地の問題について質問をさせていただき、災害時の避難場所として早期整備をお願いいたしました。この地域は海抜13メートルあり、今回の津波被害などを例に見ましても、被災者の避難地として重要な場所であるとともに、震災後には仮設住宅の建設も可能であり、地域的にも東名清水インターのすぐ近くという、有事の際の避難地として最適であることは間違いありません。  こうしたことから、6月10日に飯田地区連合自治会長ほか8,333人の署名を添え、旧清水工業高等学校跡地の整備に関する要望を田辺市長に提出したところであります。この要望内容は、秋葉山公園は、静岡市地域防災計画における広域避難地の指定を受け、平成17年に当面の整備が完了し、地域住民を初め、地域外の利用者も含めた憩いの場として利用されており、緊急時には、清水区内の避難者も受け入れる防災公園としての利用も見込まれるものであるというような要望内容であります。  しかし、隣接する旧清水工業高等学校跡地は、一部公園区域として都市計画決定されているものの、用地取得に関する問題により公園整備が進んでいないのが現状であります。これまでの用地取得に関しましては、旧清水工業高等学校設立の経緯もあり、市の方針として、取り扱い基準上、県有財産の無償譲渡が可能なケースに当たらないとして、県との交渉が進展していないと当局より伺っております。  そこでお聞きいたしますが、市長は6月定例会冒頭の所信表明において、行政の最大責任とは、市民の生命と暮らしを守ることだと強く言われました。また、草の根に息づく虫の眼から見える、災害に強く、安心・安全に暮らせるまちという都市ビジョンも掲げております。そして、市政運営に取り組む基本方針として、現地現場主義であり、スピード重視の市政運営とも言われております。  私は、まさしく今回の震災を受け、市民の不安は非常に高まっており、その思いが8,333人の署名ということであります。そのような中において、避難場所を確保していただきたいと願う清水区民及び地元飯田地区住民の要望について、市長はどのように受けとめておられるのか、お伺いをいたします。  また、市民の不安を安心に変えるため、現在、市の方針によって無償譲渡になっている旧清水工業高等学校跡地につきましては、有償での用地取得も視野に入れた市の方針の変更など、スピード感を持った決断をしていただきたいと強く願うところでありますが、市長のお考えをお伺いいたします。  次に、避難所についてお聞きいたします。  津波被害が広域的に拡大すると、浸水区域にある避難施設は使用できなくなるので、浸水区域の外縁上に避難者が集まると考えられます。その場合、仙台市の事例を見てみますと、スーパーマーケットや市民センターなどに分散して避難されていましたが、これらは指定された避難所ではないため、情報や支援物資などが円滑に流れず、トラブルが出ていたとお聞きしました。  あらかじめ指定避難所としてマニュアル等も準備しておけば、地域と密着した自主防のコントロール機能も働くと思われます。  そこでお聞きいたしますが、指定避難所は、従来の大きな公共施設という考え方ではなく、市民が避難しやすい小さなスペースも避難所として指定していくような考え方は検討できないのか、お伺いをいたします。  次に、地震・津波避難の情報伝達についてお聞きいたします。  地震による津波避難の際に、住民への避難情報伝達手段として同報無線が最も効果的であることは、昨年のチリ地震遠地津波の際にも、今回の東北地方太平洋沖地震による津波の際にも実証されたと言われております。  本市におきましても、葵区に218カ所、駿河区に146カ所、そして清水区に260カ所、合計624カ所の同報無線が設置をされ、住民や海岸を訪れた観光客にも津波避難の情報がいち早く伝達できるようになっておりますが、風向き等によっては聞こえないという地域もあるやに聞いております。  そこで、3月の津波警報発令の際に、同報無線が聞こえなかったなどのトラブルがあったとお聞きしましたが、同報無線における難聴地域の対策について、どのように考えておられるのか、お伺いをいたします。  また、音声情報による同報無線をカバーする文字情報として、昨年度から始められた市防災メールやエリアメールですが、3月11日の地震の際に津波警報の情報発信が非常に遅かったとお聞きしましたが、その後どのような改善を行ってきたのかお伺いをいたします。  さらに、近年の携帯電話の普及によりメール配信による情報伝達も効果的ではありますが、携帯電話を持たない高齢者の方々もおられるわけであります。  そこでお聞きいたしますが、特に津波危険予想地区における携帯電話を持たないひとり暮らしの人や高齢者だけでお住まいの方々への新たな情報手段についてお伺いをいたします。  次に、災害発生後の情報収集についてであります。  今回の災害で最も特徴的であったこととして、被害情報の収集が挙げられます。防災地区の拠点が機能を失ってしまった事例もありますが、津波による浸水域が広域に及び、被害状況が外延化し拡散したことから、現場の情報が本部に集まりにくくなったことや、また、指定避難施設以外に多くの避難者が集まり、地域や防災拠点を中心にした防災組織、情報連絡網が機能しなかったともお聞きをいたしました。  こうした状況に陥った場合、本市には幾つかの情報収集の選択肢があると思われます。1つには、地区支部員や区本部員が初動のための情報収集に当たる方法であり、もう一つは、本市の災害対策本部に有するオフロードバイク隊の活用だと思われます。特に、バイク隊につきましては、一昨年の8.11駿河湾沖地震の際にも、極めて迅速に市内一円の被害情報収集を行い、小嶋前市長や関係者が大きな評価をしていた実績もあることなど、こうした市職員による情報収集について、市当局はどのような方策を検討されているのか、あわせて、これまでのオフロードバイク隊の評価についてもお伺いをいたします。  また、制服組との連携についてでありますが、この件につきましては、我が会派の剣持議員から質問があり、当局からの御答弁で理解をいたしましたので私からの質問は取りやめますが、今回の地震を見てもわかりますように、災害救助の初動体制や現場での活動をするための進入路の確保、拠点確保の現地情報など、消防、警察、自衛隊の果たしている役割は大変重要であり、また、早期の対応につながりますので、人材の登用、合同訓練による連携の強化など、ぜひ制服組の活用について真剣に考えていただきたいと思います。  次に、今回の大震災では、情報機器が電源を失うことで大混乱をいたしましたが、その中で被災した市町から衛星携帯電話を支援してほしいという情報が多く目についたということをお聞きいたしました。  本市でも孤立予想集落に対し衛星携帯電話を配備しているわけでございますから、その機能性は十分理解できることから、津波対策の1つとして、沿岸域にも衛星携帯電話を配備していく考えはないか、お伺いをいたします。  次に、自主防の資機材購入に対する補助金についてお聞きいたします。  今回、毛布や水、食料、紙おむつなどが、地震直後から支援物資として現地に運ばれております。自主防の資機材購入に対しては約5割の補助が出ているとのことでありますが、補助対象資材が決まっており、地域の実情が優先されていないと聞いております。  地域によっては、DIYセンターやスーパーなどと協定を結んで、発災時に食料の資機材を優先的に地域に提供してもらえるような準備の方法をとったり、地域の状況や自主防のリーダーの考え方によってそれぞれ特色があることから、県が品目を指定しておりますが、補助対象の中身を自主防主導に切りかえる必要があるのではないかと思いますが、当局の考え方についてお伺いをいたします。  次に、児童生徒及び保育園児の震災対策についてお聞きをいたします。  今回の東日本大震災におきまして、子供たちにも多くの犠牲者が出たわけであります。宮城県石巻市の大川小学校では、地震直後、学校に残っていた児童を校庭に集め、裏山では危険と判断し、北上川のかかる橋の方向に逃げ、川をさかのぼってきた津波に襲われ、74人のとうとい子供たちが死亡や行方不明となりました。保護者は、なぜ早く逃げなかったのかと、やりきれない気持ちを抱いたままだということであります。マニュアルによれば、まず校庭に集まってから高台に避難ということでありましたが、最初から高台に避難しておればという悔いが残るわけであります。  本市におきましても、沿岸部の学校や保育園にとりましては、今度の東日本大震災の経験を生かすべく、避難地や避難経路などを早急に見直すとともに、マニュアルにとらわれずに臨機応変に行動することも必要ではないかと思います。  そこでお聞きいたしますが、学校の児童生徒に対してどのような防災教育をしておられるのか、あわせて、保育園児に対してもどのような防災指導をされておられるのか、お伺いをいたします。  最後に、地籍調査についてお伺いいたします。  震災復興に欠かせないものに、土地の境界や面積を確認する地籍調査がかかわってくるのではないかと思います。地籍調査は、国土調査法に基づくもので、阪神・淡路大震災の際には、地籍調査が実施されていなかったため、土地の境界確定に時間を要し、復旧がおくれた地域があったのも事実であります。  東海地震が予想される本県の地籍調査の進捗率を調べてみますと約23%で、これは全国平均の48%を大きく下回っております。地籍調査が進んでいない県内では、進捗状況にばらつきがあり、吉田町や菊川、御前崎などは調査が完了しておりますが、一方、伊豆南部では未着手の自治体が複数あるなど、本市から東部にかけての沿岸部でも進捗率は低いと言われております。地籍調査は、利害関係者である地域住民が参加する事業といってもよいくらい自治会や町内会の関与が重要で、手間もかかる事業であるわけであります。  そこで質問させていただきますが、現在、本市においての地籍調査の状況についてお伺いをいたします。  また、進捗率の低い本市におきましては、この地籍調査は、津波などで地形や建物が原形をとどめないほど破壊されても、地籍調査が実施されていれば、土地の境界を早く復元でき、復興に向けた新しいまちづくりなどもやりやすくなると思います。  さらに、震災後最も大事なのは、今回の東日本大震災でも明らかなように、復興に向けた道路の確保であります。緊急輸送の動脈として真っ先に復旧が求められる津波浸水地域の道路などの地籍調査を先行する必要があり、私は、非常に緊急性の高い事業であると認識をしております。  そこでお聞きいたしますが、被災地の復旧・復興を力強く円滑に進めていくための地籍調査について、今後どのように取り組んでいかれるのか、当局の考え方についてお伺いをいたします。 15 ◯市長(田辺信宏君) 私自身、被災地に赴いて、被災者の声を聞きまして、マニフェストに掲げた都市ビジョンである災害に強く、安心・安全に人が暮らせるまち、そのまちづくりが必要だと改めて痛感をしているところであります。  さて、飯田地区連合自治会からいただきました旧清水工業高校跡地の整備に関する要望書には、議員御指摘のとおり、8,333名の署名も添えられ、飯田地区はもとより、本市の緊急の課題であると受けとめております。スピード感が大事であるとみずからに言い聞かせております。  秋葉山公園につきましては、計画面積7.1ヘクタールのうち4.5ヘクタールは、既に都市公園として多くの市民の皆様に御利用していただいております。今回、公園整備の要望のありました旧清水工業高校の跡地につきましては、一部が都市計画公園の区域に含まれており、広域避難地としての機能の充実を図る必要があることから、また、8,300名を超える地元の方々の気持ちも重く受けとめまして、今後は、早期の整備ができるよう、県との間で解決策を見出していきたいと考えております。議員のなお一層の御協力をお願い申し上げます。  以下は、教育長、局長に答弁させます。 16 ◯教育長(高木雅宏君) 児童生徒の防災教育についてという御質問にお答えをします。  小中学校の防災教育は、さまざまな危険から児童生徒の安全を確保するために行われる安全教育の一部をなすものでございます。児童生徒が災害時における危険を認識し、日常的な備えを行うとともに、状況に応じて的確な判断のもとに、みずからの安全を確保するための行動ができるようにすることを目的としております。  具体的には、地震、津波、火災等を想定しての避難訓練、応急救護訓練等を実施するとともに、学級活動を通じての指導も行っております。  災害時には、児童生徒がみずから考え行動しなければならない場面も想定されます。このため、学校では予告なしでの避難訓練も実施する一方、登下校中に地震が起きた際には、みずからの判断で近くの大人に助けを求めることや、少しでも高い場所に避難することなども指導しておりますが、このような判断が迅速にできる力を養う教育を今後とも進めていきたいと強く考えているところでございます。  今回の震災を受けまして、すべての小中学校で、それぞれの立地環境に応じたより実践的な避難訓練を行い、避難場所や避難経路の確認を行いました。この結果、津波被害が想定される区域にある学校では、校舎の3階、あるいは4階に避難することを原則といたしました。  各小中学校では、現時点で考えられる最良の地震防災マニュアルを作成しておりますが、マニュアルどおりに行動できない場合も想定して、避難場所や避難経路について複数の代替案の検討を進めているところであります。新たな取り組みとしましては、今回の避難訓練では近くの高台等に避難をした学校もあります。  以上でございます。 17 ◯危機管理統括監(望月俊春君) 防災対策に関する質問にお答えいたします。  最初に、清水区における訓練の内容と成果、訓練実施に伴う課題についてでございます。  5月に実施した清水区における緊急津波避難訓練には、昨年の約1,700人に比べ4倍近い約6,500人の方が参加をしていただきました。訓練では、避難経路の確認を行うとともに、とにかく沿岸部から離れ、海抜の高い地域や津波避難ビルへ逃げることを目標として実施をしてまいりました。  清水区の避難訓練に参加した皆様からのアンケートでは、まず、避難場所の再確認ができた、避難場所への到達時間がわかった、さらには、避難経路を確認できたなどの成果が得られたものと考えております。  課題といたしましては、津波避難ビルが不足していること、避難ビルの標識や案内板の不足が挙げられたことから、今後、緊急津波対策事業の中で対応してまいります。  次に、高齢者等の避難についての御質問です。  東海地震が発生した場合、5分以内で津波が到達すると言われているため、今回の訓練では、避難者みずからが避難場所とそこに至る時間を把握することが必要と考え、1つの目安として5分、500メートルといたしました。  御指摘のとおり、高齢者等にとって5分で500メートルは高いハードルであることは認識しております。訓練後のアンケートでも、高齢者等の避難時間の問題が出されていることから、今後、速やかに避難できる体制づくりや手段について、自主防災組織と検討してまいりたいと考えております。
     次に、津波ハザードマップの作成についてでございます。  まずは、現在の被害想定で作成している啓発用津波パンフレットに、新たに指定した津波避難ビルや海抜表示を記載したものを作成し、配布してまいります。その後、新たに示される被害想定が明らかになった段階で、直ちに津波危険予想地域を表示したハザードマップの改定に取りかかってまいりたいと考えております。  続いて、津波避難における見直しのポイントについてでございます。  これまでの津波避難訓練では、あらかじめ決められた地域の避難場所に集まってから、避難ビル等へ避難するといった自主防災組織もありましたが、今回の訓練では、各個人や家族が、直接避難ビル等に避難していただくよう呼びかけを行いました。また、5分以内に身の安全を確保できる場所への避難を確認していただいたところでもございます。  次に、小規模な避難場所の指定についてでございます。  市では、災害発生後、家屋の倒壊などで、自宅で生活できない方々が一時的に生活する場所として、小中高の学校施設を基本に避難所として指定をしております。  避難所の運営につきましては、避難した被災者みずからが運営する体制を日ごろから地域と学校、行政による3者会合の場で協議していただいております。しかしながら、緊急時には指定避難所以外に避難される方もあると想定されることから、地区支部の職員が情報を把握し、適切な対応をしてまいりたいと考えております。  続きまして、同報無線における難聴区域の対策についてでございます。  同報無線は、災害情報などを一度に多数の市民に伝達する有効な手段であり、緊急津波対策事業として、同報無線が聞き取りにくい沿岸部の地域について、同報無線を増設してまいります。一方で、同報無線は、住宅の遮音性の向上や風雨など天候の影響を受けやすいため、情報の伝達には限界もございます。このことから、同報無線の内容を確認できる電話案内サービスや携帯電話による防災情報メール配信サービスも開始をいたしました。  今後、さらに多様な媒体から情報を得ることができる仕組みづくりを図っていきたいと考えております。  次に、市防災メールやエリアメールの改善点についてでございます。  3月11日の東日本大震災において、津波警報、大津波警報の発表及び避難勧告の情報を静岡市防災メール等を利用して発信をいたしました。これらの情報は、対象地域を区単位として自動的に発信されましたが、詳細な避難地域の選定が必要であったことから、再度、対象地域を絞り込みシステムに登録し直したため、再発信に時間を要してしまいました。このことから、防災メール等のマニュアルの改善や同システムへの対象地域の登録を事前に行っておくなど、警報発表後、速やかな対応ができるよう改善をしたところでございます。  次に、ひとり暮らしの高齢者等の方々への情報伝達手段についてでございます。  現在、同報無線や市民向け防災メール等で災害情報等を提供しておりますが、ひとり暮らしの高齢者等の方々には、情報の入手が困難な方もおります。このことから、ひとり暮らしの高齢者等を対象に、緊急時は自動的に起動し同報無線の内容を聞くことができる防災ラジオなどの導入について、検討していきたいと考えております。  次に、オフロードバイク隊の情報収集における方策の検討と評価についてでございます。  オフロードバイク隊は、平成8年4月より、災害応急活動に必要な初期情報の収集・伝達を主たる任務として発足いたしました。大雨警報発表時には、常に危機管理部職員とともに災害情報収集を行っており、月1回から2回の操縦訓練、情報収集や伝達訓練を基本とし、本市が実施する水防訓練、津波避難訓練、総合防災訓練などに参加しております。  平成21年8月、駿河湾で発生した地震では、いち早く主要幹線道路や山間地の被災状況を確認し、災害対策本部へ報告をしたところでございます。また、本年3月11日の東日本大震災に際しましては、宮城県仙台市において、速やかに現地支援本部を設置し、現地の情報収集を行い、本市の支援活動に大きな役割を果たしました。  このことから、本市で地震が発生した場合においても、これらの貴重な経験が生かされるものと考えております。  次に、沿岸域への衛星携帯電話の配備についてでございます。  衛星携帯電話は、災害時における情報伝達の有効な手段であることから、現在、防災無線等による通信が困難な防災拠点の生涯学習交流館や、中山間地で孤立が予想される地域など44カ所に配備をしております。今後、沿岸部への衛星携帯電話の配備について検討してまいりたいと考えております。  次に、防災用資機材に対する補助対象の考え方についてでございます。  防災資機材等補助事業は、自主防災組織が消火活動、救出活動、避難誘導、情報収集活動等に必要となる防災資機材の購入に対し助成をしておるものですが、今後、補助対象品目について、自主防災組織からの要請を踏まえ、追加、変更などを検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 18 ◯保健福祉子ども局長(酒井康之君) それでは、保育園児に対する防災指導についてお答えいたします。  今回の震災を受けまして、各保育所では、改めて津波を想定した避難場所の見直しを行い、適切な避難経路を検証した上で、避難訓練を実施しております。  今後も、さまざまな避難場所や避難経路を想定した訓練を実施することが重要であると考えており、継続して実施をしていく予定であります。  先般、被災地支援のために気仙沼市に派遣した保育士からは、日ごろからだれかからの指示を待つのではなく、日々自分自身で対応を考えることや、さまざまな時間、さまざまな状況下で地震が発生することを想定し、訓練を何度も行っておくことが、瞬時の判断につながるという意見が出されております。保育士が被災地で経験し感じたことを、活動報告会で多くの保育士に伝えるとともに、防災対策の園長会を開催し、情報を共有化し、保育所ごとの防災対策に取り組んでいきたいというふうに考えております。  また、保育園児に対しましては、毎月1回実施する訓練の際に、訓練の目的が理解できるように、年齢に合わせたわかりやすい説明を繰り返し実施しております。  さらに、消防の起震車やスモークハウスで園児が災害を体験したり、非常用の備蓄食料を食べて避難生活を体験するなど、実体験を中心とした防災指導に努めているところでございます。  以上です。 19 ◯建設局長(山本吉郎君) 地籍調査の実施状況と今後の取り組みについてお答えいたします。  地籍調査事業は、1筆ごとの土地について調査測量することにより、その所有者、地番、地目、境界、面積などの地籍を明確にするものであります。  本市における事業の調査対象面積は、市域のうち国有林などを除く約1,350平方キロメートルであり、調査実施面積は、現在実施中の葵区北安東地区と清水区蒲原地区を含めた約26平方キロメートルで、進捗率は約2%となっております。  地籍調査事業は、道路、河川、民地などの土地の境界を復元することが可能となるため、大規模災害時の早期復興には極めて有効な事業であることから、今後も、人口集中地区に重点を置き、地震や津波などにおける復興時の効果も勘案しながら積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。   〔11番大村一雄君登壇〕 20 ◯11番(大村一雄君) 市長から積極的な御答弁をいただきまして、ありがとうございます。  2回目は、意見、要望を述べさせていただきます。  政府は、2011年度版の防災白書を閣議決定し、大震災を受けた今後の取り組みとして明記いたしましたのは、地震や津波による想定災害の見直し、防災計画などの津波対策の充実、そして、東海・南海・東南海地震、いわゆる3連動の対策などの必要性を強調する内容でありました。  本市におきましても、東海地震を想定した防災対策の見直しが急務である中において、市民が安心・安全に暮らしていくには、一人一人が、自分の命は自分で守るという意識を強く持ってもらうことが重要であり、今後は、津波避難計画の見直しや津波対策施設の点検等に加え、被害想定の見直しなどの対策にも積極的に取り組まなければならないと思っております。  まず、津波避難訓練についてでございます。  例年の津波対策推進旬間で使われている統一スローガンであります「地震だ、津波だ、すぐ避難!」に、ことしは「少しでも早く!少しでも高く!」が加わりました。これは、東日本大震災の教訓を生かした標語であり、住民の避難を強く意識づけることと、沿岸部からより早く、遠く、より高くへ避難することに尽きると思います。ただし、地震発生から5分後には到達するという想定では、より遠くへの距離は極めて難しいため、主眼は、より高くへとなります。  津波映像が流れてから、区役所に海抜の問い合わせが相次ぎ、私のところにも自治会や多数の住民から問い合わせがありました。市民の不安の一部をぬぐう海抜表示を新たに徹底することが、常日ごろの津波避難の意識づけになると思われますので、被害想定見直しとは別に、早急に対応していただきたいと思います。  また、避難場所につきましては、市長の答弁にもありましたように、この土地は、飯田地区住民だけでなく、清水区民にとりましても大変重要な防災拠点であり、機動性の高い避難場所でございます。今後、関係機関等と折衝していただけるという非常に心強い御答弁もありましたので、これを重い決断と受けとめ、市長の強いリーダーシップを期待し、一日でも早く整備していただくことを強くお願いをいたします。  次に、同報無線についてでございます。  今回の災害でも、津波が到達するまでの間、同報無線が果たした役割は非常に大きいと言われております。デジタル化の問題などもあり、さらなる整備拡充は難しいと思われますが、巴川などの中小河川への遡上というリスクを踏まえ、音声が届かないなどの漏れのないよう、想定の見直しが行われる際には十分なチェックをしてほしいと思います。  また、震災以降、緊急地震情報が受信できる携帯電話を購入する人がふえているとのことであります。地震情報と津波避難は発信が別になるので、市の防災メールやエリアメールなどの文字情報が津波避難に有効であるかどうかの判断は難しいところですが、せっかく導入したのですから、情報伝達の貴重なツールとして活用方法をぜひ検討していただきたいと思います。  さらに、同報無線にかわる情報手段につきましては、今後検討していくということでありますので、ひとり暮らしの方や高齢者だけでお住まいの方々にも情報伝達ができる防災ラジオの導入も検討していくということでございます。ぜひ、安心して過ごせるようお願いをいたします。  次に、災害発生後の情報収集であります。  宮城県仙台市ほかを視察した際、災害対策本部の多くは、発災後しばらくの間、被災状況を確認できないまま対策に追われていたという話を聞きました。災害対策本部は、電話などにより現場から情報が上がってくるのを待つことになります。通信環境が正常に機能し、現場が想定の範囲内であれば混乱はないわけであります。  私は、災害対策本部に一番必要なものは、正確な情報による素早い対応であり、そのためには、災害現場の情報把握の能力をさらに高めることが必要であると考えます。  幸いなことに、本市にはオフロードバイク隊が組織されており、厳しい訓練の下、実績もあり、仙台市でも高い評価を受けておりましたので、隊員の高齢化が進むバイク隊の強化を図りながら、こうした職員を手本として、地区支部員や区本部が情報収集能力を研さんすることを期待いたします。  昨年の秋に、県内の小山町で大雨による土砂災害が発生した際に、奇跡的に人的被害が出なかったわけでございますが、この背景には、県警や自衛隊の初動での連携があったからこそであります。任用制度により、自衛隊員を防災本部に置くような、日ごろから連携できる形をつくっておくことも大事であり、災害派遣が予定されている関係部隊からの招聘等も検討していただきたいと思います。  また、衛星携帯電話の配備につきましては、機能は大変すぐれておりますが、コストも高いということでありますので、できれば防災本部に4台ないし5台配備し、バイク隊や地区支部の情報収集に役立たせることで十分機能的と考えますので、ぜひ御検討をお願いいたします。  次に、自主防の資機材につきましては、補助対象の変更等難しい問題もありますが、自主防災会の方々がより有効に使えるよう、県とも協議をしていただきたいと思います。  また、児童生徒及び保育園児の震災対策につきましては、とうとい子供たちの命を大人の判断において失うということは絶対に避けてほしい。今後、防災教育や防災指導につきましては、現場では大変御苦労はあると思いますが、先生や指導される関係者の皆様と、実際に即した訓練を徹底的に繰り返し行うことが大事でありますので、よろしくお願いいたします。  次に、地籍調査についてであります。  多くの問題、課題はあろうかと思いますが、震災で破壊されても、地籍調査が実施されていれば、土地の境界を早く復元でき、復興に向けたまちづくりも早くできますので、積極的に推進していただくことを強く要望いたします。  最後に、東海地震につきましては、気象庁や地震学者からも予知の可能性があると言われております。と言われるのも、東日本大震災では観測されなかった前兆すべりを、東海地震の場合にはとらえられる可能性があるということであります。  現在、静岡県周辺などには25カ所に地殻岩石ひずみ計を、そして9カ所にケーブル式海底地震計を設置し、関係機関の観測機器データも合わせて24時間体制で警戒しているということでございますので、ぜひ地震学者の先生方には、あらゆる手段を講じていただいて地震の予知をお願いするとともに、本市の積極的な防災対策が市民の安心・安全の確保につながることを期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 21 ◯議長(石川久雄君) 次に、井上智仁君。   〔5番井上智仁君登壇〕 22 ◯5番(井上智仁君) 通告に従いまして、子育て支援について、エネルギー施策についての大きく2点についてお伺いいたします。  1回目の質問では、子育て支援についてお伺いさせていただきます。  先日の片平代表の質問の中でも取り上げましたが、公明党静岡市議会は、5月10日に田辺市長に対し申し入れを行いました。先日の片平代表の質問では、その申し入れの中の危機管理に関する質問が中心でありましたが、ここでは、申し入れ事項の1番目に掲げた子育て環境の充実についてお伺いいたします。  まずは、子ども通院医療費助成についてであります。  子ども通院医療費助成の拡充については、昨年及び一昨年の6月定例会でも質問させていただきました。一昨年、市単独の助成は考えていないとの答弁をされてから、昨年は、市単独の助成を検討するとの前向きな答弁に変化してきております。また、本年2月の馬居議員の代表質問に関する答弁でも、本市財政を取り巻く状況は厳しくなっているが、子育て家庭に対する経済的負担の軽減の観点も踏まえ、今後、通院費助成の拡大について検討をしていくとの答弁をされております。そして、田辺市長のマニフェストにおいても、子ども医療費の窓口負担を中学卒業までワンコインにすることを掲げております。  そこで、昨年来、市単独での子ども通院医療費助成の拡大の検討を進めていただいていると思いますが、これまでの検討状況はどうなのか、そして、本年度、田辺市長のマニフェストにも掲げられていることから、通院医療費の助成費拡大の動きが加速されることが期待できます。今後どのように進めていくのか、具体的な検討内容等、明示できれば教えていただきたいと思います。  続いて、保育施設についてお伺いします。まずは、保育施設の増設についてです。  昨年の6月定例会で、私が保育園の増設について質問を行った際、現在、保育園を増設する予定はないとの答弁でありました。また、本年2月定例会では、待機児童解消のための保育所増設に関する質問に対し、当面は、保育所の増設ではなく、年度途中に増加する待機児童対策としての待機児童園を活用している。しかし、今後は、国の施策や保育ニーズにあわせ、設備を含めた待機児童解消策を幅広く検討していきたいと答弁されています。  したがって、これまで、本市としては保育園の増設は当面行わない考えであるというふうに私は認識しております。しかしながら、田辺市長は、マニフェストの中で保育所の新規増設を進めるとしており、保育所増設に対する考え方が大きく転換されているものと思われます。  また、本市独自の待機児童対策である待機児童園「おひさま」は、昨年開園し、内外から大きな反響を生んでおり、葵区、清水区にも開設をとの市民からの要望も非常に強いと感じております。市長のマニフェストでも、待機児童園を葵区、清水区にも設置するとしております。市長の待機児童をゼロにしますとのマニフェストには、非常に期待しているところであります。  そこで、保育所及び待機児童園の増設について、どのように考えているのか御答弁いただきたいと思います。  保育所に関する質問の2点目は、今夏の休日保育についてです。  3月11日に発生した東日本大震災により、原子力発電の安全性の問題が大きく取り上げられており、浜岡原発の停止へとつながりました。こういった状況から、この夏の電力供給の問題が発生し、電力削減対策のために稼働日を変更した企業も多く出てきております。それに伴い、日曜日に保育を必要とする子供がふえてくるという大きな問題が取り上げられてまいりました。  先月末、浜松市で学童保育の日曜実施が新聞報道され、今月に入ると、県内15市4町で日曜保育実施もしくは実施の検討をしているとの報道もありました。本市においても実施を検討していると伺っております。  そこで、夏場の電力供給対策に伴う日曜日の保育ニーズの現状はどうか、また、保育所及び放課後児童クラブはどのように対応するのかをお答え願います。  続いて、子育て支援についての中項目3番目、特別支援教育支援員についてお伺いいたします。  昨年より、特別支援教室の支援員について増員を要望してまいりました。本年度はかなりの増員が予算計上されており、教員や保護者の皆様から喜びの声も上がってきておりますが、まだまだ足りないという声もあります。  そこで、改めて特別支援教育支援員に関して、当局の考え方を確認しておきたいと思います。  先日、特別支援教育を受けている児童生徒が市内でもかなり多い、葵区の千代田小学校と城内中学校の授業を見学させていただきました。校長先生や教育委員会の皆様と懇談の中で、先生方がきめ細かい気配りをされていることもよくわかりました。また、子供に手をかければ、その分だけ子供たちが成長していく様子も伺うことができ、非常に意味のある視察であったと感じております。個々の状況を踏まえ、支援員を配置しなければならないこともよくわかりました。  今回の視察では、著しく問題が発生する様子はうかがえませんでした。千代田小学校では、最も大変な3名の児童が欠席しているとのことで、割と落ち着いた様子が見られたくらいです。しかし、状況によっては、一人でも多くの手が必要になるとのお話も伺っております。一時的な視察では、本来の状況が見えてこないのも確かだと思います。現実に即した支援員を配置するには、いかに現場の先生たちの声を聞いていくかが大事だと感じました。  実際に特別支援教室を担当しておられる先生にお伺いすると、情緒障害の子供においては、小学校1年生から特別支援学級にいると、小学校卒業時には集団の中にも入っていけるまで成長できるが、途中から特別支援学級に入ってくる子供たちは、対応が非常に難しいといったお話も聞かせていただきました。したがって、支援員の配置も、ただ子どもの人数に応じてというわけにはいかないといったことが現状のようです。限られた予算の中で支援員を最も有効に配当することは非常に難しいことではありますが、最も重要なことであると思います。  そこで、特別支援学級への特別支援教育支援員を配当する基準はどのようなものか、また、現状はどのような配当となっているのか、そして、小中学校別特別支援学級の学級数と児童生徒数が最も多い学校の現状と、それらの学校に対しどのように特別支援教育支援員を配当しているのかお伺いいたしまして、1回目の質問とさせていただきます。 23 ◯保健福祉子ども局長(酒井康之君) 初めに、子ども医療費助成に関する2点の御質問にお答えをいたします。  まず、これまでの検討の状況ということでございますが、子ども医療費助成の拡大につきましては、子育ての負担軽減を求める子育て世帯から要望の多い事業であることは認識をしておりましたが、本来、子育て支援策として、すべての自治体で均一のサービスが提供されるべきものと考え、これまで国や県に対しまして制度の創設や財政的な支援を要望してきたところでございます。  助成拡大には多額の経費が必要となるため、市単独で実施するには、まず財源の確保が大きな課題となりますことから、引き続き課題解決に向けて幅広い検討を行っていきたいというふうに考えております。  次に、今後の進め方でございますが、助成拡大を実施する場合には、今、申し上げました、必要な財源の確保に努めるほか、電算システムの改修や市民や医療機関などへの周知、新たに対象となる方への受給者証の発行などの業務が必要となります。  続きまして、待機児童対策についてお答えをいたします。  保育園の待機児童対策といたしまして、現時点では、新たな保育園の建設は予定をしておりません。市内には、保育士が確保できれば園児の受け入れが可能な市立の保育園があることから、これまで以上に積極的な保育士の確保に努めてまいります。  また、施設が不足する地域につきましては、認可保育園の改修などにあわせました受け入れ枠の拡大や、認可外保育施設に対する認証制度の導入の検討など、施設整備を含めた幅広い対策を検討していきたいというふうに考えています。  最後に、夏場の休日保育についてでございますが、夏場の電力需給対策により、本市でも自動車関連を中心に就業日を変更する企業が数社あることから、休日保育の実施が求められております。また、国からの要請もございますことから、7月から9月までの間、休日保育を実施することといたしまして、利用希望調査の結果をもとに、清水区の公立保育所と放課後児童クラブ、それぞれ1カ所で受け入れる準備をしているところでございます。  以上です。 24 ◯教育次長(鈴木教之君) 特別支援教育支援員についての御質問にお答えいたします。  まず、特別支援学級へ支援員を配当する基準と現状についてでございます。  特別支援学級への支援員の配当につきましては、教員1人に対して児童生徒が4人以上となっている学校に対し1人の支援員を配当しております。また、学習や生活での支援を特に必要とする児童生徒が在籍しているなどの実態に応じ、さらなる加配を行っております。  本年度は、現在のところ45校に56人の支援員を配当しており、前年度に比べ10人を増員し、一層の充実を図ったところでございます。  次に、特別支援学級数と児童生徒数が最も多い学校の現状と支援員の配当数でございます。特別支援学級は、県の学級編制基準により1学級8人となっており、8人を超えると2学級、16人を超えると3学級となります。
     本年度、特別支援学級の学級数と児童生徒数が最も多い小学校は4学級、31人、中学校は7学級、52人となっております。それらの学校へは子供の障害の程度や発達段階等を考慮し、小学校へ4人、中学校へ2人の支援員を配当しております。  以上でございます。   〔5番井上智仁君登壇〕 25 ◯5番(井上智仁君) 御答弁ありがとうございました。  2回目は、エネルギー施策についてお伺いいたします。  1回目の質問でも触れましたが、東日本大震災での原発事故により、原子力発電のあり方の考え方がさまざまな形で議論されております。  原子力発電は、放射線による人体や生態系へ与える危険性というデメリットと安定した安価な電力が供給できるという経済的なメリットがありますが、安全性を重視し、浜岡原発の停止の運びとなりました。しかし、それに伴い電力量不足が懸念されております。こういったことを考慮し、本定例会に提出された議案では、省エネ対策のための事業が多く盛り込まれております。  これまで、CO2削減を中心とした地球温暖化対策をベースに考えられてきた本市のエネルギー施策では、省エネはそのための1つの手段でありました。しかし、エネルギー資源といった観点から考えると、省エネは目的となります。したがって、エネルギーに関する考え方が変わってきたと考えてもよいのではないかと思います。  そこで、今回は、本市のエネルギー施策における省エネ施策と新エネルギー利活用についてお伺いいたします。  初めに、省エネ施策についてお伺いいたします。  さきに述べました現状の中で、本市は、今月、省エネ推進本部を設置し、静岡市省エネ対策基本方針を策定しました。この方針では、電力の需給状況が厳しくなり、この危機に対処するため、まず、市が率先して省エネへの取り組みを実施する必要があるとうたわれております。そして、目標値として、中部電力の発電量のうち浜岡原子力発電所の占める割合である12%を削減目標としております。この目標達成のために、公共施設の窓ガラスへの太陽光遮熱材施工やLEDや高効率蛍光灯等の照明器具の取りかえなどハード面での省エネ対策や、ふだんの節電意識を高め、パソコン、エアコン、照明などでの無駄な利用を避けるなど、ソフト面での省エネ対策が考えられます。これらを積み上げることで、この目標である12%が本当に達成できるのか、12%という数字だけがひとり歩きするようなことはないのかが疑問に思います。  そこで、静岡市省エネ対策基本方針における電力使用量12%削減の目標は、どのような根拠なのか。そして、削減目標の達成に向け、どのような進行管理を行っているのか、御答弁をお願いいたします。  続いて、新エネルギーの利活用についてお伺いいたします。  先日の片平代表の質問でも触れましたが、公明党静岡市議会の田辺市長への申し入れの中で、原子力発電に頼らないエネルギーの確保、太陽光発電等の新エネルギー導入のための助成拡充という項目があります。片平代表からも新エネルギー導入に関する質問を行いましたが、ここでは、少し具体的な形で2点お伺いさせていただきます。  先ほども述べたとおり、原子力発電は、安全性の不安といった大きなデメリットがあり、恐らく絶対安全といったものとはならないであろうと思われます。したがって、原子力にかわるエネルギーの確保ということが大きな課題となってくるでしょう。現在、注目されているのは、やはり自然エネルギーです。これらをどう導入していくかは、大きな課題となってくると思われます。  今回の補正予算では、「たてものまるごと省エネ化促進事業」や住宅用太陽光発電システム設置費の助成について増額補正がされておりますが、これは、ことしだけの一時的なものに限らず、将来に向けた事業であってほしいと考えております。  そこで、今後の「たてものまるごと省エネ化促進事業」や住宅用太陽光発電システム設置費の助成について、どのように考えているのか教えてください。  また、太陽光発電以外にもさまざまな新エネルギーがあります。2008年に改正施行された新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法施行令では、太陽光発電のほかに、太陽熱利用、風力発電、雪氷熱利用、バイオマス、温度差エネルギー、地熱発電、中小水力発電などが指定されております。ほかにも、燃料電池など水素をエネルギーとした発電も注目されております。これからのエネルギーは、環境や実態に則したさまざまなエネルギーの組み合わせが必要となってくると思います。  そこで、市の施設における新エネルギーの導入実績と今後の考え方はどのようなものかをお伺いして、2回目の質問を終わらせていただきます。 26 ◯環境局長(杉山浩敏君) 省エネ対策と新エネルギーの利活用4点についての御質問にお答えをいたします。  まずは、市の省エネ対策基本方針に示されました電力使用量12%という目標の根拠でございます。  浜岡原子力発電所の全面停止を受けまして、去る5月11日に、副市長を本部長といたします静岡市省エネ推進本部を立ち上げ、中部電力が供給可能な電力に占める浜岡原子力発電所の割合でございます12%を、今年度の市の施設全体電力使用量から削減するということを目標として掲げたところでございます。  削減率の根拠といたしましては、静岡庁舎、駿河庁舎、清水庁舎の電力使用量をモデルに考え、まずはこの電力使用量が4月から5月で前年度比3%減少していること、現在実践している照明の間引きでありますとか、退庁時におけるプリンター及びテレビの主電源切断の徹底やパソコンのACアダプターの電源を抜くことなどによりまして、前年度比3%の削減を見込んでいること、また、今回の補正予算に計上させていただきました静岡庁舎の蛍光灯機器の更新並びに外灯の更新、一部市有施設の電力デマンド監視システムの導入、さらに各課、各施設独自の取り組みなどで6%の削減を見込み、計12%の削減としたものでございます。  次に、それらをどんな形で進行管理していくのかということでございますが、削減目標達成に向けての進行管理は、省エネ推進本部で10月までの期間、毎月各局の取り組み状況を確認してまいります。この取り組み状況の確認に当たりましては、各局で当月の電力使用量を確認し、翌月の対策に生かしていく予定でございます。  3庁舎におきましては、各階に省エネ推進員を配置して取り組みの確認を行うとともに、必要に応じ本部長等が取り組み状況の見回りを実施してまいります。  さらには、エネルギー管理士に本市の取り組みについて診断をしていただき、必要な見直しも行ってまいりたいというふうに考えております。  なお、こうした取り組みを職員は言うに及ばす、市民の皆様に知っていただくこということが大切と考えておりますので、取り組み結果につきましては、市のホームページに掲載し、公表してまいりたいというふうに考えております。  次に、新エネルギーの利活用でございますが、「たてものまるごと省エネ化促進事業」、住宅用太陽光発電システム設置費の助成についてでございます。  東日本大震災以降、「たてものまるごと省エネ化促進事業」及び住宅用太陽光発電システム設置助成事業に関する申請や問い合わせが急増しており、本議会において両事業に係る追加補正予算案を上程させていただいたところでございます。  今後は、同じく住宅用太陽光発電の助成を予定しております静岡県とも連携しながら、効果的かつ効率的なPRを行うことによりまして、さらなる導入促進を図ってまいります。  なお、次年度以降の対応につきましては、今後の申請状況等の推移を見ながら、改めて検討してまいりたいというふうに考えております。  次に、市有施設における新エネルギー導入の実績と今後の考え方でございます。  本市における平成22年度末の新エネルギー設備の設置状況につきましては、太陽光発電システムが小学校など20施設、太陽熱利用設備が2施設、風力発電施設が1施設、清掃工場による廃棄物発電が2施設、コージェネレーションシステムが3施設となっております。  また、今年度は、温泉施設に木質バイオマス燃料利用設備を1施設予定しており、さまざまな発電方式を組み合わせたエネルギーの確保に努めているところでございます。したがいまして、これらの施設の導入効果等を検証しながら、市有施設における太陽光発電などの新エネルギーの利活用について検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。   〔5番井上智仁君登壇〕 27 ◯5番(井上智仁君) 御答弁ありがとうございました。  3回目は、要望、意見を述べさせていただきます。  まずは、子育て支援についてです。  通院医療費の助成、保育施設の増設の要望は、多くの市民からあります。市長のマニフェストにも掲げられていることから、これまでよりも一歩進んだ答弁がいただけるものと期待していましたが、これまでの答弁とほぼ同じだったことは残念です。  財源の問題から困難な問題であることは十分承知しておりますが、ぜひとも早い段階で現実のものとしていただきたいと思います。こういった分野への財源の投入による福祉の充実は、定住人口の増大や生産労働人口の確保による経済成長など、将来的には税収増につながる効果を生み出す投資としても考えていただきたいと思います。  次に、エネルギー関連です。  今回の省エネ対策が一過性に終わるものではなく、継続的に実施を行っていただくとともに、本市のエネルギーのあり方はどうあるべきかという将来像を描きながら、施策を考えていただきたいと思います。原子力発電の有無を問うより、原子力発電を用いなければならないほど電力を消費していること自体を見直す時期に入ってきているのではないかと思います。エネルギーの問題は、供給者よりも需要者に大きな責任があるのだと感じております。  また、太陽光発電や燃料電池を各家庭に配置を行い、自給自足のエネルギー確保を目指すのであれば、国の事業というよりも、地方自治体の事業の影響のほうが大きくなると思われます。  最後に、特別支援教育に関しての要望をさせていただきます。  特別支援教育支援員は、現在、必要不可欠なものとなってきているのではないかと思います。その上で、なくてはならない人数はどうなのか、基準をしっかり設けた上で、実態に合わせた配当を行っていただきたい。私自身は、最低限、児童生徒4人に1人は支援員が必要ではないかと考えております。  また、今回の視察中にお伺いしたお話の中で最も気になった点は、子供たちの進学に関することでした。小学校、中学校までは特別支援教室が設置され、知的障害、情緒障害を持った子供たちが個々の状況に応じた教育が受けられますが、中学校卒業後の行き先に関しての不安があるとのことです。知的障害を持った生徒は特別支援学校への進学が可能ですが、情緒障害を持った生徒を受け入れることができる高校がないというのが現実です。  ぜひとも市立高校で情緒障害の生徒を受け入れる体制をつくっていただきたいと要望いたしまして、すべての質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 28 ◯議長(石川久雄君) この際、暫時休憩といたします。         午前11時45分休憩    ─────────────────────         午後1時再開 29 ◯副議長(井上恒弥君) それでは、休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続行します。  佐野慶子君。   〔29番佐野慶子君登壇〕 30 ◯29番(佐野慶子君) 2つのテーマについて質問いたします。  1つ目のテーマは、震災についてです。多くの皆さんから質問が行われましたので、私は原発震災に絞って質問します。  私たちは、最もしたくない選択でしたけれども、放射性物質とともに生きていく道を否応なく歩むことになってしまいました。  4月臨時会の質疑で、原発震災に対する市長の基本的考え方を伺いました。50キロ圏の首長として、浜岡原発の運転停止を中電、国、県に言ってほしい、態度表明すべきだと申し上げました。市長の発言はありませんでした。  10日後、5月6日、菅首相が、中電浜岡原発全基の停止を要請しました。  質問の1番目、改めて伺います。原発震災に対する市長の考え方を明らかにしてください。  原発震災は地震学者の石橋克彦神戸大学名誉教授がつくり出した概念です。大震災が発生して被害が拡大しているとき、原発事故による放射能の被害が重なり合う事態、まさしく今回の福島の事態そのものです。発災から時間がたつにつれて、福島第一原発事故の真相が明らかにされてきました。老朽化、アメリカ原子炉メーカー、ゼネラル・エレクトリック社マークI型は、欠陥商品だったことも設計者より指摘をされました。この大事故は、天災でも宿命でもなく、容易に予測でき、かつ回避できたことも明らかになりました。東京電力も政府も、傲慢にも想定してこなかっただけで、想定外などというのは逃げ口上だと私は思います。  もう一つ、市長に伺います。  6月14日、浜岡原発の3号炉から5号炉が停止をし、既に1、2号炉は2009年1月に運転を終了し、廃炉の準備に入っていましたので、全基停止となりました。私は、浜岡原発破局の恐怖が避けられてよかったというふうに思います。何とか崩壊熱がおさまり冷温停止状態になるまで地震が起きないことを願っております。2,000本の燃料棒も心配です。  市長は、浜岡原発停止をどのように受けとめているのか。所信表明で、文明史的大転換点との認識を示されましたが。  質問の2番目は、我が市の省エネ対策について、清水副市長に伺います。  副市長を本部長とする省エネ推進本部の基本方針を拝見してびっくりしました。私は、節電を否定したり、電気を浪費する生活を続けてよいなどと言っているわけではありません。正しくないことを言って省エネ運動を展開しても、うまくいかないからです。  全国各地で取り組まれている省エネ運動は、別の意図が見え隠れします。原発54基中、今37基が停止中、稼働は17基です。2年間にすべてが定期点検を実施すれば、一たんは停止する予定です。定期点検終了後の再稼働に地元自治体の合意が得られるのか、電力会社は不安なのです。  2つ伺います。  1つ目、基本方針の目的としている「中部電力(株)の浜岡原子力発電所の停止に伴い、電力の需給状況が厳しくなります。この危機に対処するため」、この根拠やデータはありますか。  中部電力の発電量は、深刻な事態を招くようなものではありません。資料の1枚目をごらんください。すべての電力会社の原発は5,000万キロワット程度ですが、この夏のピーク時、廃炉、運転停止、定期点検で1,300万キロワットしか稼働しないと言われております。  しかし、この頼りない原発よりはるかに大きなバックアップの発電能力を持っているのが産業界の保有する6,000万キロワットの電力、これは資源エネルギー庁が資料を公表しておりますけれども、そして、クリーンな新技術を導入している火力発電が担っております。  自然エネルギーで代替しないと原発をとめられないなどというデータはありません。原発をとめて、じっくり自然エネルギーに転換しても十分です。  2つ目、基本方針の目標としている「12%の電力使用量の削減を目指します」、この目標は、中部電力の発電量のうち浜岡原発の占める割合です。これも理解ができません。  先ほど井上議員の答弁で12%カットをどのような方法で実現するかという説明がございましたけれども、静岡市の電力使用量を12%削減すると浜岡原発がとまった分の電力になると説明できますでしょうか。数字のマジックではないですか。御説明いただきたいと思います。  質問の3番目は、放射線被曝、防護についてです。  今、最も切ない問題です。一番茶の製茶の放射線セシウムが暫定規制値を超えた問題については対応をされました。日本列島のどこにいても、数値の差こそあれ、放射能との長期戦が続いています。  放射性物質による被曝のメカニズムや人体に及ぼす影響については、メディアで怒濤のごとく流されました。市民の皆さん、とりわけ子供を抱えた方は、大変心配をしております。被曝の影響は、子供たちが最も受けやすいからです。  1989年4月26日のチェルノブイリ原発事故から25年、国連科学委員会が2000年に放射線障害の小児甲状腺がんの患者数、数値を公表しました。ベラルーシ、ウクライナ、ロシア共和国全土で、事故後数年して大幅に小児がん患者の増加が報告をされています。  3点伺います。  1点目、子供の放射線被曝についてはどのような認識を持っているのか。  2点目、福島第一原発事故以来、放射線防護の対策については何の対策を検討されているのか、市として何を取り組もうとしているのか。  3点目、保護者に対してはどのように対応をとってこられたのか。  2つ目のテーマは、市長の都市ビジョンについて伺います。  私は大変期待をしていました。注目もしていました。どんな「希望の岡」を示すのか、いかなるビジョンを持った都市を目指そうとしているのか。と申しますのは、予定候補だったときにも、市長になってからも語られなかったからです。さらに、言うなれば20年前、市議時代、当時の天野市長に対する質問は、いかなるビジョンを持った都市を目指そうとしているのか、市長のお考えをお伺いしたいというのがあなたの質問でした。  今回、所信表明の虫の眼、鳥の眼、まちみがきは、都市ビジョン、理念と言えるものではないだろうというふうに思います。目標と指標です。改めて、どのようなまちを目指すのか、伺います。無論、私が目指すべきと思う都市の姿はありますし、小嶋市長とも議論を重ねてまいりました。  質問の2番目は、中心市街地活性化と東静岡開発についてです。静岡のまちづくりを考えたとき、避けて通れない問題です。  1点目、10月初旬オープンの新静岡セノバの、1つ、中心市街地商業に与える影響、2つ、回遊性に与える影響、3つ、セノバの5,000台の駐車場の都心交通に与える影響、そして、今後の都心部駐車場の考え方。  2点目、新静岡のバスターミナルの再編と周辺に与える影響。  3点目、東静岡三菱地所大型商業開発、建設延期表明から半年です。どうなっているんでしょうか。  質問の3番目は、我が市の地場商工業、中小零細企業支援についてです。  市長選投票日直前の地元紙の世論調査で、新リーダーに真っ先に取り組んでほしいのは何だったと思いますか。不況対策など産業振興が31.4%でトップ。既に4月初めの段階で大震災の影響があらわれていました。部品供給網の寸断、消費の減退等、阪神大震災、リーマンショックのときよりも確実に経済は厳しさを増しています。  3点伺います。  1点目、震災の影響と今後の見通しをどう考えているのか。  2点目、ものづくり産業振興条例、商業振興条例の果たす役割と生かし方。  3点目、ことしの家具メッセ、お手元に資料がありますけれども、昨年との変化はどうとらえているのか。主催者は変化を感じ取っております。 31 ◯市長(田辺信宏君) 原発震災対策のうち、私の基本的な考えはどうかという質問にお答えをいたします。  福島第一原子力発電所の事故とその対応が、文字どおり、世界じゅうの注目を集めております。原発震災は、世界じゅうにはかり知れない影響を与えるものだと、イタリアの国民投票を見ても、ドイツの原発政策転換を見ても、痛切に私自身感じております。
     また、何の罪もない私たち静岡のお茶農家の方々が、この事故によって大きな被害を受けたということに対して強い憤りを持っております。  20世紀は科学技術の時代だと言われておりました。飛躍的な科学技術の発展により、地球は狭くなったし、そして、私たち人間の寿命も延びました。  しかし、一方、謙虚に反省をすると、私たちは、この科学技術というものを過信していたのかもしれません。特に、核というものは、まだ私たち人間にとって制御し切れない巨大な怪獣、いわばリバイアサンなのかもしれません。その点で、今回の原発震災は、エネルギー政策の今後と、日本人の日本人らしいライフスタイルというものを見直す機会になったと。大きく言えば、所信表明で申し上げましたとおり、文明史的な転換になったと私自身考えております。  福島第一原発の事故については、現在も国、東京電力が全力で対応に当たっておりますが、一層の努力をお願いするとともに、事故の直接的な原因究明とその対応の評価を徹底的に行い、今後の安全対策の確立を図っていただきたいと考えます。  さらに、つけ加えさせていただきますならば、被害を受けたお茶農家の皆様に十分な賠償が行われるよう、今後とも国、東京電力には、強く求めていきたいと考えています。  次に、私の都市ビジョン、どのようなまちを目指すのかという質問に対してであります。  私は、行政に対して市民が今求めている価値とは何なのかという視点が不足をしているという現状や、せっかく行政が積み上げてきた数々の施策成果を、市民に十分伝え切れていないのではないかという一市民として感じた情報発信力の弱さを打破していこうと考えております。これは、所信表明のときにも申し上げましたが、例えば、日本平のようなすぐれた地域資源を観光振興に十分に生かし切れていないという現状や、震災の後の津波防災対策のおくれへの不安を抱えた現状などを打ち破って、静岡は、だれもが希望を持って暮らせる「希望の岡」にしていくということを目指していこうと考えています。  そこで、鳥の眼と虫の眼のマクロとミクロの2つの目線からビジョンを見据えるということの中で、本市の将来を見据え、我がまち静岡を世界じゅうから人が集まり、そして、だれもが安心・安全に暮らせる世界水準のまちになるという都市ビジョンを掲げて、目指していきたいと考えているところであります。御理解をよろしくお願いいたします。  以下は、副市長、局長に答弁させます。 32 ◯副市長(清水喜代志君) 浜岡原子力発電所の全基停止についてどう受けとめているかにつきましては、今回の事故が、福島県民のみならず全国民に与えている損害、不安を考慮すれば、浜岡原子力発電所の全基を停止したことはやむを得ない措置であり、コストを惜しまず最大限の安全対策を実行するべきであると考えております。  しかしながら、原子力発電所の停止という政策は、本来、エネルギー政策の見直し、日本人のライフスタイルの見直しとともに打ち出されるべきものではないかと感じております。  次に、原子力発電所の停止による電力不足についてでございますが、5月23日の中部電力株式会社の定例記者会見資料によりますと、7月は供給予備率が4.8%、8月は5.3%確保できるとのことですが、電力の安定供給のためには8から10%が必要とされております。また、気温が1度上昇すると80万キロワットの電力が消費されるため、これからの夏場の気温上昇により電力不足が発生するのではないかと懸念されております。  静岡市が12%削減しても浜岡原子力発電所の供給不足分の改善にならないのではないかということでございますが、今回の本市の節電対策につきましては、浜岡の原子力発電所が全面停止するという緊急事態に応じて、従前から実施してきた省エネ対策の強化を図り、まず、市が率先して省エネに取り組み、これを市民、事業者に広め、全市一体となった省エネ運動を展開することを目的といたしております。このため、例えば全体で市の電力の占める割合とか、電力をどこからどのように調達しているかということにかかわらず、節電対策を行っていくことがさらに重要な課題であり、我々の務めであると考えております。  以上でございます。 33 ◯教育次長(鈴木教之君) 放射線防護についての御質問にお答えいたします。  まず、子供の被曝についての認識でございますが、教育委員会として子供の将来を考えるとき、健康に影響を及ぼすような放射線の問題は重要なことであると認識しております。  現在のところ、県が静岡市葵区内で実施、公表している環境放射線等測定では、震災前と比較して測定値に大きな変化が見られません。このようなことから、現時点では、健康への影響を心配する必要がないレベルと考えております。  次に、放射線防護への取り組みでございますが、教育委員会では、県が毎日公表している測定値を継続的に把握しているところでございます。  次に、保護者への対応でございますが、保護者からの問い合わせに対しては、毎日公表される放射線量の測定結果は震災前と比較して大きな変動がないため、現時点では健康への影響を心配する必要のないレベルであると回答しております。  以上でございます。 34 ◯経済局長(靱矢雅浩君) 初めに、新静岡セノバの中心市街地商業に与える影響をどうとらえているかとの御質問でございますけども、先般、発表されました新静岡セノバの概要では、シネマコンプレックス6,000平米、店舗面積が2万6,000平米、店舗数153店舗、売り上げ目標180億円とされています。これは旧店舗の店舗面積の2倍、店舗数約1.2倍でございます。  中心市街地全体の視点から見ると、県内初出店が82店舗あるなど、市内外から相当の集客効果を持つものと思われ、静岡地区の中心市街地に出かける大きな誘引の1つとなり、来街者数の増加が見込まれると考えられます。  さらに、他の商業施設、商店街等が店舗のリニューアルやイベントの計画などを行うことにより、相乗効果が生まれ、静岡中心市街地全体の魅力がさらに高まることを期待しているところでございます。  次に、三菱地所による施設建設の延期表明以降どのようなことを聞いているかということでございますけども、延期表明は、ことし2月ごろになされ、その後、東日本大震災といった社会情勢に大きな変化もありましたけども、それによる出店スケジュールなどへの影響は特段聞いておりません。また、今後の手続として、大規模小売店舗立地法に基づく届け出が見込まれますが、現段階では届け出はなされていないところでございます。  続きまして、東日本大震災の本市商工業への影響ということでございますけども、本市商工業への影響につきましては、経済団体等の実施するアンケート調査や金融機関からの聞き取り、あるいは災害関連制度融資申し込みの際の個別ヒアリング等により、状況把握に努めているところであります。  企業への影響は、最終的には売り上げの減少としてあらわれており、これは、関連企業の生産停止、資材不足による工期の延期、自粛ムード、そして消費意欲の低下、物品の納入遅延などによるものであります。  業種別に見ると、自動車関連製造業、建設・建築業、観光・宿泊業、イベント業、小売・サービス業などに顕著にあらわれており、震災の発生以降、時間の経過とともにその他の業種にも幅広く及んでいるものと思っております。  今後も、生産体制や資材確保などの見通しが立たない中で、さらなる資金繰りの悪化等が予想されることに加え、浜岡原子力発電所の停止や、お茶の風評被害による影響も懸念され、中小企業を取り巻く環境は大変厳しい状況が続くものと考えております。  次に、ものづくり産業振興条例と商業の振興に関する条例の果たす役割についてということでございます。最初に、ものづくり産業振興条例につきましては、大震災以降におけるものづくり産業の将来展望も含め、ものづくり事業者、産業関係団体、市民、また行政の役割を明確にした意義は非常に大きいものと認識しております。  また、そのような中での今後の取り組みにつきましては、本市のものづくり産業の現状と課題に関する調査を行い、その結果に基づいて、ものづくり産業の将来像に関する静岡市ものづくり産業振興基本計画を策定してまいります。  次に、商業の振興に関する条例につきましては、市民生活の向上、地域経済の活性化及び良好な地域社会の形成といった理念を明確に掲げており、その趣旨にのっとった施策を推進いたします。  今後の取り組みにつきましては、本年度は、条例の理念を実現するため、昨年度まで検討した商業都市しずおか戦略プロジェクトの成果を踏まえ、静岡市商業振興基本計画を策定いたします。  なお、この両計画の策定につきましては、パブリックコメント等を行い、市民の皆様の御意見を聞きながら進めてまいります。  続きまして、今年度の家具メッセの状況と昨年度との違いをどのようにとらえているかという御質問でございます。  本年6月7日から5日間にわたって開催された「シズオカ[KAGU]メッセ2011」につきましては、参加業者数52社、出品数4,000点と前年度並みでありましたけども、ことしは、全国優良ツキ板展示大会との同時開催ということから、それぞれの展示会におきまして、出展者と来場者間の交流が図られ、新たな販路開拓へのきっかけづくりの場となりました。  家具業界の現状は、経済状況が伸び悩む中、大震災の影響も含め非常に厳しい環境下にありますけども、今回初めて取り組まれた異業種との連携や一般公開による消費者ニーズの把握など、新たな視点で静岡家具の商品力やデザイン力を一層高める可能性を見出すことができた催事と考えております。  以上でございます。 35 ◯都市局長(杉浦 進君) 新静岡セノバについての質問でございます。  まず、歩行者の回遊性に与える影響ということでございますが、セノバの開業は、中心市街地を訪れる人々が増加する要因として大いに期待されるところでございます。セノバの1階中央部には、伝馬町と鷹匠を結ぶ通路が設けられており、改札口もその通路に面していることから、従来と比べ周辺地区へつながる歩行者動線が充実し、これにより紺屋町、呉服町、七間町、鷹匠等の商業エリアも含めた中心市街地全体での回遊性が向上するものと考えております。  市としましては、引き続き静岡市都心地区まちづくり戦略において示した「つなぐ」、「めぐる」、「つどう」といった交通ビジョンに基づき、中心市街地を訪れる人々の回遊性の向上に取り組んでまいります。  次に、セノバ駐車場が都心地区交通に与える影響と、その都心部における駐車場の考え方ということでございます。  セノバの駐車場につきましては、開発事業者が、施設計画の段階から都心交通への影響について関係機関と協議し、影響を軽減するための必要な対策を講じることで、事業者からは、周辺交通への影響はほとんどないと報告を受けております。  今後の都心部の駐車場の考え方につきましては、自動車から公共交通への利用転換により、都心部における駐車需要の縮減を図るとともに、人にやさしいまちづくりを推進していきたいと考えております。  それから、新静岡セノバのバスターミナル再編と周辺への影響ということでございます。  旧新静岡センターのバスターミナルにつきましては、19カ所のバス乗り場が設置されておりましたが、行き先方向別の9カ所に集約するとともに、ターミナル外に新たにバス乗り場を設置して、バス利用者の利便性の向上を図っております。  周辺への影響については、ターミナル出入り口を1カ所にすることや今までセンターに集中していたバスを分散させることによる交通渋滞の解消、御幸町電ビル前などに新たなバス乗り場を設置いたしまして、歩行者の回遊性の向上やまちのにぎわい創出などが期待されるものと考えております。  以上でございます。   〔29番佐野慶子君登壇〕 36 ◯29番(佐野慶子君) 御答弁をいただきました。  2回目の質問、まずは、原発震災についてです。  質問の1番目は、国に対しては今後どのように情報提供を求めていくんでしょうか。情報公開のおくれ、データの信憑性が大変問題になっております。市長もおっしゃったように、福島原発は、いまだ収束のめどが見えてきておりません。  2つ目、静岡県の防災計画、あるいは原発震災時の県との関係、これはどうなるんでしょうか。  質問の2番目、省エネ、新エネルギーについて伺います。2回目は違う角度から伺います。  昨年の10月から、静岡庁舎も清水庁舎も中部電力から電気を買っておりません。エネットという特定規模電気事業者、PPSといいますけれども、ここと契約をしております。入札で中電の電気より安かったからです。資料の2枚目、入札結果書をごらんください。大分違いがありますでしょう。  エネットは、NTTファシリティーズ、東京ガス、大阪ガスの3者が共同で設立をしたPPS最大手の電気事業者です。PPSの届け出をした事業者は、現在、全国46社だそうです。エネットは総販売量の50%以上を占めるようです。  エネットの顧客は、官公庁、学校、商業施設、オフィスビルなどで、約7,000件、電源規模は300万キロワット、原発2、3基分の供給能力があると言われております。  PPSは、2000年4月からの電力の自由化で登場したものです。それまで電力の供給は、地域ごと、国から許可された電力会社のみが行ってきました。2004年4月からは、高圧500キロワット以上の利用者、2005年4月からは、高圧50キロワット以上に拡大をされました。  官公庁として初めて電力の入札を行ったのは何と通産省、今の経済産業省で、三菱商事系のダイヤモンドパワー。東京電力管内の省庁は、防衛省を除くすべての省庁がPPS使用だそうです。東電を使っておりません。静岡県庁を初め20以上の県有の施設、これもPPSです。中電管内では、名古屋市庁舎、三重県庁舎もPPS導入です。  エネットからの電力購入、無論、送電線は今のところ、これは全国どこでもそうですけど、中電のものを使用しているわけですけれども、それでも、中電の浜岡原発停止を理由とした省エネ対策の根拠、整合性には、何となく釈然としないものがあります。  質問の1番目は、2つの庁舎への導入効果を明らかにしてください。中電よりかなり安いし、電力の質も悪くはないというふうに伺っております。実態はどうなのか。月額100万円くらい安くなったと伺っております。  質問の2点目、電力を多く使う市の施設、病院、消防庁舎、下水処理場、清掃工場などが浮かびますけれども、どんな施設が、幾つぐらいあるのでしょうか。  質問の3点目、入札による電力調達によりコスト縮減を図るという、行財政改革の1つとして静岡市は取り組んできたわけですけれども、今後のPPS導入拡大についてはどう対応されるんですか。エネルギー使用量を減らすことと税金を有効に使うことを両方追求すればよいというふうに思いますけれども、どう検討されるのか。  次に、新エネルギーについて伺います。  我が市は、昨年度、総務省の緑の分権改革推進事業を活用した、クリーンエネルギー資源の賦存量調査を実施しました。全国100を超す自治体での取り組みでしたので、さまざまなプランが提案されています。  黒岩神奈川県知事提唱の神奈川ソーラーバンク構想、200万個の太陽光発電設置計画。浜松市長は、市民ファンドで新たな仕組みづくり、太陽エネルギーや木質バイオマスを活用したビジネスモデルを創出すると。我が市はどんな計画を立てているのか。  質問の3番目は、子供の被曝の問題です。  焼津市は、7月から小中学校22校にガイガーカウンターを配備し、2週間に1回、校庭の線量を測定し公表、プールの水質検査を月1回実施、公表を明らかにしました。三島市も23日から始めました。  質問の1点目、我が市は、学校施設における放射線検査の実施についてはどう検討されているのか。ホットスポットが大変心配ですし、国の暫定規制値は、飲料水にはありますけれども、プールにはありません。  質問の2番目は、学校給食に使用する食材の検査、横浜市が実施です。  3番目、放射線防護教育については、どう取り組まれているのか。  2つ目の…… 37 ◯副議長(井上恒弥君) 発言は、あと1分で終了してください。 38 ◯29番(佐野慶子君)(続) 市長の都市ビジョンについて伺います。  小嶋市政の何を継承し、また何を転換するのか。私は、ポリシーとまちの姿、目指すまちの姿を語ってほしかったのです。  質問の2番目は、東静岡の位置づけについてです。20年前の5万人規模のサッカースタジアム計画などというのは、卒業していただいたというふうには思いますけれども、商業4団体の皆さんから要請のあった三菱地所とはお会いになったのでしょうか。  また、先日、日本政策投資銀行参事、国の復興構想会議のメンバーである藻谷浩介氏とお会いしたようですけれども、3極で静岡のまちは壊れるというふうに藻谷さんはおっしゃっておりますけれども、どのようなお考えになったでしょうか。見直すことになりましたでしょうか。  3点目、中小零細企業支援、今後の展望、そして支援策、そして、商業振興条例の中身、この検討をお伺いして質問を終わりにします。 39 ◯市長(田辺信宏君) 都市ビジョンのうち、小嶋市政の何を継承し、何を転換するのかという質問への答えです。  まず、私は、小嶋市政が心血をそそいでつくりました第2次総合計画を継承させていく、世界水準のまちをつくると先ほど申し上げたとおりでありますが、世界に輝く「静岡」の創造を目指していくとともに、新たな時代に即応した施策として、特に観光振興に着目し、それを切り口に市政を推進していきたいと考えております。  これは、地域資源を掘り起こし、人を集める仕組みをたくさん用意して、雇用の拡大につなげるということであり、地域経済の活性化に資していきたいと、そう考えております。  具体的には、先ほども申し上げました、日本平、三保半島、並びに駿府公園であるとか、あるいは清水港のウオーターフロント等々の磨き上げ、ブラッシュアップなどに取り組んでいきます。  これらを実現していくためには、小嶋市政よりもなお一層の3つの方針を強調して市政運営を行っていきます。  その3つの方針とは、まず最初は、現地現場主義、できる限り地域に赴き、市民の皆さんと身近に向かい合う機会を設けるということを徹底していくということであります。2つ目は、スピード感を重視し、目標と期限をしっかり決めて、決断力を持って課題解決に邁進していくということであります。また、3つ目は、積極的な情報発信、きちっと市政をやっている、それを内外に積極的に、戦略的に広報していく、さまざまな情報をわかりやすく伝えることに努めていきたい、そんな市政の運営に取り組んでいきたいと考えております。  以下は、副市長、局長に答弁させます。 40 ◯副市長(清水喜代志君) 市長は三菱地所と面会したのかということについてでございますけども、市長は就任後、三菱地所より表敬訪問を受けております。商業団体の皆様が、大型店の出店については御心配されていることは承知しており、その際に、今後の地域貢献活動について要請し、また、さらに出店については、多くの方が関心を持っているので、よく地元商業者に話し合いをしていただくよう市の考えを伝えさせていただきました。  また、藻谷浩介さんのお話もお伺いいたしましたし、その後、私も意見交換させていただきましたけれども、中心市街地の活性化について重要な示唆をいただいておりまして、今後の市のまちづくり、都市の活性化に生かしていきたいと考えております。  以上でございます。 41 ◯危機管理統括監(望月俊春君) 原子力発電所事故に関する2点の質問にお答えをいたします。  最初に、福島第一原子力発電所事故に関して、国への情報提供の要望についてでございます。  現在、大気と水道水について、県が行っている放射線の測定結果によれば平常の範囲であることから、福島第一原発の事故が、直ちに本市市民に深刻な健康被害を与えるというものではないと考えております。  今後、これらの測定結果に異常な数値が見られた場合には、直ちに放射線に関するより詳細で正確な情報提供をしていただけるよう、市長会等、機会をとらえて国や東京電力に要望してまいります。  次に、浜岡原子力発電所での原発震災発生時の県との関係についてでございます。  県は、災害対策基本法及び原子力災害対策特別措置法の規定に基づき、地域防災計画の中に原子力対策編を策定し、その中で原発震災への対応をとっております。  本市は、県からの事故情報に基づき、市民への情報提供などの対応をとるほか、状況に応じて必要な資機材や人員、避難者の受け入れ先や輸送手段の確保などを国、県に支援を要請することが想定されます。  以上でございます。 42 ◯財政局長(中井幹晴君) 静岡庁舎及び清水庁舎におけるPPS導入の効果についてでございます。  静岡、清水両庁舎の電気料金の総額は、契約をした昨年10月から本年5月までの8カ月間で、前年同期と比較して約970万円、約10.7%の削減となっております。  以上でございます。 43 ◯経営管理局長(小長谷重之君) PPSの導入状況及び東静岡についてのお尋ねにお答えをいたします。  まず、PPS対象施設数ですけども、現在、PPS導入の対象となる市の施設は、静岡庁舎及び清水庁舎を除き、学校、保育園を含めると276施設であります。主な施設は、静岡病院、清水病院、中島、高松、城北の各浄化センター、中央卸売市場、静岡競輪場、谷津浄水場、静岡市民文化会館などであります。
     次に、PPS拡大の方向性と電力自由化への対応といったことですけども、東日本大震災後、PPS市場の動向も不透明であり、既に導入した静岡庁舎及び清水庁舎の導入効果を一定期間検証した上で、今後の拡大について検討をしていきます。  電力自由化により、使用者の判断で電力調達の多様化は可能となりますが、原発事故により電力供給が不安定な中にあっては、国の電力政策の方向性を注視しつつ、安定した電力の確保、地球温暖化への対応、経費節減といった多面的な検討を重ね、対応を考えております。  続きまして、東静岡の位置づけの見直しについてでございます。  東静岡地区は、本市の発展を牽引している静岡、清水両都心の機能を補完する副都心として位置づけられており、特に、文化、芸術や防災、日本平、久能山東照宮への玄関口としての拠点とすることを目指し、静岡、清水両都心との役割分担をしていくことが重要であると考えております。  これまで、東静岡地区の整備については、本市として目指すべき方向性を持っていたものの、それを強くアピールしてこなかったことなどから、実現に向けた取り組みが進んでこなかった側面もあると考えております。  今後は、東静岡地区に立地を予定している民間施設や公共施設も含め、東静岡副都心は、市長の強力なリーダーシップのもと、文化創造の拠点であるとのビジョンを積極的に情報発信し、引き続き高次都市機能の集積とにぎわい創出に取り組んでまいります。  以上でございます。 44 ◯環境局長(杉山浩敏君) 利用可能量結果の活用という御質問でございます。  総務省の緑の分権改革調査で、本市における新エネルギーの電力利用については、全可能量のうち、太陽光が43%、風力が41%を占めるという結果を受け、昨年度策定いたしました静岡市地球温暖化対策実行計画の中で、温室効果ガス削減目標設定の基礎資料、あるいは主要施策の1つであります次世代エネルギー推進プロジェクトに活用しているところでございます。  また、新エネルギーの導入に関する基本方針及び導入シミュレーション結果を市民・事業者に対して情報発信をすることで、新エネルギーをより身近なものと認識してもらうとともに、その活用についての意識の醸成を図ってまいります。  さらに、市民、事業者の代表者からなります「ストップ温暖化!清流の都しずおか創造推進協議会」に、市民や事業者で構成する連絡会を設けまして、新エネルギーの導入促進を図っていきたいと考えております。  以上でございます。 45 ◯教育次長(鈴木教之君) 放射線防護に関する御質問にお答えいたします。  まず、学校施設の放射線検査についてでございますが、県が実施、公表している環境放射線等測定では、健康への影響を心配する必要がないレベルと発表されています。したがって、現在のところ、教育委員会では独自の検査は実施しておりません。  今後、県の測定値に異常が認められた場合には、適切に対応してまいります。  次に、学校給食の食材の安全性についてでありますが、学校給食で使用する食材の安全性は確保されております。まず、食品の安全性については、国の指導に基づき、各都道府県によって検査、管理が徹底されており、食品衛生法に基づく放射線物質の暫定規制値を超えた食品が市場に流通することはないと認識しております。  本市の学校給食で使用している食材につきましては、静岡県学校給食会や静岡市中央卸売市場等を通じて購入しておりますので、出荷制限を受けた地域の食材が納入されることはないと考えております。  次に、放射線防護教育への取り組みについてでございますが、教育委員会では、教職員に放射能に対する認識を深めてもらうために、文部科学省からの「放射能を正しく理解するために」の文書を各学校に配布するとともに、児童生徒への指導に活用するよう指示いたしました。  以上でございます。 46 ◯経済局長(靱矢雅浩君) 最初に、ものづくり産業に対する今後の展望ということでございますけども、本市のものづくり産業の抱える課題やすぐれた経営資源を十分把握するとともに、今回の大震災の影響によるエネルギーや原材料等の供給問題など、生産、流通、消費のサイクルの中で、市民にとりまして安全・安心を確保することが、大変重要なことと考えております。  その上で、研究開発に伴う知的財産権の取得や情報産業、コンテンツ産業との連携による新規分野の開拓、ものづくり産業を後継する次世代の人材育成などを視野に入れ、ものづくりの原点を踏まえ、本市の将来あるべきものづくり産業の姿を描きたいと考えているところでございます。  続きまして、その支援策はということでございますけども、本市に多種多様なものづくり産業が集積する中で、脈々と受け継がれてきた伝統技術のすばらしさをシティプロモーションの重要な資源として活用するとともに、ものづくり産業振興基本計画の策定を進める中で、産学官連携を効果的に進め、販売促進や顧客ニーズに係る新たなマーケティング手法の導入など短期的課題への取り組みに加え、人材育成及び技術革新等の中長期的な視点に立って、メイド・イン・静岡を国内外に発信し、活力ある静岡市を目指すことを目的に、現行の支援制度のあり方も含めて対応策の方針をまとめてまいります。  次に、商業の振興に関する条例の運用というか中身ということでございますけども、大型店の広域調査や地域貢献、事前届け出という件だと思います。  地域貢献の必要性につきましては、商業の振興に関する条例において定めたところでございます。本年度は、市内大型店における現在の地域貢献活動を調査し、その把握をする予定であります。  また、広域調査及び事前届け出は、これまで本市が商業都市しずおか戦略プロジェクトにおいて検討してきた商業集積ガイドライン等に該当いたします。本年度、商業振興基本計画を策定する中で、これら諸規定のあり方や運用方法を含め検討を進める予定であります。  以上です。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 47 ◯副議長(井上恒弥君) 次に、岩崎良浩君。   〔32番岩崎良浩君登壇〕 48 ◯32番(岩崎良浩君) 通告に従いまして質問をいたします。1点目に障害者福祉行政について、2点目にJR安倍川駅周辺の整備についてであります。  まず初めに、改正障害者自立支援法と仮称障害者総合福祉法についてお伺いをいたします。  障害者制度改革については、現政権のもと、障害者自立支援法は廃止し、制度の谷間がなく、サービスの利用者負担を応能負担とする仮称障害者総合福祉法を平成25年8月までに制定、実施するとされております。  平成22年4月、内閣府における障がい者制度改革推進会議のもとに、総合福祉部会が設置され検討されてきているところで、昨年6月7日に「障害者制度改革の推進のための基本的な方向(第一次意見)」が取りまとめられ、同6月29日にその第一次意見は閣議決定されたところであります。  この第一次意見では、改革の方向性及び今後の進め方が意見として示され、その後、昨年12月7日には第二次意見が取りまとめられ、平成23年中に障害者基本法抜本改正・制度改革の推進体制に関する法案の提出が予定され、平成24年中に仮称障害者総合福祉法の国会への提出が示されております。  このような動きの中、昨年12月10日に障害者自立支援法が一部改正されたところでありますが、この改正案は、新法成立までのつなぎ法案として位置づけられており、支援の対象に発達障害が追加されたほか、応益負担から応能負担に変更する内容等が盛り込まれております。  そこで、まず初めにお伺いいたしますが、国におけるこのような制度改革の流れの中で、今回の障害者自立支援法の改正内容に対しての取り組みと、仮称障害者総合福祉法への移行に対しての現在の取り組み状況についてお伺いをいたします。  次に、本市の障害者福祉計画についてお伺いいたします。  国の進める制度改革への市の対応状況についてお聞きしたところでありますが、一方、本市における障害者施策の基本的な考え方や具体的な推進方策を定めたものとして、静岡市障害者福祉計画があります。この計画は、期間を平成20年度から平成23年度までとしており、その内容を見てみますと、本市の障害者施策の基本的考え方、具体的推進など、達成すべき福祉サービスの目標等を明らかにし、施策を総合的に推進するものであるとされております。  また、計画では、地域における自立した生活を支える仕組みづくり、豊かで生き生きとした自分らしく生きるための支援、安全・安心な地域生活の充実、バリアフリー社会の実現、この4点が施策目標として掲げられております。  このそれぞれの施策目標のもとに、重点施策として、相談支援体制の整備、地域生活への移行推進、保健・医療サービスの充実、地域生活を支えるサービス基盤の整備が位置づけられており、また、現在の計画期間が平成23年度までであるため、今年度において新しく計画策定を行うとも聞いております。  市長はマニフェストにおいて、セーフティーネットの完全化をプロジェクトの1つとして掲げておりますが、障害者にとってのセーフティーネット、地域で安心に暮らせる仕組みづくりをこれから具体的な施策として、この障害者福祉計画に反映していくことになるかと思われます。  そこで質問でありますが、現在までにこの障害者福祉計画を推進してきた中で、各施策の達成状況と課題についてお伺いをいたします。  また、今月の6日に静岡市障害者施策推進協議会が開催されたとの新聞報道がありました。その中に、協議会でまとめた意見を基本理念として今後の計画策定に生かしてほしい旨の内容がありました。策定に際しては、この意見を取り入れるとともに、関係の方々から意見聴取した上で、計画案を検討していくことになろうかと思います。  そこで、今年度策定する計画の策定体制とスケジュールについてお伺いをいたします。  次に、JR安倍川駅周辺の整備についてお伺いをいたします。  まず、1点目のJR周辺整備事業についてお伺いいたします。  安倍川駅は、昭和60年に請願駅として開業以来、長田地区の交通施設として重要な役割を担っており、静岡市の総合計画の上でも、都心の機能を補完する地域拠点として交通結節機能強化を目指すとしております。  そうした中にあって、開業以来、都市化の進展に伴い年々乗降客は増加し、現在の利用客は建設当初の予想を大幅に上回り、1日約8,700人が利用しております。しかしながら、駅施設がバリアフリー化されていないことや駅前広場、アクセス道路が未整備であることなど課題が多いため、駅舎及び駅周辺の交通環境の整備が必要となっております。  このような課題解決のために、市では、平成13年度から駅施設や周辺の道路事情を把握すべく、地域住民によるまち歩き、タウンウオッチングや地区勉強会、また、ホームページで意見を募集するなど、調査・検討を進めてきております。  こうしたことから、平成16年には駅周辺10町内会の代表による検討会が組織され、計画が進められてきており、このJR安倍川駅周辺交通環境検討会も平成19年までに全10回が開催され、平成20年からは、促進協議会として3回開催されております。  こうした背景にあって、まちづくりとは、まさに駅などを中心とする交通結節点の整備を意味し、都市基盤の中でも非常に重要な政策であると認識しております。この安倍川駅を中心とした本市西部地区における都市活動の拠点として、本事業は、総合計画においても重要な政策として位置づけられているかと思います。  そこで現在の進捗状況と今後の見通しはどのようになっているのか、お伺いいたします。  次に、2点目の用宗街道の東新田・みずほ地区の拡幅整備についてお伺いいたします。  市道丸子新田広野三丁目線、通称用宗街道は、旧東海道の安倍川橋右岸の手越から石部までの延長約8キロの路線で、そのうち丸子新田、国道1号高架下付近から広野交差点までの約3キロにつきましては、国道150号の支線に位置づけられております。  平成16年度の国道150号バイパス全線開通後、丸子新田から広野交差点間は市道丸子新田広野三丁目線となり、長田地区の東新田・みずほ地区を縦断する重要な幹線道路の役割を果たしております。  当路線は、通学路として利用する生徒や自転車を利用する学生など多くの市民が利用しておりますが、歩道が連続していないため通行が危険であることから、歩行者及び自転車の安全確保を図る目的で拡幅整備が進められております。  そこで市道丸子新田広野三丁目線の東新田・みずほ地区の拡幅整備の現在の進捗状況と今後の計画についてお伺いをいたします。  以上、1回目の質問といたします。 49 ◯保健福祉子ども局長(酒井康之君) 障害者福祉に関します3件の御質問にお答えをいたします。  最初に、障害者自立支援法の改正への対応と仮称障害者総合福祉法移行への取り組みということでございますが、昨年の12月10日に障害者自立支援法が改正をされました。主な改正内容でございますが、本年10月1日の施行として、グループホーム、ケアホーム利用の際の家賃助成制度と重度の視覚障害者の移動を支援するサービスの創設が予定をされております。さらに、平成24年4月1日の施行といたしまして、利用者負担の見直し、相談支援の充実、障害児支援の強化などの制度改正が予定をされております。  現在、両改正についての政省令などは示されておりませんが、必要な情報の収集に努め、予算措置、事業者及び利用者への説明、内部システムの改修などを行い、制度の円滑な運営に努めてまいります。  また、仮称障害者総合福祉法は、先ほど議員からも御指摘がございましたが、障害者自立支援法にかわる制度といたしまして、谷間のない支援の提供を目指し、本年8月を目途に法案の骨格が示される予定でありまして、平成24年度の通常国会に提出し、25年8月までの施行を目指すこととされております。このため、今後ともできるだけ早期の情報収集に努めるとともに、円滑な移行に向けて適切に対応してまいります。  次に、市の障害者福祉計画におけます施策の達成状況と課題の御質問ですが、平成22年度末までの取り組み状況を見てみますと、計画に登載されております全170事業のうち、165の事業が、計画が終了する時点で達成または達成が見込まれております。  計画を推進する中で把握をした課題といたしましては、難病、発達障害などにより現行の福祉サービスが行き届かない方への支援、また、相談支援体制の充実及び相談支援を担う人材の育成、さらに、地域における障害の理解促進と地域社会における支援体制の確立などがございます。  最後に、新たな市の計画の策定の体制とスケジュールについてでございます。  策定体制につきましては、内部組織として関係局の職員で構成します計画策定作業部会と、外部組織として障害者団体の代表者で構成をします素案検討会議、及び障害がある方などで構成をします、仮称ですが計画策定懇話会を設置し、障害の特性や多様性に考慮した計画案を策定してまいります。  また、計画案に対しまして、専門的かつ多角的な意見を反映させるために、学識経験者、障害者及び障害者福祉関係事業者、行政機関で構成をします静岡市障害者施策推進協議会に諮ってまいります。  策定スケジュールでございますが、既に障害福祉サービスの利用者などにアンケート調査を行っているほか、7月中旬から下旬にかけまして、障害者団体の御意見を伺う予定であります。  さらに、7月から10月にかけまして計画策定作業部会が素案検討会議と意見交換を行いながら計画案を作成した後、11月のパブリックコメントを経て、平成24年2月に最終案を障害者施策推進協議会に付議しまして、3月末までに当該計画を策定する予定でございます。  以上です。 50 ◯都市局長(杉浦 進君) JR安倍川駅周辺整備事業の進捗状況と今後の見通しについてお答えいたします。  JR安倍川駅周辺整備事業は、東西自由通路、駅舎改築、東西の広場及びアクセス道路の整備等が計画されており、このうち、みずほ側東口駅前広場とアクセス道路について平成20年度に都市計画決定を行い、翌21年度に事業認可を取得し、事業用地確保に向け地権者と交渉を実施しております。22年度末現在、先行して実施している東口駅前広場整備の7割に当たる約1,900平方メートルについて用地取得を終えております。  今後の見通しにつきましては、今年度、東西自由通路及び西口交通広場の都市計画決定を予定しており、早期に駅舎改築に着手できるよう、関係機関と協議・調整を図ってまいります。  また、駅前広場やアクセス道路等の事業用地取得につきましても、引き続き積極的に取り組んでまいります。  以上でございます。 51 ◯建設局長(山本吉郎君) 用宗街道の東新田・みずほ地区の拡幅事業の進捗状況と今後の計画についてお答えいたします。  市道丸子新田広野三丁目線、通称用宗街道の東新田・みずほ地区の歩道整備事業につきましては、東新田西団地を境に、北が約570メートルを第1期工区、南側約700メートルを第2期工区として位置づけております。  現在、第1期工区について、現況約10メートルの道路幅員を16メートルまたは18メートルに拡幅し、歩道と自転車走行空間を整備する事業を進めており、平成22年度末の進捗状況は事業費ベースで約60%であり、平成26年度末の完成を目指しております。  また、第2期工区につきましては、第1期工区の整備完了後、引き続き事業に着手していく方針でございます。  以上でございます。   〔32番岩崎良浩君登壇〕 52 ◯32番(岩崎良浩君) それぞれの御答弁ありがとうございました。  それでは、障害者福祉行政について2回目の質問をいたします。  現在の国の動向に対しての市の対応、また、今後の本市の障害者の基本施策である障害者福祉計画策定に係る現状、今後の予定について答弁をいただきましたが、国からの情報収集や策定に係るもろもろの事業については、遺漏のないよう進められることを要望しておきます。  さて、国や市の動向を伺ったところでありますが、先日、私は、静岡県立中央特別支援学校の父母の方々と意見交換の場を持たせていただきました。  本日、代表の方が傍聴に見えられております。  父母の方々からは、障害福祉サービスに係るさまざまな要望をいただいたところでありますが、その中で、特に心配されている声として、重症心身障害を持たれた児童生徒さんの卒業後の進路が不安であるとの声が多く寄せられました。障害を持たれている方も、卒業して社会に出るために、いわゆる社会への参加をしていくことは、父母の方や関係の方、だれもが関心を持つことであろうかと思います。  父母の方の話では、障害を持たれている方でも就労先が医療対応できる状態、例えば、看護師の方がいれば就労可能であるのにとの声や、既存の介護施設や高齢者施設を障害者施設に併設されたらどうかといった意見も聞かれました。さらには、父母の方の話では、市の関係者ともたびたび意見交換の場を持たれているとのことでありました。  そこでお伺いをいたしますが、これまで重症心身障害児を持たれた父母の方々から受けた支援施策に対する意見、要望に対して、市はどのように認識しているのか。また、意見、要望のあった支援施策に対しては、今後どのように取り組んでいく予定なのか、お伺いしたいと思います。  以上、2回目の質問といたします。 53 ◯市長(田辺信宏君) 私も、これまでのさまざまな地域活動の中で、重症心身障害児の保護者の会、もちろん関係団体の皆さん、あるいは中央特別支援学校の保護者の方々と意見交換を行ってきたところであります。  中でも特に医療的なケアを提供できる重症心身障害児の施設では、定員を超える利用の希望がありまして、通所や短期入所も含めて保護者の方の利用希望に現在こたえられない状況でありますので、支援学校卒業後の進路を心配したり不安を抱える保護者の方から、施設の整備を望む切実な声を聞いております。  不安を安心に変える、それは私自身がマニフェストで掲げたキャッチフレーズであります。こうしたことから、医療的ケアの必要性の高い重症心身障害児・者への支援は、喫緊の重要な課題だと認識をしております。このため、今年度、静岡市障害者福祉計画を策定する中で、障害者団体や保護者等から広く御意見を聞くとともに、課題解決に向けて、県や関係事業所等との広域的な連携を考慮しながら必要な施策を検討していきます。  議員の御協力、御支援もお願いをする次第です。   〔32番岩崎良浩君登壇〕 54 ◯32番(岩崎良浩君) 市長からの御答弁ありがとうございました。  3回目は、意見、要望といたします。  まず、障害者福祉行政についてであります。  第3期障害者福祉計画策定への体制と今年度のスケジュールが示されました。現在行われている福祉サービス利用者へのアンケートや障害者団体へのヒアリング調査をもとに、本年7月から10月にかけて原案が策定されるとのことでありました。  今年度までの第2期障害者福祉計画では、登載事業はおおむね達成される見込みとのことでありましたが、相談体制の充実や相談支援員の人材育成など課題も残されております。特に、医療的ケアを必要とする重症心身障害児・者の方々が抱える短期入所や緊急一時入所などの支援施策は、喫緊の課題であります。
     ただいま田辺市長より、これら課題解決に向けての御答弁をいただいたところでありますが、障害者にとってのセーフティーネットがより一層図られますよう、何とぞよろしくお願いをいたします。  次に、JR安倍川駅周辺整備事業についてであります。  先ほど御答弁いただいた内容を私なりに判断させていただきますと、今年度、自由通路及び西口交通広場の都市計画決定という言葉が示すとおり、非常に重要な局面を迎えていると感じております。  この安倍川駅周辺整備は、長田地区にとって大変重要な交通結節点であると同時に、地区の顔となる部分であります。地域発展のためスピード感を持った整備を要望したいと思います。  また、市道丸子新田広野三丁目線の拡幅整備事業では、スケジュールと第2期工区の延長が示されました。両事業とも用地確保が事業進捗に大きく左右することから、地権者に対しては、地域がよくなることとはいえ、移転など将来に不安を抱えることも多々あろうかと思います。地権者には十分理解が得られるよう、誠意ある対応をもって交渉に当たっていただけることを要望し、私の質問を終わります。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 55 ◯副議長(井上恒弥君) 次に、後藤哲朗君。   〔6番後藤哲朗君登壇〕 56 ◯6番(後藤哲朗君) それでは、通告に従いまして、新政会、後藤哲朗が、静岡市の防災対策について質問をさせていただきます。  3月11日に発生しました東日本大震災、私たち新政会は、被災地の早期復興支援という使命と、静岡市の津波対策強化という体制の再構築を早急に実施する必要があると考え、津波対策に関する緊急対応への申し入れを3月18日に提出させていただきました。  あれから3カ月以上が経過しましたが、いまだ復興への明るい道筋が立てられていない被災地に対して、私たちは継続的な支援を忘れてはいけません。そして、この大震災を後世にしっかりと伝えていかなきゃいけないという、このこととともに、私たちが住むこの静岡市において、今回の東日本大震災を教訓に防災対策をしっかりと進めていかなければいけません。  これまでの固定概念にとらわれるのではなく、県や国にただ依存するのではなく、田辺市長が考えているように、静岡市が主体的になって新たな防災対策への行動に移し、市民の不安を安心に変えていかなければいけないと強く考えています。  今回、この東日本大震災の大きな特徴としては、1つ、津波による被害、2つ、広大な範囲での被害、そして3つ目に、原発の被害が挙げられると思います。  中でも、津波による被害は甚大であり、多くの悲しい被害をもたらしました。沿岸部においては、海からの直接的な津波被害だけではなく、市街地における津波の怖さについても、今回の東日本大震災では報告がされています。  市街地においては、津波が海側から押し寄せるだけではなく、道路をとおりさまざまな方向から押し寄せ、そして、急速な津波のスピードの上昇と水位が上がっていくことが特徴的であり、市街地であっても、津波に対する備えをしっかりと考えていかなければいけないと考えております。  現在の静岡市の防災計画は、地震による火災からの避難が主に想定されており、そのため、学校施設への避難においてもグラウンドが避難地とされているのが現状です。  そこで質問です。安政東海地震における推定津波浸水域内には小中学校は何校あるのか、そのうち屋上避難が可能な小中学校が何校あるのか、教えてください。  また、学校施設を含んだ市の公共施設における津波避難に対する対応は、今後どのように考えているのか、教えてください。  学区や行政区の問題から、より遠くの避難所に行かなければいけない、そんな状況があることについてどう考えるか、教えてください。  続きまして、土砂災害について質問をさせていただきます。  東日本大震災においても、土砂災害件数は122件、死者19名と大きな被害が発生しましたが、これから台風などにより雨が多くなる時期を迎えるに当たって、一層の警戒が必要となってきております。また、全国各地においても集中豪雨がもたらす大量の雨により土砂災害が多く発生しています。  土砂災害は、道路が寸断されることにより一帯地域の孤立を招き、地域の復旧・復興活動に支障を生じる場合があります。私たちが住む静岡市においては、山間地域が多く、また危険箇所も多く、その対策には膨大な費用と年月が必要となってきます。何よりも大事なことは、地域住民への情報開示であって、危険区域等の地質的な情報を初め、土砂災害による人的被害を起こさないための情報提供並びに避難のあり方を考えていかなければいけません。  そこで質問です。急傾斜地の危険箇所数と災害発生が予想される場合の情報伝達方法について教えてください。  続きまして、災害発生後の対応について、今回の東日本大震災では、津波による被害により行政機能が極端に失われたり、広大な範囲の被害により災害発生後、支援の手がなかなか届かない地域も多々ありました。  そのような状況の中で、皆さんも御存じだと思いますが、愛知県東海市は、岩手県釜石市に被災直後、電話もつながらず、現地の状況はテレビ等からの情報だけが頼りの中、釜石市の支援要請を待たずに、独自の判断で、いち早く情報収集のために職員を現地に派遣しました。派遣された職員は、翌日の3月12日に釜石市にたどり着き、不足している物資の情報収集を行い、すぐさま東海市より支援物資が釜石市に届けられ、その後も、東海市は釜石市と連携を図り、先手先手の支援活動を行っていたことが報道されていました。  息の長い、そしてきめ細やかな支援を行っていく、または支援を受けていくためには、このように自治体間の災害時における協力体制は、今回の大震災からも非常に有効的であることが言えると思います。  ただし、これもただ単に協定を結んでいればそうなるものでもなく、平常時から交流を含め、防災訓練等も行い、お互いの信頼関係を構築していかなければならないと考えております。  そこで質問です。現在、静岡市においても他都市との相互応援協定が結ばれていますが、東海地震、東南海地震、南海地震の3連動の大震災による被災を想定し、静岡市への支援がおくれないように、地域的観点から新たに他都市との災害協定を結ぶ考えがあるか、教えてください。  また、静岡市は自治体間だけではなく、多くの民間事業者と災害時に協力協定を結んでいます。例えば、傷病者等に対する応急処置及び医療は、医師会と協定が結ばれています。しかし、現在、この協力協定を結んでいる民間事業者は、静岡市との協定にとどまり、本来必要な民間事業者間の横の連携がとれていないのではないでしょうか。ライフラインの協定を結んでいる民間事業者が、いざ復旧工事に入ろうとしても、その期間の食事や宿泊場所はどのように確保するのかといった問題を初め、協力協定を結んだ民間事業者にも、必ず問題、課題があると考えております。  今回の大震災を機に、民間事業者同士が連携を深め、より実践に則した対応を静岡市が中心になって構築していくことが求められているのではないでしょうか。  そこで質問です。市が協定を結んでいる民間事業者間の情報交換をする場をつくる考えがあるか、教えてください。  続きまして、今回の大震災においても問題となりました行政の事業継続についてです。  災害発生直後は、それこそ全庁挙げて災害に対する対応を進めていかなければいけない状態であると考えますが、今回の大震災のように、行政機能が失われないように、行政サービスの停止や停滞を防ぐためにも、事前にあらゆるリスクを想定し、計画を立て、そして、その訓練を行っていかなければいけません。  それは、電力を失った場合にはどうするか、多くの職員が被災などにより業務につくことができなくなった場合にはどうするか、施設が使用できない場合にはどうするかなど、想定外のことがないように、あらゆる想定をし対策を講じていかなければならないと考えます。それには、先ほども質問にありましたが、自治体間の協力体制も含め、施設並びに人的配置計画や行政として確保していかなければいけない市民に関する情報の補完等、行政として事業を継続していく上で多くの準備を進めていかなければいけません。  そこで質問です。災害発生後の市の業務の継続はどう計画されているのか、教えてください。  続きまして、災害発生後の地区支部の配置について質問をさせていただきます。  災害発生後、緊急対策が必要な場合には、静岡市防災計画で決められたとおり、災害対策本部が設置されます。そして、各区役所には区本部が設置され、さらに、活動拠点となる地区支部が、生涯学習交流館などに設置されることになっております。  地区支部は、学区・地区内の被災状況を把握し、区本部へ情報伝達を初め、自治会が行う避難所運営に関して支援等を行うこととなっております。極めて重要な役割を任されている地区支部でありますが、現在、この地区支部に配置される職員が、災害発生後すぐ参集できない状況、例えば、清水の三保地区が担当であるにもかかわらず、勤務先が葵区役所の勤務であったりという形で、地区支部の配置について問題があるように思います。  被災状況を的確に素早く対策本部に上げ適切な対応をしていくことが、市民の命を救うことにもつながる重要な役割を持っている地区支部について質問です。  災害発生後、地区支部が十分に機能するよう、職員配置を見直す考えはあるのか、教えてください。  続きまして、災害井戸について質問させていただきます。  今回の東日本大震災においても、停電を初め、水道もとまり、ライフラインの復旧にはかなりの時間がかかっています。しかし、ライフラインが寸断された状態であっても、人は、そこで生活をしていかなければいけません。  私も、被災地に入り、よく見た光景ですが、給水車には多くの人たちが並び、何時間もかけて水を確保していました。飲料水だけではなく、トイレやふろ、洗濯など、私たちが生活していくためには、水の確保が必要不可欠であります。  日本各地を見ても、この災害における水の確保のため、災害井戸、防災井戸という形で取り組みをされている自治体が非常に多く見ることができます。災害時には、生活用水の補完として、地域住民に広く開放し使用できるようにすることを目的に、避難所や避難地を中心に設置している自治体もあります。また、既存の井戸に対しても、市が協定を結び、生活用水のできる限りの確保に力を注いでいます。災害時において、水質の変化、井戸水の枯渇、管の破損等の問題はあるにせよ、市民の生活用水の確保策の1つとして進めていくべき課題だと考えています。  そこで質問です。災害発生後の生活用水確保のため、井戸の掘削に対して補助をする考えがあるか、教えてください。  以上、1回目の質問とさせていただきます。 57 ◯市長(田辺信宏君) 市民の皆さんからの義援金を贈呈する傍ら、仙台市長にお会いをしていろいろ話をしたときに、仙台市長の言葉の中で印象的だったのが1つあります。それは、今回の震災で、防災対策の計画の上のことと、実際震災後に現実に起こったこととがかみ合わなくて、結局、絵にかいた計画で終わってしまったことが多いということをおっしゃっておりましたが、まさに防災計画の本質をつく言葉だと、私どもも今後の教訓にしなければいけないと感じた次第であります。  その観点から、本市もさまざまな業界の皆さんと災害時応援協定等を締結しておりますが、それが本当に機能するかどうかは、平時の取り組みにかかっております。人や物が計画どおりに動くかどうかは、団体相互の情報交換、連携が重要であり、訓練の中で絶えず検証していく必要があります。  この取り組みの第一歩として、本年度は、災害協定を締結している団体や事業者の皆様を対象に、災害時の取り組みのための講演会を計画しております。これをきっかけにして、市と事業者間、あるいは議員御提案の事業者間同士の有効な情報交換ができる仕組みをつくっていきたいと考えております。  また、例年開催されている総合防災訓練を初めとした各種訓練において、支援、協力方法に関し、具体的な訓練を行ってまいります。  以下は、局長に答弁させます。 58 ◯教育次長(鈴木教之君) 安政東海地震における推定津波浸水域内の学校数と屋上避難が可能な学校数でございます。  静岡県が公表しております安政東海地震における当時の推定津波浸水域内には、小学校5校、中学校2校、計7校がございます。このうち屋上に避難が可能な学校は、小学校2校、中学校1校、計3校となっております。  以上でございます。 59 ◯危機管理統括監(望月俊春君) 津波対策、土砂災害対策及び災害発生後の対応に関する質問にお答えをいたします。  最初に、学校施設を含んだ市の公共施設における津波避難への対応についてでございます。  市民の安心・安全を確保するため、現在、津波から避難する場所として、清水区で53カ所、駿河区で4カ所の津波避難ビルを指定しております。  東日本大震災の津波被害を受け、新たな津波避難ビルとして、沿岸部において、学校施設を含め公共施設及び民間の施設をできるだけ多く指定していきたいと考えております。  次に、学区や行政区の区割りの問題から、より遠くの避難所に行かなければならない状況についての考え方です。  市の地域防災計画におきましては学区ごとの避難場所を示しておりますが、これは1つの目安としているものであり、学区外であっても、緊急時には最寄りの避難場所へ避難していただくことを制限しているものではございません。このことは、今後、各区自主防災連絡会にも周知し、他地域の避難所へ避難した方にも対応していただけるよう、相互の共通認識を高めてまいりたいと考えております。  次に、急傾斜地の危険箇所数と災害発生が予想される場合の情報伝達方法についてでございます。  本市の急傾斜地における崩壊危険箇所は、平成22年度末現在、1,783カ所となっております。市域に土砂災害警戒情報が発表され、加えて、土砂災害の発生が高まった場合には、避難準備情報や避難勧告を発令いたします。  伝達方法といたしましては、各区総務防災課より関係自主防組織の会長に電話連絡し、会長より関係者に伝達してまいります。  これ以外の伝達方法といたしましては、同報無線、静岡市防災メール、NTTドコモのエリアメール等を使用して、市民に直ちに勧告等となる対象地区を周知していくこととなります。  次に、地域的な観点から、新たに他都市と協定を結ぶ考え方についてでございます。  現在、本市におきましては、政令指定都市を中心とした20大都市の相互応援協定のほか、姉妹都市や友好都市、中部横断自動車道沿線でつながりの深い都市との間で協定を締結しております。  今回の東日本大震災では、20大都市の相互応援協定に基づいた、仙台市を中心に人的及び物的支援を行ってきたほか、市内企業の進出や漁業などで経済的なつながりの深い気仙沼市などに支援を行ってまいりました。  協定に基づく支援は早期の復旧に向け大変有効であったことから、今後も経済的、文化的なつながりの深い都市との間で、協定締結について検討していきたいと考えております。  続きまして、災害発生後の市の業務の継続についてでございます。  発災後は、地域防災計画における災害応急対策に基づき、職員が、各地区の避難所に出向き情報収集するなど、各部署において災害時の事務分掌に定められた事務に従事することとなっております。その後、市民生活の回復ぐあいを見ながら、順次、通常業務を再開してまいります。そのためには、あらかじめ関係行政機関や民間ボランティア団体などとの応援体制について、整備、調整していく必要があると考えております。  次に、大規模災害時、地区支部が十分機能するよう職員が配備されるのかというお尋ねでございます。  地区支部は、基本的にその地域に居住する職員を配置しております。発災時の対応については、地域、学校、行政との間で随時会合を行い、それぞれの役割を確認しているところでございます。  地区で職員が不足した場合には、区本部及び市本部から応援職員を派遣する計画であり、今後、地区支部が十分機能するよう調整をしてまいります。  次に、災害時における水の確保のため、井戸の掘削に対しての補助の考え方でございます。  現在、災害時における水の確保については、避難所となる小中学校等の受水槽の利用や、給水車による給水活動を考えております。既存の井戸の修復や維持に関する資機材に関しては、自主防災組織防災資機材等購入費補助金により交付いたしておりますので、現時点では、井戸の掘削に対する助成は考えておりません。  以上でございます。   〔6番後藤哲朗君登壇〕 60 ◯6番(後藤哲朗君) 御答弁ありがとうございました。  それでは、2回目の質問に移らせていただきます。  東日本大震災後、地震に関する研修会として、「3月11日の衝撃―何が起きたのか、今後どうなるのか」と題し、東海大学海洋研究所教授、地震予知研究センター長である長尾理学博士による議員研修会を会派主催で4月28日に開催いたしました。  長尾理学博士によると、大規模な地震では、GPS観測で超高層大気の電子密度が広範囲に低下する現象が発生するなどが確認されており、今回の東日本大震災においてもそのことが証明され、災害発生40分前には把握できるとの報告がありました。  今後、静岡において3連動の大震災に備え、防潮堤を初めとするハード面での対策にも手をつけていくことが考えられ、莫大な費用が充てられることが予想されるとともに、津波避難ビル等の指定が困難な浸水区域への対応策、また、高齢者など5分で逃げ切れる範囲が限られている問題に対して、静岡市が主体的な防災対策として地震予知研究に支援していくことも1つの手であるのではないかと考えさせられました。  そこで質問です。地震予知の研究に支援をしていく考えはあるのか、お答えください。  続きまして、産官学の協力体制について質問させていただきます。  東日本大震災によって発生した大量の災害ごみの処理が、今も問題となっております。その問題に対し、倒壊した家屋や建築物の木材を焼却処分するのではなく、再資源化する試みがされるなど、多くの教育機関や企業の新技術による対応が報道されております。  私たちが住むこの静岡市には、静岡大学、東海大学を初め、災害復興に活用が期待できる研究をされている優秀な教育研究機関があり、また、民間企業においても、すばらしいものづくりの技術を持った企業が多数あります。  今回の東日本大震災を教訓に、復興への短期的な視点、中長期的な視点を持ち、産官学が総力を挙げ、力を合わせ、東海地震、東南海地震、南海地震の3連動の大震災に備え、問題、課題を克服していく必要があるのではないかと考えております。  そこで質問です。大学や企業の防災新技術の開発に共同して取り組む考えはあるのか、お答えください。  続きまして、災害ボランティアセンターについて質問をさせていただきます。  これまで議会においても、災害ボランティアに関する質問を幾度かさせていただきましたが、今回、東日本大震災においても、私は4月に宮城県石巻市に災害ボランティアとして活動し、5月には福島県新地町に、同じく新政会の池邨議員とともに、現地の被害調査と復興への取り組みについて学ぶとともに、石巻市と同じく、災害ボランティアとして活動をしてきた経験から質問をさせていただきたいと思います。  今回の東日本大震災においても、災害ボランティアは現地の復興に大きな力となり活躍していることは、報道にもありますように、皆さんも十分理解されていると考えております。  しかし、被災地において、津波被害により県外からのボランティアが宿泊できるような施設がなかったり、災害ボランティアセンターを運営するリーダーが被災してしまい、人材不足などによりボランティアを受け入れるだけの体制が被災地側で整えることができなかったりと、広範囲にわたる被災地の中で、災害ボランティアセンターの成功しているところと、うまく機能を果たすことができていない地域ができてしまいました。  私が行った石巻市を成功した事例とするならば、それは、災害ボランティアセンターの設置場所が大学内にあったということであります。石巻市は、大規模災害を想定し大学側と準備を進めていたことが今回、全国から多くのボランティアを集めることができた理由の1つであると考えております。  大学内の広い敷地内にはボランティア用の宿泊テントを設置するスペースが確保されており、また、多くの駐車場もあり、支援物資を初め多くの災害復興用の資機材の拠点基地にもなっておりました。全国から集まってくる災害ボランティアと被災者とを結ぶ災害ボランティアセンターという拠点をどのように設営、運営していくか。静岡市においても三連動の大震災の発生を想定し、この拠点づくりについて、着実に準備を進めていかなければいけないと強く感じました。  現在の静岡市内における災害ボランティアセンター設置箇所には、沿岸部に近い場所を設定してあったり、全国から集まってくる多くのボランティアを受け入れるだけのテントスペース並びに駐車場も確保されていないように考えます。  災害ボランティアは、あくまでボランティアです。自分がボランティアとして活動するに当たり、できるだけ受け入れる環境面が優位のところを選ぶのが当然であります。広範囲な被災をした際に、この静岡市が、災害ボランティアが集まりやすい環境整備が必要だと考え、質問させていただきます。  災害ボランティアセンターの設置場所について、今後どのように考えているか、お答えください。  また、災害ボランティアセンターは、被災者からのニーズがあって初めてボランティアを派遣することができます。東日本大震災以後、テレビ、新聞等から、災害ボランティアについての報道がされ、市民の認知度は以前よりも上がってきているのかもしれませんが、まだまだ静岡市内の各自治会、町内会において、災害ボランティアに対する知識は浅いように感じます。  そこで質問です。災害ボランティアセンターの自治会、町内会への周知について、今後どのように行っていくか、お答えください。  続きまして、市職員の災害ボランティア休暇について質問します。
     公務員がボランティアに参加することは、市民生活に直接触れ、そこで感じ、学ぶことによって、職員の視野を広め、行政としての仕事に対し、よりよき効果をもたらすことを目的の1つとしていることを理解しております。  また、今回の東日本大震災においては、5月のゴールデンウイーク後からボランティアの人数が減少傾向にあり、仮設住宅の建設も進む現在、引っ越しなどのボランティアを初め、今もなお必要とされています。  そこで質問です。災害ボランティア休暇について、東日本大震災後に行ったボランティア休暇に関する対応についてお答えください。  東日本大震災の被災者支援を目的としたボランティア休暇の取得実績についてお答えください。  今回の東日本大震災では、津波による甚大な被害が特徴的であります。市民の不安はまさにその点であり、静岡市としても、新たに3連動の大震災による津波対策を含め、防災計画の見直しを行っていかなければいけないと考えております。  市民の不安を安心に変えていくには、静岡市は今後どのような津波対策、防災対策をしていくのかという全体的なロードマップを市民に示していくことが必要だと考えております。今後、東日本大震災を教訓に、何を、どこに、いつまでにつくるのか、市民に対して示すことこそが、まずすべきことではないでしょうか。  そこで質問です。今後の対策の見直しはいつ市民に公表していくのか、お答えください。  以上、2回目の質問とさせていただきます。 61 ◯危機管理統括監(望月俊春君) 防災対策に関連した3点の質問にお答えをいたします。  最初に、地震予知の研究に支援していく考えはとのお尋ねです。  東海地震の予知は、減災の観点から大変重要であります。地震予知については、国を初め、さまざまな機関で研究がされており、現在、市として特別な支援をする考えはございません。  次に、大学や企業の防災新技術の開発に共同して取り組む考えはどうかというお尋ねです。  現在のところ、大学や企業の防災に関する新技術の開発に共同して取り組んでいる事業はありませんが、本市の防災対策にも有効であると考えられるものについては、今後、共同の取り組み等を検討してまいりたいと考えております。  次に、今後の対策の見直しにかかる公表の時期についてです。  対策の見直しにつきましては、できるだけ早く市民に周知していくことが必要であると考えられますので、今後、見直しを行った際には、随時、速やかに市民の皆様に公表し、周知してまいりたいと考えております。  以上でございます。 62 ◯生活文化局長(久朗津雅敬君) 災害ボランティアセンターの設置場所、それから、自治会、町内会への周知について、一括してお答えいたします。  市では、災害ボランティア本部立ち上げ支援マニュアルにおきまして、災害ボランティアセンターの設置場所を番町市民活動センター、清水社会福祉会館、白銀すこやかセンターの3カ所に設置することを想定いたしております。  その設置場所は、被害の状況などによりまして変更または新設、サテライトの増設をすることとしておりますが、今後、被害想定に基づく地域防災計画の変更や、災害ボランティアセンターの運営の見直しなども視野に入れながら検討する必要があると認識をいたしております。  また、災害発生時、被災した市民の多様なニーズを収集するには、自治会、町内会からの情報提供が必要でございまして、また、災害ボランティアセンターに対する理解も不可欠でございます。  これまで災害ボランティアセンターにつきましては、立ち上げ訓練時におきまして、周辺の自治会、町内会役員に参加の呼びかけを行っておりましたが、今後は、全市域の自治会、町内会に対しまして、設置場所や役割につきまして情報発信をしてまいります。  以上でございます。 63 ◯経営管理局長(小長谷重之君) 市職員のボランティア休暇についての2点のお尋ねにお答えをいたします。  まず、ボランティア休暇に対する対応についてでございますが、ボランティア休暇につきましては、東日本大震災に対応するため、職員が被災者支援のためのボランティア活動に容易に参加できるよう、期限を定めて休暇の取得上限を5日から7日に拡充するとともに、活動の対象地域につきましても、被災地域に加え、被災者を受け入れている地域にも広げるなど、より取得しやすい環境を整えたところであります。そして、全職員に改正の内容を周知し、この休暇を積極的に活用してもらうよう、働きかけているところでございます。  次に、ボランティア休暇の取得実績ですけれども、これまでのところ、東日本大震災に関しては2人の職員がボランティア休暇を取得しております。具体的には、茨城県土浦市と宮城県南三陸町において、避難所運営や支援物資の運送、炊き出し等の支援活動に参加し被災者を支援しております。  以上でございます。   〔6番後藤哲朗君登壇〕 64 ◯6番(後藤哲朗君) 御答弁ありがとうございました。  それでは、3回目は意見、要望とさせていただきたいと思います。  まず、学校施設を含む公共施設の屋上避難を含めた津波避難対策でありますが、津波避難を考えるときに、学校施設の屋上も有効的な避難場所と考えられます。ぜひとも進めていただきたいと考えております。  また、学区や行政区の問題から、より遠くの避難所に行かなければいけない状況ですけれども、防災計画のほうに、避難所、避難地ともに、地区名の後に場所が指定され、避難地においては所属町内会、自治会が記載されております。学区や行政区により区別はないとのことでありましたが、地域の人たちにとっては、それは指定されているものと考えてもおかしくないような記載方法となっております。  今回の東日本大震災を受け、土地の高低差から避難地、避難所を見直す自治会も多くあると予想される中、市として、自治会間の調整等は適切に行っていただきたいと要望させていただきます。  また、土砂災害については、本市が静岡県の窓口であるといった姿勢から、静岡市として土砂災害に対してしっかりと向き合い、市民の安心・安全に向け、主体性を発揮した行動をしていただきたいと要望いたします。  現在、地すべりなどの大規模な土砂災害が予想される区域においては、センサーを設置し対策を講じているようでありますけども、市内の危険区域等に対しても、センサー設置を検討していくとか、また、政令指定都市には、危険な大規模造成地の調査と防災区域の指定ができる権限があることを生かして、この静岡市が、主体性ある災害対策につなげていくことが大事であると考えております。  自治体間の相互応援協定については、現在、静岡市の防災計画に記載されている箇所を見てみても、内容のところが空欄になっているところもありまして、また、20大都市災害時相互応援に関する協定を見てみても、今回、東日本大震災においては、仙台市を中心に各都市が支援することができたかもしれませんが、3連動の大震災を抱える静岡市において、名古屋市や浜松市、そして、大阪市など、大都市が多く関係することも考えますと、静岡市独自に、地域的にも北陸地域との自治体間の協定を考えていくべきではないかと考えております。  もちろん、20大都市の災害時相互応援協定に関する協定についても、防災訓練等も行い、着実な関係づくりを進めていただきたく、お願いいたします。  そして、民間事業者間の横のつながり、ぜひとも進めていただきたいと思っております。  自助、共助の心の醸成は、行政が大規模災害時に対応し切れないからという理由からではなく、ふるさとを愛し、自分の地域は自分で守るといった主体的な自助、共助の心を育てていくことが大切になってきます。地域の取り組みに対し、市としてできる限り活動支援ができるよう、今後も対応をお願いいたします。  地震予知並びに産官学の協力体制でありますけれども、今後静岡市が主体的に防災対策をしていく上で、今回の東日本大震災を受け、洗い出された問題、課題を県や国だけに任せるのではなく、みずからも優秀な教育機関やすぐれた技術を持った企業とともに主体的な行動を起こすことが大事であると考えております。先ほど地震予知の研究、考えていないという話もありましたけれども、今後、今回の東日本大震災の問題、課題を考察するときに、またひとつ考えていただきたいなと思っております。  先ほどもお話ししましたけれども、民間事業者の横のつながり、こういったことを進めることによって、地域の知恵や技術を味方につけ、田辺市長には、ぐいぐいと防災の静岡を全国発信していただきたいとお願いいたします。  災害ボランティアセンターについてですが、広域的な被災が予想される3連動の大震災時に、問題は、どれだけ多くの災害ボランティアをこの静岡市に呼ぶことができるか、集めることができるかといったことであります。今回成功した災害ボランティアセンターを見習うとともに、災害ボランティアコーディネーターの育成についても、市として力を入れていただきたいと思います。  また、地域の防災リーダーとの連携についても、今後、御検討いただきたいと要望いたします。  そして、最後に、国や県との連携する部分も多くあると思いますけれども、今回の東日本大震災を教訓に、静岡市の防災対策を主体的に、そして率先して行動を起こすことを市民に明確に示していく必要があると私は本当に考えております。具体的な対応策の工程表を示すことが大事だと考えております。  津波対策にかかわるハード面から、計画並びにソフト面での対応を含め市民にわかりやすく示していくこと、対応がされてから1つずつ出すのではなく、しっかりとした工程表を出した上で、市民の皆さんに明確に示していくことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  以上です。 65 ◯副議長(井上恒弥君) この際、暫時休憩といたします。         午後2時53分休憩    ─────────────────────         午後3時5分再開 66 ◯議長(石川久雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続行いたします。  次に、山本彰彦君。   〔18番山本彰彦君登壇〕 67 ◯18番(山本彰彦君) 通告に従いまして、市政運営について質問させていただきます。  田辺市長は、平成10年、近未来都市ビジョン「新駿河市/200X年」という政治小説を執筆されました。物語は、静岡、清水市の合併、政令市へ移行した新駿河市を舞台に、新交通システムの導入をめぐる政治家の姿、都市のあり方や恋愛が織りまぜられ、興味深く、楽しく読ませていただきました。特に、主人公の星崎県議会議員の行動力と決断力は、多くの学ぶべき点がありました。時は流れ、今の静岡市と重なる印象でありました。  また、昨年、みどりの静岡戦略会議の編集による静岡未来予想図ビジョンマップ20XX年、「わくわくできる希望のまち“静岡”を創ろう!」を監修され、そして、本年3月、東日本大震災を踏まえ、静岡を「希望の岡」にするプロジェクトを掲げられました。  これらを踏まえながら、市長の都市ビジョンにおける基本的な考え方についてお伺いします。  初めに、これまでの分権改革をひもとくと、第1期分権改革、三位一体改革、第2期分権改革と進みながらも、中央集権の牙城とされる霞が関の抵抗や自治体側の自立的、能動的な姿勢の乏しさになどより、15年にも及ぶ分権改革は未完の分権改革にとどまっていると言われてまいりました。そして、政権交代後、地方分権改革は地域主権改革と言葉を変えましたが、実質的な進展がほとんど見られない状況でありました。  このような中、国では先月、ようやく地域主権関連3法が成立し、地方分権に向け少し動き出したところであります。  そこで、地方分権改革の中で、本市の目指す姿はどのようなものであるのか、お伺いします。  次に、近未来都市ビジョンの小説の中で、リーダーの1つの資質の要件として、「小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり」という言葉を紹介されました。小善は一見よいことであるように見えるが、実は結果的に大きな欠陥、大悪を生むことになる。一方、大善は、本人、組織、世の中のためになる行いが非情に映ることがある。つまり、リーダーは、非情に思えることであっても、過去でも現在でもなく、未来を見据えて責任を果たしていかなければならないということを示されました。  また、自分たちのまちは自分たちでつくるという意識の共有、そして、静岡未来予想図では、静岡維新とする市民の、市民による、市民のための自治政府を打ち立てるとされています。  これらに共通するキーワードとして、自己決定、自己責任、市民みずからの判断と責任による住民自治が語られていると思います。都市ビジョンを推進していく上で、リーダーシップと市民に望むことはどのようなことなのか、お伺いします。  次に、市長の経歴の中で、大学の講師として教育に携わられた経験があり、現代の学生の行動や考え方に直接接してこられました。また、30代や市長と同世代の40代である子育て世代とも多くのかかわりを持ち、身近で子育て世代の抱える悩みや課題などをお聞きのことと思います。  先日は、若手職員有志との意見交換会が行われ、熱いトークが交わされたとの報道もあり、若い世代との対話を大切にされている姿勢がうかがえました。世代を超えて多くの意見に耳を傾けていくことが必要でありますが、同様に、将来を担う若い世代の感性と豊かな発想を基調に置いたまちづくりも重要であると考えます。  そこで、若い世代の市民の活力を市政運営にどのように生かしていこうと考えているのか、お伺いします。  次に、平成22年度、第2次総合計画が始動し、平成26年度までの5年間の主要事業計画を含めた第2期実施計画が本年度から本格的にスタートしました。  市長の所信表明では、2つの都市ビジョン、災害に強く安心・安全に人が暮らせるまちと求心力が強く世界中から人の集まるまちを目指し、現行の第2次総合計画を継承、発展させ、世界に輝く「静岡」の創造に向けて、新たな時代に即応した施策を展開していくとされました。  3月の震災、続く原発の問題、政治の不安定さなど、社会経済情勢は刻一刻と変化しています。厳しい財政状況の中、市民にとって最善の事業を展開するためには、前市政の継続すべき点を精査し、対応を図る必要があると考えます。  これまでの市政の評価と課題としてどのようなことをとらえ、改善を図るべきと考えているのか、お伺いをします。  次に、組織機構についてであります。  本市は、大都市経営を効率的に推進する体制を基本に、政令市移行に伴い、局制の採用と区役所を設置、新しい行政需要や政策課題に戦略性をもって取り組むため、これまで毎年、組織機構が見直しされてまいりました。  本年度の改正のポイントは、不適正経理の根絶に向け、内部統制機能の充実を図ることや、庁内分権推進体制を見直し、調整室が廃止されたことなどでありました。  現在の組織機構は14局24部183課で構成されておりますが、局によっては職員数が1,000人を超えるなど、行政事務の円滑な執行に不安が残るところではあります。  市民の満足が得られる質の高い行政サービスを提供するためには、市民の視点、立場に立ったわかりやすい組織づくり、職員数に見合った組織機構のあり方、さらに、職員が意欲を持って、充実した仕事に取り組むことができる職場環境づくりが求められます。  組織機構について、2点質問します。  1点目に、静岡を「希望の岡」にするプロジェクトの中で、観光交流部の開設があります。市長の目指す方向性によっては組織の形が変わってくるものと思いますが、組織機構のあり方をどのように考えているのか、また、本市では、トップマネジメント機能を強化することを目的に、副市長の定数を2人とされていますが、副市長の人数の妥当性についてどのように考えているのか、お伺いします。  2点目に、市長は、市議会議員、県議会議員を経験され、行政を監視する外側からの立場、客観的な目で見守ってこられました。現在は、自治体リーダーとして行政を内部からコントロールし運営していく立場、主体的な目を持って対応されていくことになります。  本市では、行政組織の風土をどのようにとらえ、また、求める職員像はどのようなものかお伺いし、1回目の質問とします。 68 ◯市長(田辺信宏君) 驚きました。私が1998年―今からもう13年前ですけれども―に書きました「新駿河市/200X年」を読んでいただいたということを、とてもうれしく聞かせていただきました。全然売れなくて、今では絶版であります。ただ、議会図書室に1冊ございますので、議員の皆様、ぜひ御一読をお願いしたいと思っております。  さて、市政運営について、都市ビジョン、その中で、リーダーシップと市民に望むこととしての基本的な考え方についてお答えをいたします。  私は、リーダーシップを持つということの3条件をいつも夢と責任感と、そして、熱意ということを申し上げております。  つまりリーダーシップとは、夢を持ってビジョンを描く。そして、責任感を持ってそこに至るプロセスといいますか道筋を示す。そして最後に、熱意を持ってその夢に向かって人々をその気にさせるということ。この夢を持ってビジョンを描き、責任感を持って道筋を示し、さらに熱意を持って人々を動機づけることがリーダーシップだと考えております。  このようなリーダーシップにより、1人の100歩より100人の1歩を実現し、自分だけが前進をするのではなく、つまり1人の100歩ではなくて100人の1歩、同じ歩数の100歩ならば、そういう形でより多くの人がビジョンを共有し、同じゴールに向かって走り出せるようにしていくことが重要であると考えます。  また、そうした観点から、市民の皆さんには、市から発信されるさまざまな情報をもとに、市政に対して、広報しずおかを読んでいただくとか、大いに関心を持っていただき、ともに本市発展に向けた1歩を踏み出していただけるよう、お願いをしていこうと考えております。  次に、若い世代の市民の活力を市政運営にどのように生かしていこうと考えているのかというお尋ねに対してお答えをします。  私は、若さの特権というのは、現状に異議申し立てができることだと考えております。そしてまた、この若さというのは、肉体的な年齢のことを指しているのではありません。80代や90代になっても、心の若さを保って、みずみずしい感性を武器に、現状よりもより一歩理想の社会があるはずだと、そういう現状に異議申し立てをする気持ち、これが若さの特権だと私は思っております。そういう意味では、若い世代に期待をするものであります。20代のうちから、もう現状こんなものだということでは、これは若さの特権を生かしたことではありません。学生に対しても、そんなことを常々申し上げていました。  若い世代の皆さんから発せられる新鮮で前向きな声は、私が主張している現状打破への大きな力となるでしょうし、静岡市の発展にとって大変重要なものであると考えております。  私は、そのような声を広く伺っていくため、現地現場主義に基づき、若い世代の皆さんの活動の現場へと積極的に足を運んで対話をさせていただき、そこで得られた気づきとか認識というものを、また的確に市政に生かしていこうと考えております。  次に、これまでの市政の評価と課題としてとらえていることはどのようなことか、また、課題についてどのような改善を図っていくのかということについてお答えします。  平成6年からの16年余にわたる小嶋市政では、中核市移行、静清合併、政令指定都市移行、さらには蒲原、由比との合併などが実現され、本市の将来的な発展への基盤、礎が確立されたものと高く評価をしております。  今後は、これらの基盤を生かしたまちみがきをどのように行い、どのようなまちを目指していくのか、市民の皆さんと行政とが明確なビジョンを共有化することこそ、極めて重要であると考えております。  そこで、今回、再三申し上げているとおり、鳥の眼、虫の眼からの2つの将来ビジョンをお示ししているところでございます。それらの実現に向けて、現地現場主義、スピード感、そして、積極的な情報発信という3つの基本方針を強調して市政運営に取り組んでいきたいと考えております。  以下は、局長に答弁させます。 69 ◯経営管理局長(小長谷重之君) 地方分権改革及び組織機構についてのお尋ねに対してお答えをさせていただきます。  まず、地方分権改革の中で本市の目指す姿でございますが、先月2日、地域3法と呼ばれる地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律、地方自治法の一部を改正する法律、国と地方の協議の場に関する法律が公布されました。  これを受け、今月13日には、社会保障・税一体改革などを協議事項として、初めて国と地方の協議の場が開催をされました。この協議の場は、国と地方が対等・協力の関係の中で、地方と連携して国政が行われるための一歩になることを期待しており、地方にとって歴史的な意味を持つものと認識をしております。  このような地方分権改革を推進する上で重要なことは、地方自治の本旨である住民自治、団体自治のさらなる充実に向け、積極的に取り組むことだと考えております。  本市の目指す都市の姿としては、住民自治と団体自治を両輪として充実していく中で、自治行政権、自治財政権、自治立法権を備えた、市民が主役の地方政府の具体的な形としての特別自治市であると考えております。  次に、組織機構のあり方の基本的考え方と副市長の人数の妥当性についてです。
     組織のあり方の基本的な考え方は、激しい環境変化に的確に対応し、スピード感を持って仕事に取り組むことができる柔軟で機能的な組織を編成することが重要だと考えております。マニフェスト推進のため、「まちみがき戦略推進プラン」を策定していきますが、その推進体制として、組織づくりにおいてもこの考え方を基本に進めてまいります。  また、副市長につきましては、市長とともにトップマネジメントを担う重要な職と考えており、その人数につきましては、事務の効率性や専門性などを考慮した上で、2人体制において円滑に市政が図られてきた実績や、現時点で市政全般の事務量に大きな変化がないこと、さらに、他の政令指定都市においても2人制を採用している自治体が半数近くあることなどを総合的に判断をし、当面、従来の2人体制を維持するものと考えております。  次に、行政組織の風土をどのようにとらえているのか、また、求める職員像はどのようなものかについてであります。  本市では、地方分権の担い手となる、みずから考え行動できる職員の育成を目的として、本市職員の人材育成の基本方針である新たな人材育成ビジョンを昨年度と今年度と2カ年で策定をしているところであります。昨年度は、本市の組織風土の現状を認識するとともに、常に高い成果を上げている職員の行動特性を分析し、目指す人材像を構築しました。  こうした中で、本市の組織風土として明らかになったことは、法令に従い、堅実、的確に仕事をこなしていくという典型的な日本人気質が顕著にあらわれていること、組織の職員同士の団結力が高いこと、市民重視の考え方をする風土が着実に醸成されつつあることなどが挙げられます。一方、自己主張が少ないなど控え目で、突出したものを好まない傾向も見受けられます。  このようなことから、目指す人材像としましては、常に市民の感覚、立場で考え行動し市民主役の市政を実現することができること、プロフェッショナルな公務員として、冷静さと熱意を失わず、責任を持って粘り強く物事に取り組むことができることなどが挙げられております。  今後、激しく変化していく時代にあっては、多様な人材を生かしていくことが重要であるため、個人の強みや個性を認め活用していくことも必要ではないかと考えております。  以上でございます。   〔18番山本彰彦君登壇〕 70 ◯18番(山本彰彦君) 市長、局長からの答弁ありがとうございました。また、市長におかれましては、熱く語っていただきまして、ありがとうございます。特に市長におかれましては、静岡市民72万人のリーダーとして、新たな息吹の中、希望あふれる静岡市の構築をお願いしたいと思います。  それでは、2回目は、所信表明で語られた2つの都市ビジョンに関連し、4点について質問してまいります。  初めに、危機管理についてであります。  3月11日発生した未曾有の大震災は、多くの住民の命と一瞬にして人々の日常生活を奪い、自治体現場にも壊滅的な被害をもたらしました。三陸を中心とした自治体の役所は、津波に飲み込まれ崩壊し、また、地震後の対策本部である役所の中枢機能そのものが、津波に襲われ、消滅してしまうという事態にも陥りました。  自治体の役割は、大規模な災害、不測の事態が生じたとしても、市民の生命、財産を守るだけでなく、行政サービスの維持、さらに、被災者支援の業務を円滑に実施しなければなりません。  そこで、情報管理の観点から2点質問します。  1点目に、平成20年、総務省から地方公共団体におけるICT部門の業務継続計画策定に関するガイドラインが示されました。これを受け、本市では、昨年度ICT部門の業務継続計画が策定されました。そこで、このガイドラインに沿っての検討、対応内容と、東海地震が想定されている本市として考慮した点、さらに、東日本大震災を踏まえ、計画の見直し等について、どのように考えているのか、お伺いします。  2点目に、阪神・淡路大震災で被害を受けた西宮市では、独自で開発した被災者支援システムがあります。このシステムは、住民基本台帳のデータをベースに被災者台帳を作成し、被災状況を入力することで、罹災証明書の発行から支援金や義援金の交付、救援物資の管理、仮設住宅の入退去など一元管理できるものであります。災害発生後、きめ細やかな被災者支援が求められる中で、このシステムを導入、運用することが、極めて有益であると考えます。  このシステムに対する認識と課題、また、導入に向けてどのような対応を考えているのか、お伺いをします。  次に、人材育成ビジョンについてであります。  先ほどの答弁にもございましたが、平成21年3月、政令指定都市にふさわしい職員の育成から地方政府の担い手となる職員の育成へ目的を変え、人材育成ビジョンが改定されました。このビジョンでは、5つの行動指針、4つの目指す人材像、そして、目指す職場像が示されていますが、今年度で人材育成推進のための3つのプログラムの実施期間が終了となります。  また、このプログラムの1つに、人事管理に関する育成型人事制度プログラム、人事評価制度を主にした内容があります。この制度は、平成18年度から導入し、対象範囲を拡大しながら、平成20年度から全職員が対象になりました。  そこで、現在、本市では新しい人材育成ビジョンを策定中でありますが、新たな人材育成ビジョンの今後の展開と人事評価制度にどのように影響するのか、お伺いをします。  次に、事務事業評価システムについてであります。  6月9日、静岡市版「事業仕分け」の実施概要が公表されました。これまでの当局の考え方を180度転換し、外部目線を取り入れ評価することは、職員の意識改革を進めていく上でも大切なことであると思います。  また、今後の事業の見直しでは、縦割り行政の中で実施されている類似した事業、例えば、教育委員会の放課後子ども教室と福祉分野の放課後児童クラブなどについても検討を進めていく必要があると思います。  それでは、内部評価として実施されてきました事務事業評価について確認したいと思います。  本市では、平成13年度から行政評価の一環として事務事業評価システムを導入してまいりました。昨年度からは、静岡市総合計画重点事業に係る進行管理システムを活用し、事務事業の進行管理が行われています。  そこで、事務事業評価システムの現状と課題、今後の事務事業評価システムの方向性と行政評価に対する考え方はどのようなことなのか、お伺いをします。  最後に、国際化についてであります。  静岡市国際化推進計画では、「世界に開かれた共生社会・静岡」の実現に向けた4つの基本理念があります。この基本理念を実現するための主要施策は、大別して、多文化共生という対内的なことと、国際交流、国際貢献という対外的なことに区別されると思います。この内容について質問します。  静岡県や浜松市などでは、多文化共生社会の実現を目指して条例を制定し、取り組みがされています。本市の外国人登録者数は8,300人余り、浜松市と比較すると人口比率は低くなっていますが、お互いの文化、習慣を理解することは、本市の国際化にとって重要なことであります。  これまで本市では、外国人住民懇話会を設置し、外国人との意見交換会が実施されてまいりました。しかしながら、外国人が地域住民として暮らしていく場合、さまざまな不都合が生じていることもあります。  そこで、多文化共生社会の実現を目指しての取り組み状況と現在の課題、それに対しどのように取り組んでいるのか、お伺いします。  次に、国際協力の一環として、友好都市、ベトナムのフエ市とは、日本語学校生招聘事業が実施されてまいりました。また、近年では、さまざまな外国人研修生の受け入れをされてきました。今年度は、フエ市との友好都市提携から6年が経過するため、職員を派遣し、新たな分野での交流を構築すると伺っています。国際貢献、国際協力は、地道な活動ではありますが、本市が国際都市として評価を高めていく上で、重要な位置づけになると考えます。  また、今後の国際化の中では、この活動をさらに一歩進め、本市独自の技術的な内容を検討、開発し、国際貢献、国際協力を推進していくことが必要ではないかと感じています。  そこで、行政における国際貢献、国際協力についての取り組みと研修生受け入れのメリットと活用方法についてお伺いし、2回目の質問とします。 71 ◯経営管理局長(小長谷重之君) ICT部門の業務継続契約、いわゆるBCPについてのお尋ねにお答えをいたします。  まず、ガイドラインへの対応と東日本大震災を踏まえての計画の見直しについてでございます。  総務省の地方公共団体におけるICT部門の業務継続計画策定に関するガイドラインを受け、本市においても、業務の実施・継続に必要不可欠である情報システムやネットワークといった情報基盤の被災後の早期復旧のため、平成22年度にICT部門の業務継続計画を策定いたしました。  本計画は、新潟中越沖地震などの対応状況を参考に、市民の皆さんに対し、必要な避難地情報や被災状況などを正確に情報提供するため、情報の受発信を行うネットワークシステムの復旧を最優先とするなどの内容となっております。  今回の大震災の甚大な被害を受けて、今後、新たな被害想定が示された場合は、本計画の内容も速やかに見直していきたいと考えております。  続きまして、被災者支援システムについてのお尋ねです。  まず、システムに対する認識等とシステム導入に向けての対応についてです。  総務省から示された被災者支援システムは、被災者台帳・罹災証明発行管理、避難所・被災者管理、緊急物資管理、仮設住宅管理、犠牲者・遺族管理等を行う災害対策上有用なシステムと認識しております。同システムにつきましては、本市での運用に適したものか、システム改修により対応が可能かといった課題がありますので、今後、機能等の検証を図っていきたいと思っております。  次に、新たな人材育成ビジョンの今後の展開と人事評価制度への影響についてです。  まず、新たな人材育成ビジョンの今後の展開についてですが、今年度につきましては、昨年度構築した目指す人材像をもとに、人材育成事業及び人事評価制度の再構築と職員の意欲向上や適材適所の配置などに結びつく経営型人事制度の研究、検討に取り組んでおります。  来年度以降につきましては、再構築した人材育成事業、人事評価制度を着実に実施するとともに、今年度研究、検討を行った経営型の人事制度を順次展開し、みずから考え、行動できる職員の育成を目指していきたいと考えております。  また、人事評価制度への影響についてですが、人事評価制度の再構築に当たっては、新たな目指す人材像をもとに、能力評価をより人材育成効果の高い行動評価へと再設計するなど、能力開発の動機づけとなり、職員の自主性と積極性を最大限に引き出す制度となるよう進めていきたいと考えております。  続きまして、事務事業評価の現状と課題についてです。  平成21年度まで、総合計画登載事業を対象に庁内での事前及び事後評価を行ってまいりましたが、昨年度、総合計画進行管理システム導入を機に、総合計画登載事業以外にも事務事業評価を広げることといたしました。  平成22年度は、市民啓発事業といったテーマを設定し、約60の事務事業を対象に第3次までの内部評価を試行的に実施したところであります。これまでの実施結果を踏まえた課題といたしましては、市民との協働と職員のさらなる意識改革を進めるため、市民目線を取り入れた外部評価導入の必要性と、不断の見直しを進めるための継続的な事務事業評価システム構築の必要性が挙げられます。  次に、今後の事務事業評価システムと評価についてであります。  社会情勢が大きく変化する中にあっては、生産性・効率性の向上や成果重視の行政スタイルへの転換、さらには、市民への説明責任の確保といったことをより進める必要があることから、先ほどの課題と今年度実施する静岡市版「事業仕分け」の結果を踏まえ、内部評価から外部評価までを一連のプロセスとする事務事業評価システムの構築を早急に進めてまいります。  なお、政策評価、施策評価も取り入れた行政評価につきましては、まずは、事務事業評価システムの構築が急がれることから、事務事業評価の実施結果等を踏まえた上で導入の検討に入りたいと考えております。  以上でございます。 72 ◯生活文化局長(久朗津雅敬君) 国際化の2点の質問につきましてお答えをいたします。  最初に、多文化共生社会の実現についてでございますが、本市は、民族や国籍などの違いを乗り越えて、人間として同じであるという理念に基づく多文化共生社会の実現を目指しております。この目的の達成に向け、外国人住民の素直な声を市政に反映させるため、静岡市外国人住民懇話会の設置や国際交流協会による多言語生活相談事業、多言語携帯メール配信サービス、外国人を対象とした防災セミナーなど、多彩な事業を展開してまいりました。  その中でも、特に懇話会からの提言は、区民懇話会への外国人住民枠の設置、外国につながる住民や外国人支援に携わる日本人住民の懇話会への参加、及び多文化共生啓発ビデオの製作など、きめ細かい実効性の高い事業実施につながり、外国人住民の方から高い評価を得ているところでございます。  しかしながら、課題といたしまして、日本の文化、習慣にふなれなことから起こるトラブルも少なくないと認識をしていますので、これまで生活オリエンテーションビデオを作成し、生活上の注意点をPRしてきたところでございます。  本年度、新たな取り組みといたしまして、来日後間もない留学生などに一日でも早く地域社会になれてもらうため、市政施設見学会などを利用した清掃工場や図書館などの見学や意見交換会を実施し、さらなる多文化共生社会の実現を目指してまいります。  次に、行政としての国際貢献、国際協力でございます。  本市では、開発途上国の経済、社会の発展、復興への寄与などを目的としたJICAボランティアの活動に、市民が青年海外協力隊員及びシニアボランティアとして海外で積極的に活躍できるよう、JICAと共同でPR等を行うなど協力体制を整えてきたところでございます。  そのほか、民間団体やNPO団体が行う物資支援などの貢献活動や人的な派遣事業につきまして、国際交流協会を通じて精力的に促進をいたしております。  受け入れ事業といたしましては、本市の環境や福祉、防災、産業経済などの行政ノウハウの提供や地方自治制度等の相互理解を深めるため、財団法人自治体国際化協会やJICA青年研修事業を通じ海外自治体職員などを受け入れており、本年度も2団体の受け入れを予定いたしております。  市としての国際貢献、国際協力はもとより、市職員の国際感覚の醸成や国際理解、本市のシティプロモーションにもつながるなどメリットも大きいことから、今後とも積極的、継続的に実施していくとともに、同事業を通じてより効果的なシティプロモーションのあり方についても検討をしてまいります。  以上でございます。   〔18番山本彰彦君登壇〕 73 ◯18番(山本彰彦君) それぞれ御答弁ありがとうございました。  3回目は、意見、要望を述べさせていただきます。  業務継続計画でありますけれども、先ほど後藤議員からもお話がありました、ICT部門のみならず、全庁的なことでぜひ拡大をしていっていただきたいなというふうに思います。  あと、国際貢献についてでありますが、ぜひ職員の方の派遣、また、教職員の派遣を含めて、積極的な対応をお願いしたいと思います。  最後に、市長の所信表明にもございました、前例踏襲、固定観念の打破、職員一丸となっての取り組みと今後の市政運営、市政の発展に大きな期待を寄せ、質問を終わります。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 74 ◯議長(石川久雄君) 次に、池邨善満君。   〔7番池邨善満君登壇〕 75 ◯7番(池邨善満君) それでは、通告に従い質問をいたします。  3月11日の東日本大震災が発生してから3カ月以上が過ぎました。この間、静岡に住む方々の地震、津波、そして、最近では放射性物質の影響の不安というものが、なかなか払拭されない日々が続いております。  地域の方々と地震、津波、原発事故について話をする機会を幾つかつくってまいりました。津波は大丈夫か、お茶は大丈夫かという声が多く寄せられているのが現状であります。今回の質問は、そのときに出された市民の方の疑問、意見、要望がもとになっているというふうにお考えください。  今回質問するに当たっては、「備えあれば」をキーワードにして質問を進めていきたいと思います。  1つ目の質問は、静岡市の一部ですけれども、一部のお茶で暫定規制値を超えたことについて質問をいたします。  静岡といえばお茶であり、静岡市は茶どころ日本一計画を策定し、10年後の目標として、お茶のまち静岡市を誇りに思う市民の割合100%を目指して取り組みが行われています。それが、今回の地震、津波、原発事故により、静岡のお茶にいろいろ影響を与えている、さらに今後の影響が懸念されております。  皆さんが何を心配しているのかということを考えてみますと、放射性物質の基準値とか、暫定規制値とかいろいろあり、また、その単位もベクレルであるとかシーベルト、そしてガイなど幾つもあってよくわからぬ、そのわからぬことが心配の原因の1つでもあります。  私自身も不安がないわけではないんですが、自分なりにどう整理したかを少し述べたいと思います。  6月24日に経済局農業振興課が提出をされ、本会議場で配られた資料でございます。大変わかりやすく説明されていたと思います。  放射線量で世界的に認知されている国際放射線防護委員会、ICRPの数値によりますと、一般公衆が1年間にさらされてよい人工放射線の限度は1ミリシーベルトであります。1年間に自然環境から人が受ける放射線の世界的平均は2.4ミリシーベルトであります。人が受ける線量は、外側から、内側から、いろいろありますが、年間の合計の線量が1ミリシーベルト以下であれば、まず安心というふうに私自身認識をしております。  それでは、静岡に住んでいる場合、どの程度であるか、自分なりに計算をしてみました。静岡県が発表している平成23年3月からの降下物の放射能測定結果、いろいろな地域の数値がありますけれども、今回、北安東、平成23年5月19日現在のデータを活用してみますと、1年間の被曝量は0.075ミリシーベルトであります。1ミリシーベルトよりはるかに下でございます。  それに加えて、例えば今回のお茶を飲むことによる内側からの被曝量、規制値をオーバーするわけにいかないので、暫定規制値の500ベクレルのお茶を1リットル、1年間飲んだ場合にはどれぐらいか、これは数値的には0.03ミリシーベルトであります。  さらに、そのほかいろんな食べ物がございます。この食べ物も規制値いっぱい、200ベクレルを考えた場合には、そして、体の吸収量でいろいろあると思いますので、それを考慮した場合には、0.48ミリシーベルトぐらいかなというふうに認識をしております。  一般的に、通常に生活をする場合には1ミリシーベルトに届かないわけですから、普通に生活すればよいというふうに自分自身考えております。  こうした中で、静岡において6月9日、静岡市葵区の藁科地区の一番茶の製茶から、国の暫定規制値500ベクレルを超える放射性セシウムが検出されたということであります。該当するお茶を製造した1工場に、出荷自粛と自主回収を要請したというような報道がなされました。  素直に、静岡のお茶は大丈夫かという声があるのは事実であります。市も一生懸命対策を講じておられます。けさの新聞、きのうの夕方のテレビでも報道されました。市長みずから対策を行っておられることは、市民の方は重々承知であります。  ここで確認の意味でお伺いをいたします。  このままこういう状況が続くと、茶どころ日本一実現が困難になるのではないかと心配するのですが、市としてこの影響をどのように考えているのか、お伺いをいたします。  できれば、生産量、出荷額、お茶のイベントなど影響がありますけれども、それぞれどのような形で影響があるのか、お伺いしたいと思います。  それから次に、「備えあれば」の2つ目は、危機管理についてであります。5月11日に、神奈川県の生茶で暫定規制値オーバーとの報道があってからの市の取り組みについて伺います。  3月11日に地震、津波、原発事故が発生し、そのときに静岡まで放射線の影響が出るというのは考えにくかったと思います。しかし、福島第一原子力発電所から約300キロ離れた神奈川県で暫定規制値をオーバーした事案が発生した際、360キロ離れている静岡もという声はあったと思います。  静岡市事務事業危機管理本部設置規程の第2条、4つの所管事項が記載されています。その4番目に、他の地方自治体において発生した重大な事故等に関する調査等の総合調整に関することということが書かれています。  当然、神奈川県のお茶の問題は、静岡にとっても他人事ではなく、何らかの動きはあったと思います。5月11日から今日に至るまで、どのような取り組み、備えをしてきたのかをお伺いいたします。  静岡市が市民に信頼、信用されるには、日常業務のサービスは当然大切でございます。それに加え、市民のことを考え、どれだけ日ごろから活動し、非定常あるいは緊急事態に備えるかも大切だと思います。施策を講じるに当たっては、備えあれば迅速、的確に行動することができ、市民の方の信頼も得られ、安心・安全に思っていただけるというふうに考えます。  危機の洗い出しについて、どういう取り組みを行ってきたのか、質問をいたします。
     以上、1回目の質問です。 76 ◯経済局長(靱矢雅浩君) 暫定規制値を超えたことによる茶業への影響についてという御質問でございます。  茶業への影響につきましては、現時点では具体的な規模を把握できる段階ではございません。  しかしながら、検出された茶工場等の製品の出荷自粛や自主回収による直接的な影響のほか、風評被害による需要の減退や取引のキャンセル、それらに伴う茶業者の経営意欲の低下などが懸念され、その影響は非常に甚大であると受けとめております。  なお、お茶関係のイベントにつきましては、これまで予定どおりに開催されておりますけども、今後は、今、議員の御説明の中にもありましたように、市長を先頭に、議員の皆様方の御協力も得ながら、風評被害の払拭に向けた活動を実施してまいります。  以上です。 77 ◯危機管理統括監(望月俊春君) 5月11日、神奈川県で暫定基準がオーバーしてからの市の取り組みについてお答えいたします。  放射線による本市のお茶の被害については、市長、危機管理部門を含め、全市を挙げて対応しているところでございます。  5月11日に神奈川県で採取された生茶から暫定基準値を上回る放射性物質が検出されて、産地である本市としては、風評被害を心配し、その拡大を抑えるため、6月4日に、国に対して、お茶の特性を踏まえた科学的根拠に基づく規制値の制定について要望書を提出いたしました。  6月9日に本市の1茶工場で暫定規制値を上回る放射性セシウムが検出された発表を受け、直ちに市長はコメントを発表するとともに、週明けの13日には厚生労働省、農林水産省を訪れ、改めてお茶にかかわる科学的な基準の確立や被害の補償に関しての要望をしたところでございます。  また、同日、経営管理局、環境局、経済局の各関係課では、課長会議を開き、風評被害対応のための記者会見の時期、方法などについて協議し、15日に記者会見を行い、市の考えを明らかにいたしました。  さらに、この間、地元選出国会議員や県議会議員などに、お茶の特色に応じた安全基準の制定についての要望活動も行ってまいりました。  本市といたしましては、今後もお茶に関する新たな基準と検査方法を早急に確立するよう国に働きかけていくとともに、静岡県と協調して、被害への補償等について要望していくことが必要であると考えております。  以上でございます。   〔7番池邨善満君登壇〕 78 ◯7番(池邨善満君) 御答弁いただきました。言いたいことは、後の要望のところで言います。  次、2回目の質問に入ります。  2回目は、静岡市が実際に進める施策について、お茶と省エネについてお伺いをいたします。  今回は、静岡市茶どころ日本一計画、お茶のまち100年構想実現に向けて、目標達成に向けましては、静岡市民に楽しんでいただけるお茶づくり、そして風土づくりが重要だという思いで質問をいたします。  新政会では、海外のお茶事情を調査するために、今回、台湾にある行政院農業委員会茶業改良場に視察に行きました。これは、静岡市のお茶を製造されている方の紹介もありまして実現できたものであります。  先日、NHK教育テレビで、25分ほどですけれども、紅茶をきわめるという番組が、静岡市丸子で撮影された模様がテレビで報道されました。ごらんになった方もいらっしゃるかと思います。その丸子でつくられた紅茶を持って、この試験場に行ってまいりました。  ここで台湾のお茶事情について、少しだけ触れておきたいと思います。  台湾では、戦後、茶業の復興を国の重要事項の1つに挙げて、約10年間の歳月をかけて茶葉の生産量をふやしてきました。紅茶の輸出、そして、緑茶の輸出も再開され、その後1980年代までの期間、台湾のお茶は輸出の最盛期を迎えたということでございます。あわせて、品種改良が行われ、同年に台湾茶の主流となる高山茶が製造され始めました。高山の多い台湾において、標高1,000メートル以上の山地でつくられるこのお茶は、まさに国を象徴するお茶になったということでございます。製茶技術の開発、産地開発も盛んに行われ、新鮮な緑茶に近い味覚が人気を呼び、台湾全土に高山茶ブームが到来したということであります。  さらに、1990年のころには、総生産の75%が台湾内で消費されているということであります。現在の台湾では、生活水準の向上や健康志向などにより茶葉への感心が高まってきており、高級茶を楽しむ習慣が広がっている。そして、よりおいしく、より高級な茶葉が求められているということでございます。そのために、茶葉のレベルを上げるため、一生懸命、産地の開発や製法の研究などがこの研究所で進められております。  視察先においても、何種類かのお茶をいただくことができました。本当においしいお茶だというふうに思いました。文山包種茶であるとか凍頂烏龍茶、そして東方美人など多くのお茶がございました。  ここで、少し話がずれますけれども、この丸子でつくった紅茶の評価はということでございます。そこが一番心配だったわけですけれども、少し茶葉が青いこともあり、見た瞬間に、研究員の方は少しにやっと笑った程度でございました。そこでちょっとむかっと来たわけでございますが、実際に紅茶を入れていただいて、紅茶の水色、「すいしょく」と言うらしいのですけれども、水色、味はよくできているとの評価をいただきました。  この試験場では、常に品種改良の取り組みをし続けていること、そして、台湾においては、家庭でお茶を楽しんでいるということに感銘を受けました。  ここで静岡の茶どころ日本一計画を見てみますと、10年後の目標は、先ほど申し上げましたとおり、お茶のまち静岡市を誇りに思う市民の割合100%でございます。  では、目標達成に向けては、静岡市民、子供から大人までお茶を楽しむこと、そして、子供がおいしいと思えるお茶、そして、大人がおいしいと思えるお茶をつくること。小さいときからお茶に親しむ風土づくり、例えば、保育園であるとか幼稚園であるとか、小学校、中学校でお茶を飲む時間をつくり上げることが必要だというふうに思います。  その効果としては、いろいろあると思いますけれども、1つは、お茶はコミュニケーションのツールとして大変よいツールだというふうに思います。また、茶園を整備することは、環境政策、里山保全にもつながると。ほかにもいろいろ効果はあると思いますが、そういった意味で、茶どころ日本一は、実現しなければならないというふうに考えます。  そこで、質の向上、普及の視点で、施策について伺います。実現に向けてどのような施策を進めていくのか、お伺いをいたします。  次に、省エネについて伺います。  静岡市省エネ対策基本方針が6月に出されました。体制は、副市長を本部長として、局長たちが参画した省エネ推進本部、調整担当課長で構成する省エネ推進本部幹事会、各部門で省エネ推進員を配置して、各局から種々の施策を提出していただいて実行していくということでございます。  それでは、市みずから削減する量はどの程度か。これは自分で勝手に計算した内容ですけれども、ISOの環境報告書によりますと、ISO14001サイト内の施設の電気年間使用量は約9,000メガワットアワーでございます。ここで12%削減し、目標を達成して1年間継続すれば、約1,000メガワットアワーの効果が得られるというふうに思います。  静岡市内全体の電気の量を考えると、市が使っている量というのは本当にわずかでありまして、市民、企業が利用する電気の量のほうがはるかに多いことから、静岡市全体の省エネを考えるには、市民の協力が不可欠だというふうに考えます。そのため、各区が主導で自治会と連携を図るなどして省エネを推進することが効果的だと思いますけれども、市民との連携はどのように図っていくのか、お伺いをいたします。  順番が逆になりましたが、全庁または市民挙げて協力をいただいて省エネを推進するためには、その必要理由が大切であります。確認の意味でお伺いいたします。  なぜ、今、削減が必要なのか、明確にお答えをいただければと思います。  以上、2回目の質問です。 79 ◯経済局長(靱矢雅浩君) 茶どころ日本一の実現に向けた取り組みについてということでございますけども、茶どころ日本一計画では、お茶のまちとしてのブランド力を高めることにより、交流人口をふやし、ヒト、モノ、カネの交流を促し経済効果を生み出していくことを戦略的な考えとして、産地戦略、普及戦略、イメージ戦略の3つを軸とした施策に取り組んでおります。  産地戦略としては、生産者、流通業者が連携した地域ブランド茶の創出、普及戦略としては、お茶の日を中心とした啓発事業に取り組んでいくほか、イメージ戦略として、JR静岡駅を中心としたお茶のまちとしての情報発信を進め、都市ブランド力の強化に努め、日本一を目指してまいります。  なお、今回の放射性物質調査の問題を契機に、生産者、茶商、そして行政の3者の一体感がより強まったと認識しております。さらにきずなを強め、結束して日本一計画の実施に取り組んでいきたいと考えております。  以上です。 80 ◯環境局長(杉山浩敏君) 省エネ対策に関します2点の御質問でございます。  まず、市民との取り組みが大事だと、その連携はどのようにしていくのかということでございます。  省エネにつきましての市民との連携は大変重要であると考えております。そこで、各区の自治会連合会の総会等におきまして、省エネへの取り組みの依頼を既に実施するとともに、出前講座の開催、省エネへの具体的な取り組みを記載したチラシ等の配布を行っております。  また、7月中旬から下旬にかけまして、省エネキャンペーンを3区で開催し、省エネ体験コーナー、相談コーナーを設置いたしまして、省エネライフスタイルへの転換を呼びかけてまいります。  また、今年度は、駿河区を環境学習のモデル地区に指定をし、省エネ活動に取り組んでいただくとともに、専門家により各家庭において家族構成にあわせた省エネ診断を行う「うちエコ診断」や電気使用量が把握できるモニターの貸し出しを実施してまいります。  さらに、広報紙や市ホームページにより省エネの呼びかけを行うなど、あらゆる機会を通じまして省エネを市民の皆様に呼びかけてまいりたいと考えております。  では、なぜ今削減が必要なのかということでございます。  本年3月に策定いたしました静岡市地球温暖化対策実行計画事務事業編で、平成27年度に平成21年度比5%の電気使用量の削減を目標に、省エネルギーの推進をしております。しかし、今回の浜岡原子力発電所の停止に伴いまして電力不足が懸念されるため、さらなる省エネへの対策が必要となります。そこで、まず市が率先して省エネに取り組む必要があると考えまして、省エネ推進本部を5月11日に設置し、全庁一体となった取り組みを始めたところであります。  また、この取り組みを市民、事業者の皆様に広げるため、啓発活動や支援を実施してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。   〔7番池邨善満君登壇〕 81 ◯7番(池邨善満君) 3回目は、意見、要望を述べます。  茶どころ日本一実現に向けては、こういう風評被害の中で、この実現に向けて一生懸命取り組んでいくことが、一方で静岡のお茶の安全性を訴えることになるというふうに思います。そういった意味で、新しい味のお茶など、改良事業の推進と、経営の視点で指導できる機能を取り入れていただきたいということを要望いたします。具体的には、改良研究所などのような場所をぜひ設置をしていただきたいと思います。  お茶をつくる工程での温度、湿度、乾燥時間、紅茶の場合は発酵時間などによっていろんな味ができるということであります。また、同じ茶葉を使っても、乾燥時間によって全然違う味のお茶ができると。そのために、それぞれの年代に好まれるお茶、そして、気軽に飲める比較的安価なお茶というのもできるというふうに思います。日々研究することが必要だと考えます。静岡市にぜひこの研究所をつくっていただき、品種改良を進めていただきたいと思います。  あわせて、経営の視点で指導できるメンバーも育てていただければというふうに思います。今、お茶農家が、みずから研究したり、いろんな研究をするには余りにも予算、時間がなさ過ぎます。そういった意味で、静岡市が主導でこういう研究をして、いろんなノウハウを提供していくということをお願いしたいと思います。  そしてもう一つは、少し遊び心を持ってもいいのかなという思いです。農業振興課のお茶の担当の方には、ぜひお茶を好きになっていただきたいと思います。そして、ぜひ1週間程度、海外にお茶の勉強に行くことをお願いします。  なぜ海外なのかということですけれども、日本は、お茶をつくる技術、機械などは海外から輸入した時代もありました。先進技術を学ぶことは、今後のお茶事業推進には絶対に必要であります。そして、お茶研修会、これは、各局から1名以上集まっていただき、年間4、5回、1泊2日でお茶の研修会を実施していただいて、お茶のキーマンを教育していただき、10年後には半分以上の職員が研修を受けているという形をつくれば、静岡市は目標が達成できるのではないかというふうに思います。  続きまして、危機管理についての要望です。  危機管理については、市・行政が市民からの信用、信頼を得るには、日ごろからの備えが本当に必要でございます。市民が心配や不安に思うことに、いかに迅速に的確に対応するか、それにかかっているというふうに思います。  市のホームページに、「社会環境は、ここ数年複雑多様化の一途をたどっています。それに伴い、従前より想定していた対応の枠を超えるような自然災害の発生、新型ウイルスの感染拡大、テロ行為といった重大事件の発生等に対応するために、静岡市では平成22年4月に危機管理課を設置しました。静岡市では、市民の皆様の安全、安心を守るための体制の強化を図っていきます。」、「静岡市では発展、拡充していく気持ちで危機管理を進めていきます。」というふうに記載があります。  各部局が所管する事業からの危機管理の洗い出し、先ほど御答弁ありましたけれども、6月4日に国に要望が出されています。5月11日から6月4日、市は何をしたのかというものを、やはり明確にしておく必要があると思います。  市民は期待をしています。期待にこたえるために、市が危機にさらされる事案については、事前にリスクを察知し、備えをする取り組みを要望いたします。  次に、省エネについてであります。  省エネは、市の経営体質強化につながるというふうに思います。ぜひ、全庁挙げての取り組みを要望いたします。  今回の補正予算にある夏期の電力使用量のピークを抑制するための監視装置の設置、電力デマンド監視システム10施設とあります。これは市が管理する対象施設の1割にも満たない施設の数だというふうに思います。各局、経営的視点から、すべての施設に導入することをぜひ検討を進めていただきたいと思います。  今回の目標である12%が達成できて、1年間通せば、私の計算ですから多少前後はあると思いますけれども、約1,800万円の経費節減につながります。これは市の経営体質強化につながる取り組みです。ぜひ積極的に進めていただければと思います。  一方で、もう一つは、無理をしないでというお願いがございます。これは、市民サービスの低下、職員の作業環境悪化、作業効率を低下させる施策については、ぜひ再検討をお願いしたいと思います。  各部門の施策が計画の中に掲載されていました。この中の1つには、例えば上下水道局の脱臭装置ファンを停止するというふうな項目もありました。停止した場合の室内の酸素濃度、酸欠防止、稼働忘れなどなど心配をするわけですけれども、こういうことがないのか。例えば、もう一つ、学校給食の調理方法を見直すことにより電気使用量削減などがございます。学校の給食の量が減るのかなという余計な心配をしてしまいます。非定常作業であります。ぜひ徹底した検討、安全・安心に向けた検討をよろしくお願いをいたします。  最後に、市長は本会議の所信表明の中で、現状を打破し、静岡のよさを掘り起こし、築き上げ、ふるさと静岡市を「希望の岡」にしていくために、市民、民間、行政が一体となった市政運営の推進に向け、誠心誠意取り組んでいく覚悟との表明をなされました。  今回のお茶の件、省エネの件は、今までの枠組みを超えて取り組む重要な事案だというふうに考えます。各局知恵を出し合い、連携を図り、事の収束、目標達成に向けて備えること、積極的に推進することをお願いし、質問を終わります。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 82 ◯議長(石川久雄君) 次に、山根田鶴子君。   〔15番山根田鶴子君登壇〕 83 ◯15番(山根田鶴子君) 通告に従い質問をいたします。  防災対策についてお伺いいたします。  東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県釜石市立14の小中学校児童生徒約3,000名全員が、避難3原則を児童生徒が守り抜き全員無事だったのは、徹底した独自の防災教育と防災活動の積み重ねの結果だった。  海岸から1キロの小学校の児童は、3階に集合したが、隣接中学校の生徒が「津波が来るぞ」と叫びながら高台を目指して校庭から走り出したのを見て、児童はみずからの判断で、3階からおりて中学生の後を追った。中学生が率先して避難を誘導。小中学校の校舎は津波にのまれ、避難開始から10分足らずの出来事でした。  この地域の防災教育を担当した群馬大学片田教授によると、要点は3つ、まず、想定を信じるな。2つ目は、登下校時も含め最善の避難行動をとること。3つ目は、率先避難者たれ。自分の命を全力で守るため必死で逃げることが、周囲への最大の警告になるということでした。  一方で、残念ながら津波の犠牲になった教員や生徒もおられ、御冥福を祈らざるを得ません。  気仙沼市の被災者の方々がお話しくださったことの中で、車で学校に子供を引き取りに来る途中で、母親たちが車とともに津波にのまれてしまった。その様子を子供たちは校庭から見ていた。昔から「津波てんでんこ」という言い伝えがあるけれど、この学校では生かされませんでした。  今まで公立学校では、災害時にすぐに帰宅させる引き渡し訓練を実施してきました。震災当日も、順次帰宅させた学校では被害に遭ったとも聞いています。  今回の大津波で地域全体が流されたり、道路の寸断、瓦れきなどで通行不能になったり、また、道路が渋滞するなど想定外の事態が起きました。  学校の防災教育について質問いたします。  3.11以後、それぞれ立地条件が違いますが、静岡市内の各学校ではどのような避難訓練をしたか、その状況と課題をお伺いいたします。  今までの避難訓練のように、校庭に整列し、順次家の人が即迎えに来る引き渡し訓練の考え方をお伺いいたします。  学校にいるときだけでなく、登下校中も含め、今後、防災教育をどのように行っていきますか、お伺いいたします。  2点目として、静岡市オフロードバイク隊についてお伺いいたします。  平成7年の阪神・淡路大震災の教訓から、オートバイは災害発生時の最も有効な交通手段となったことから、災害発生時の情報収集及び伝達の手段として、静岡市では平成8年度に発足しました。  全国に誇れるオフロードバイク隊は、静岡市から始まり、県内では三島市や川根本町が設置、その有効性は評価され、今回の大震災でも仙台市に派遣されましたが、道路網の寸断や建物の倒壊、津波による瓦れきの散乱のときの初期の迅速な情報収集は生命線であり、大変重要な役割を担ってきたと伺っています。  また、名取市を初め、全域的に壊滅的な被害の地域や津波による道路寸断で初期情報の収集伝達が困難なことから、オフロードバイク隊の存在は災害時に大変有効と思います。  オフロードバイク隊について、以下、質問をいたします。  東日本大震災ではどのような活動をしましたか。  静岡市オフロードバイク隊発足時から、合併後の構成と現在の配備体制についてお伺いいたします。  要綱では、隊員数50人体制となっていますが、市全域の情報収集や伝達は可能でしょうか。  また、防災計画上、50名に満たない体制ですが、隊員の不足数にどのように対応しますか。  さらに、平常時の訓練状況についてお伺いいたします。  3点目は、静岡市海岸・沿岸の同報無線についてお伺いいたします。  静岡市は、同報無線についてアンケート等を実施。聞こえにくいなどの意見もあり、同報無線のデジタル化なども含めまして検討中。新たに同報無線の増設はしないと伺っていましたが、補正に緊急津波対策として新設等の記載があったが、その内容についてお伺いいたします。確かに検討中が数年続いていますので、津波災害の情報の伝達手段は早急に整備しなければなりませんので、お伺いいたします。
     2番目の質問として、中学校教科書採択の取り組みについてお伺いいたします。  平成18年12月教育基本法が全面改正され、教育目標が決まり、平成19年には学校教育法の改正、20年には学習指導要領が改訂され、教科用図書検定基準も大きく改正されました。  ことしの夏には、教育基本法改正後初めての4年に1度の中学校教科書の採択が行われます。検定基準は、教科書が、知・徳・体の調和がとれ、生涯にわたって自己実現を目指す自立した人間、公共の精神をとうとび、国家、社会の形成に主体的に参画する国民、及び我が国の伝統と文化を基盤として国際社会を生きる日本人の育成を目指す教育基本法に示す教育、並びに学校教育法及び学習指導要領に示す目標を達成するための教材であると明確化しました。  改正されました教育基本法では、伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛することが、教育の目標の1つと示されています。  ことし3月末に検定を通った教科書が公開されましたが、検定に合格すれば、全教科書は均等な内容であると思われますが、各社の記述内容は、項目別に調べてみて温度差がありました。再度、県立中央図書館で閲覧できますので、歴史、公民の教科書においては、学習指導要領とその解説書の改善箇所が教科書にどう反映されたのか調査比較したところ、その内容は、それぞれ記載内容に差がありました。  特に歴史教科書では、過去幾度となく改訂のたびに国民的な議論が行われ、その主な論点は、歴史教科書の内容は、子供たちが日本を嫌いになる自虐史観や階級闘争史観に基づいて書かれている、どこの国の教科書かわからないというものでした。しかし、今日まで多くの意見や指摘から修正されてきたのも事実でございます。  今回の検定合格済みの教科書は、改正された教育基本法に基づいた学習指導要領に沿って作成されているはずなのですが、例えば、国土の防衛や災害で活躍する自衛隊を憲法違反と疑える集団と教える教科書、国民的課題である拉致問題には全く触れない教科書、国家の存立は領土、主権、国民であり、従来は載せていなかった北方領土、竹島、尖閣諸島については、今回の教科書では外務省の公式見解が記載されたことは評価しつつも、表現の差は大きい。  学習指導要領に国旗、国歌の意義と相互に尊重することが国際儀礼であることを理解させることを求めているが、きちんと教えていない教科書。日本人の勤勉の象徴であり、かつ報徳思想を唱えた二宮尊徳を初め、勝 海舟、高杉晋作、上杉鷹山などを歴史上の重要人物として教えていない教科書。日本側が一方的に悪いと扱われている記述もあり、未来を築き生きる日本の子供たちが、我が国に自信と誇りを持てるだろうかと考えてしまいます。  郷土静岡を愛し、我が国に誇りを持ち、これからを生きる子供たちを教育する重要な教科書採択に当たり、改正教育基本法と学習指導要領に沿った教科書採択の仕組み、採択事務等のルール、採択の権限はどこにあるかなど、その採択の手順についてお伺いいたします。  次に、採択の基準では、改正された教育基本法の初めての教科書採択になることから、改正教育基本法について市長の見解をお伺いいたします。  続いて、その採択はどのような基準に基づいて決められていくのかをお伺いいたします。よろしくお願いします。 84 ◯市長(田辺信宏君) 中学校教科書採択の取り組みについて、採択基準のうち、改正教育基本法についての市長の見解についてお答えいたします。  平成18年に約60年ぶりに教育基本法が改正されました。議員御指摘のとおり、今回の教科書採択は、新しい教育基本法のもとでの初めての機会であって、大変大事な時期に来ていると考えております。  改正教育基本法では、人格の完成や個人の尊厳など、これまでの普遍的な理念は大切にしつつ、情報化、国際化、価値観の多様化などといった社会の変化に対応した新しい時代の教育の基本理念が明示されております。  この基本理念では、知・徳・体の調和がとれ、生涯にわたって自己実現を目指す自立した人間、公共の精神をとうとび、国家・社会の形成に主体的に参画する国民、そして、我が国の伝統と文化を基盤として国際社会を生きる日本人の育成を目指しております。  こうした理念を踏まえて教育を推進していくことは、静岡市の子供たちの育成にとって大変重要なことであると認識しております。本市の子供たちが、自己を肯定し、他者との調和を図りながら、たくましく、そしてしなやかに生きていくことのできる力を備え、公共の精神をもって地域や国際社会に貢献しようとする大きな志を抱いた人材に成長するよう強く願っているものであります。  以下は、教育長、局長に答弁させます。 85 ◯教育長(高木雅宏君) 幾つかの教育の質問についてお答えをします。  初めに、今後の防災教育はどうかという御質問でございます。  小中学校での防災教育は、児童生徒が、災害時における危険を認識し、日常的な備えを行うとともに、状況に応じて、的確な判断のもとに、みずからの安全を確保するための行動ができるようにすることを目的としております。具体的には、地震、津波、火災等を想定しての避難訓練、応急救護訓練、学級活動の中での防災指導を学校安全計画の中で位置づけて実施をしております。  今回の震災を受けまして、各学校では、地域の実情を踏まえ学校安全計画の見直しを行いました。沿岸部の学校では、特に津波の怖さや迅速な対応に重点を置いた指導をする必要性を認識し、訓練にも生かしてまいりました。また、児童生徒が、教師の指導から離れたところにいるときであっても、自分で判断して行動できることが大切なことであると考えております。  そこで、今後も、予告なしでの避難訓練を実施するとともに、学級活動を通じて、登下校中に地震が起きた際には、近くの大人に助けを求めること、そして、少しでも高い場所に避難することなどの具体的な行動についても、引き続いて指導をしてまいります。  これが防災に関してでございます。  続きまして、教科書採択についての御質問がありました。手順についてお答えをします。  教科書の採択は、教科書が教科の主たる教材として学校教育において重要な役割を果たしていることを踏まえ、綿密な調査研究に基づき、公正かつ適正に行われる必要がございます。  そこで、静岡市においては、県から示された基本方針等を踏まえ、まず、静岡地区教科書研究委員会で、教科ごとに教科書の特徴を研究するとともに、市内のすべての中学校からの調査研究報告や教科書展示会での保護者や市民からの意見等を参考にして報告書を作成いたします。  次に、教科用図書選定委員会を開き、研究委員会からの報告書をもとに、教科ごとの採択案を作成し、市の教育委員会に建議をいたします。そして、教育委員によって採択案を検討し、静岡市の中学生にとって最もふさわしい教科書を採択すると、このような手順になっております。  続きまして、教科書採択の基準はどんなものかという、基準についての御質問でございます。  教科書の採択に当たっては、改正教育基本法で示されています公共の精神、生命や自然を尊重する態度、伝統や文化を尊重し、我が国と郷土を愛するとともに、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことなどの趣旨や、学習指導要領で示されている目標と内容が、的確にわかりやすく反映されているかを基準としております。  以上でございます。 86 ◯教育次長(鈴木教之君) 防災対策についての2点の御質問にお答えいたします。  まず、学校における避難訓練の状況と課題でございます。  今回の震災を受けて、すべての小中学校では、5月末までに各校の立地環境に応じた、より実践的な避難訓練を行いました。津波被害が想定される区域にある小中学校では、校舎の3階あるいは4階に避難することを原則といたしました。新たな取り組みとして、近くの高台等に避難した学校もあります。  訓練では、特に避難場所までの避難方法や所要時間を確認いたしました。その結果、より安全で効果的な避難方法について一層の工夫が必要であることを認識するとともに、高台に避難した学校では、全校で避難するには時間がかかり過ぎることなどが課題となっております。このような課題を踏まえて、今後の訓練に生かしていきたいと考えております。  次に、引き渡し訓練の考え方についてでございますが、引き渡し訓練は、児童を保護者に安全、確実に引き渡す手順や方法を確認するために行うものであります。そこで、小学校では、年1回引き渡し訓練を実施しています。  災害が発生した場合には、安全が確保できるまで、児童生徒は学校で待機させることを原則としております。また、保護者については、安全の確保ができてからの来校を今後さらにお願いしてまいります。  以上でございます。 87 ◯危機管理統括監(望月俊春君) オフロードバイク隊及び同報無線に関する質問にお答えをいたします。  最初に、オフロードバイク隊の東日本大震災での活動状況についてでございます。  静岡市オフロードバイク隊は、全国に先駆けて、平成7年の阪神・淡路大震災を教訓に設置されました。行政職員によるこのような組織は全国的に見てもほとんどなく、県内でも、静岡市をモデルに川根本町や三島市で組織編成されております。  今回の東日本大震災の際は、3月15日から5月3日までの間、22名の隊員を仙台市に派遣し、静岡市の現地本部の設置運営を行いました。  主な業務といたしましては、仙台市等への支援活動の調整やオフロードバイクの機動力を駆使した岩手県、宮城県、福島県の沿岸地域における津波被害調査等を行い、その状況を逐次、静岡市本部に報告いたしました。特に津波被害の甚大な仙台市宮城野区及び若林区の被災状況を分析する中で、仙台東部道路が津波に対する堤防の役割を果たしたことを確認し、その状況が本市駿河区の状況によく似ていることをあわせて報告いたしました。  次に、オフロードバイク隊発足時からの構成の変化についてお答えいたします。  静岡市オフロードバイク隊は、平成7年の阪神・淡路大震災を教訓に設置され、平成8年の発足時には隊員20名で構成され、その後、平成12年度には30名体制となりました。さらに、平成13年4月、本市山間地を震源とする地震を契機に、中山間地の情報収集能力を強化するため、隊員を10名増員し40名体制としたところでございます。加えて、政令市移行に伴い、バイク隊の編成と体制を見直すとともに、清水区を担当する隊員の増員を目指し、指導部7名、葵区3班18名、駿河区2班10名、清水区2班10名、通信班5名の隊員50名体制としたところでございます。  現在の隊員数は、指導部6名、葵区3班9名、駿河区2班6名、清水区2班8名、通信班6名の計35名となっております。  次に、市全域の情報収集活動と隊員数不足への対応についてでございます。  現在は、35名の隊員で全市をカバーできるよう、災害時に必要な情報の収集・伝達のための訓練を行い発災時に備えておりますが、各区で活動する隊員数も計画人数を下回っていることから、できるだけ50人体制に近づけるよう、職員確保に努めてまいります。  一方、隊員全員の居住地が葵区、駿河区のみとなっており、清水区の情報収集においては、清水区の地理等を熟知している職員の参加が必要と考えております。このため、随時バイク隊員の参加希望者を募集しているほか、若手職員に対し訓練の見学等を呼びかけるなど、増員に向けた対策を図っております。  次に、平常時における訓練実施の状況でございます。  バイク隊年間訓練計画を基本とし、操縦訓練はもとより、市主催で行う各種の防災訓練に参加し、情報収集訓練を行っております。また、年1、2回、自衛隊との災害合同訓練等を行い、操縦技術、情報収集能力の向上に努めております。さらには、県警や消防、防災関係機関との訓練にも積極的に参加しており、平成22年度の訓練実績は30回となっております。  次に、緊急津波対策事業による同報無線新設等の内容についてのお尋ねでございます。  今回の東日本大震災を踏まえ、緊急の津波対策として、まず、沿岸部で集客の多い商業施設、沿岸部で同報無線の聞き取りにくい地区など、計5カ所に同報無線を新設してまいります。  また、蒲原、由比地区の海岸・沿岸部の同報無線については、特に経年劣化も生じていることから、状態の悪い箇所から順次修繕をしていく予定でございます。  以上でございます。   〔15番山根田鶴子君登壇〕 88 ◯15番(山根田鶴子君) 答弁ありがとうございました。  静岡市オフロードバイク隊は、通常の職務に加え、災害時の初期の情報収集、伝達の使命を全うすべく訓練に励んでおられるとのことで、バイク隊の存在意義を深く感じております。  課題として、オフロードバイク隊の存続、維持管理について、真剣に対応しなければならないと思います。オフロードバイク隊も高齢化が進んでいるということで、若手職員に参加を呼びかけていきたいと思っております。  静岡市の教科書採択では、各採択権者の権限と責任のもと、十分な調査研究が行われ、適切な採択がなされることを期待しております。  そして、郷土静岡と日本に生まれ育ったことに誇りを持ち、未来をしっかりと生きることができる教育のためにも、採択の基準に従い、学習指導要領の目的を達成できる最も適切な教科書を採択されるよう要望いたします。  以上です。    ───────────────────── 89 ◯議長(石川久雄君) 本日はこれにて延会いたします。         午後4時36分延会    ───────────────────── Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...